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2025年06月10日(火)05時34分

NY外為市況=144円台で上下動

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日本時間午前5時33分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  144.63 - 0.22 (- 0.15%) 144.95 / 143.98
ユーロ・ドル 1.1419 + 0.0022 (+ 0.19%) 1.1439 / 1.1387
ポンド・ドル 1.3550 + 0.0022 (+ 0.16%) 1.3581 / 1.3523
ドル・スイス 0.8216 - 0.0007 (- 0.09%) 0.8231 / 0.8192
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<きょうの材料>
【米国】
*卸売在庫(確報値)(4月)23:00
結果 0.2%
予想 0.0% 前回 0.0%(前月比)
*卸売売上高
結果 0.1%
予想 0.4% 前回 0.8%(0.6%から修正)(前月比)
*米中、ロンドンでの貿易協議を10日も継続
 米中はロンドンでの貿易協議を明日10日も継続すると伝わった。
*カリフォルニア州、米政府を提訴
 カリフォルニア州は9日、移民摘発に対する抗議活動の鎮圧のために州兵をロサンゼ
ルスに派遣したトランプ政権を相手取り提訴した。 この訴訟は、強制送還に反対する
抗議デモを巡る緊張の高まりを受けたもの。デモ隊と治安当局の衝突が発生し、ニュー
サム州知事(民主党)と大統領が治安回復の責任を巡って非難の応酬を繰り広げてい
る。
*NY連銀調査 米消費者のインフレ期待、1年先は3.2%に低下
 NY連銀が5月の月次調査を公表し、米消費者の1年先のインフレ期待は3.20%
と、前月の3.63%から減速した。3年先のインフレ期待は3.0%、5年先も2.
6%にそれぞれ低下している。
*米雇用傾向指数、5月は若干低下
 全米産業審議会(コンファレンスボード)が9日発表した5月の雇用傾向指数は10
7.49と、4月の108.00から若干低下した。トランプ政権の関税政策を巡る不
透明感が漂う中でも、労働市場は底堅さを維持している。全米産業審議会は、年初に比
べて5月も指数の鈍化が続いたと述べた。
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<明日の材料と事前予想>
【英国】
BRC既存店売上高(5月)08:01
予想 2.5% 前回 6.8%
ILO失業率(2-4月)15:00
予想 4.6% 前回 4.5%
週平均賃金(2-4月)15:00
予想 5.3% 前回 5.6%(除賞与)
米3年債入札(580億ドル)
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 きょうのNY為替市場、ドル円はロンドン時間には143円台に下落する場面が見ら
れたものの、NY時間にかけて買い戻しが見られ、一時144円台後半まで回復。14
5円台に入ると戻り待ちの売りオーダーも観測されているようで、145円台を回復で
きずに伸び悩んでいる。
 ただ、下値もしっかりとしており、143円台に入ると押し目買いも控えている模
様。本日の21日線が144.60円付近に来ていたが、その付近での推移が続いた。
 ドル円は先週から方向感な無くなっているが、先週の米雇用統計を受けた動きを見た
限りにおいては、ドル安にも一服感が出ているようだ。米財政問題もあり、長期的には
ドル離れを指摘する向きは多いが、短期的には関税への懸念も一服する中、ドルは買い
戻されるとの見方も少なくない。ドル円ももう一段の上値を試しそうな気配が出ている
が、まずは145円を完全に突破できるか注目される。
 本日はロンドンで米中協議が再開され、ベッセント財務長官やラトニック商務長官、
グリアUSTR代表らが、中国のカウンターパートと協議を行っていた。明日10日も
継続協議となったようだが、米国側は、中国からレアアース輸出規制緩和の確約が得ら
れれば、対中輸出規制の解除に前向きな姿勢を示唆している。
 本日のユーロドルは1.13ドル台に一時下落する場面が見られたものの、下値はサ
ポートされ、1.14ドル台前半での上下動に終始した。ドルの買い戻しが見られる
中、1.15ドルには慎重で上値も重くなって来ているが、底堅さは維持されている状
況。
 先週は1-3月期(第1四半期)のユーロ圏GDP確報値が発表になっていたが、エ
コノミストは「ユーロ圏の年初の力強い成長は同地域経済の根本的な弱さを覆い隠して
いる」と指摘している。GDP確報値は前期比0.6%と改定値の0.3%から大幅に
上方修正されたが、成長の大部分は米国の関税導入を見越した医薬品の輸出急増による
ものとなっていた。
 同エコノミストによると、「今回の上方修正は重要な医薬品生産国であるドイツとア
イルランドが大きな要因となっている。ただし、この傾向は第2四半期の初めには逆転
すると予測している」と述べた。この変動を見通すと、その根底にあるのは循環的な回
復の弱さであるとも警告している。
 ポンドドルは1.35ドル台で上下動。上値は重くなっているものの、底堅い推移は
持続してい状況。上値追いのトレンドは持続しているようだ。エコノミストらは、英国
は今週の歳出見直しで春季予算で発表した支出計画を維持する可能性が高いと述べてい
た。今回の歳出見直しは、政府が設定した財政制約の範囲内に留まる見通しだとも指
摘。
 それでも政府は、より多くの歳出ニーズに対応するため、今後財政政策を変更する可
能性があるという。「現在の支出プロファイルの下でも、財政規律を順守するために
は、いずれかの段階で増税が必要になる可能性がある」とも述べた。歳出見直しはリー
ブス英財務相が11日水曜日に公表する予定。
MINKABU PRESS