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2025年08月21日(木)05時32分

NY外為市況=様子見が続く

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日本時間午前5時32分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  147.41 - 0.26 (- 0.18%) 147.82 / 146.87
ユーロ・ドル 1.1649 + 0.0002 (+ 0.02%) 1.1674 / 1.1622
ポンド・ドル 1.3453 - 0.0038 (- 0.28%) 1.3509 / 1.3448
ドル・スイス 0.8043 - 0.0034 (- 0.42%) 0.8093 / 0.8031
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<きょうの材料>
*米週間石油在庫統計(バレル・前週比)23:30
原油 -601.4万(4億2068万)
ガソリン -272万(2億2357万)
留出油  +234.3万(1億1603万)
(クッシング地区)
原油 +41.9万(2347万)
*()は在庫総量
*FOMC議事録
・多くはインフレは雇用のリスクを上回っていると認識。
・複数が、インフレ期待の抑制が外れるリスクを指摘。
・複数が、現在の金利が中立水準を大きく上回っていない可能性を指摘。
・複数が、企業が関税を顧客に転嫁する可能性を予想。
・多くが、関税の完全な効果出現には時間がかかる可能性を指摘。
・複数が、資産価格の高止まりに関する懸念を表明。
*米20年債入札結果
最高落札利回り 4.876%(WI:4.877%)
応札倍率    2.54倍(前回:2.79倍)
*トランプ大統領、クックFRB理事に辞任を要求
 トランプ大統領はクックFRB理事に即時の辞任を要求した。米連邦住宅金融庁(F
HFA)のプルテ長官は、クックFRB理事に関する2件の住宅ローン取引について、
ボンディ司法長官に捜査を求めた。これは、トランプ政権が民主党関係者やバイデン政
権の任命者に対する法的監視を強める動きの一環。
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<明日の材料と事前予想>
【NZ】
貿易収支(7月)07:45
予想 N/A 前回 1.42億NZドル
【英国】
公共部門ネット負債(7月)15:00
予想 18億ポンド 前回 207億ポンド
製造業PMI(速報値)(8月)17:30
予想 48.2 前回 48.0
サービス業PMI(速報値)(8月)17:30
予想 51.9 前回 51.8
【ユーロ圏】
ドイツ製造業PMI(速報値)(8月)16:30
予想 48.8 前回 49.1
ドイツ非製造業PMI(速報値)(8月)16:30
予想 50.5 前回 50.6
ユーロ圏製造業PMI(速報値)(8月)17:00
予想 49.4 前回 49.8(ユーロ圏製造業PMI)
ユーロ圏サービス業PMI(速報値)(8月)17:00
予想 50.7 前回 51.0
ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)(8月)23:00
予想 -14.8 前回 -14.7
【カナダ】
鉱工業製品価格(7月)21:30
予想 0.3% 前回 0.4%(前月比)
原材料価格指数
予想 -0.6% 前回 2.7%(前月比)
【米国】
新規失業保険申請件数(08/10 - 08/16)21:30
予想 23.2万件 前回 22.4万件
フィラデルフィア連銀景況指数(8月)21:30
予想 8.2 前回 15.9
製造業PMI(速報値)(8月)22:45
予想 49.7 前回 49.8
非製造業PMI
予想 54.3 前回 55.7
コンポジットPMI
予想 54.0 前回 55.1
景気先行指数(7月)23:00
予想 -0.1% 前回 -0.3%(前月比)
中古住宅販売件数(7月)23:00
予想 391万件 前回 393万件
ジャクソンホール会議(カンザスシティー連銀主催年次シンポジウム、23日まで)
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 きょうのNY為替市場、前日と雰囲気に変化はなく、金曜日のジャクソンホールでの
パウエル議長の講演を待つ中、様子見の展開が続いた。そのような中、ドル円はやや戻
り売りに押されており、一時146円台に下落する場面も見られた。ただ、147円台
は維持している。
 午後に7月開催分のFOMC議事録が公表され、多くの委員がインフレリスクが雇用
リスクを上回っていると認識していることが明らかとなった。早期利下げ期待を後退さ
せるような内容ではあるが、7月のFOMCは先日の米雇用統計発表前に開催されたこ
ともあり、どこまで参考になるかは未知数。
 FRBの利下げに対する市場の見方に変化はなく、短期金融市場では9月FOMCの
利下げの可能性を80%程度で織り込んでいる。一部からは、「ジャクソンホール会合
はパウエル議長に再び利下げへの言及を行う機会になると予想している。直近のインフ
レ指標には一部に強さが見られるものの、FOMC内のハト派を思い留まらせるほどで
はない」とのコメントも出ていた。
 ユーロドルも小動きに終始し、本日のレンジは50ポイント程度に収まっている状
況。本日は7月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)の確報値が公表されていたが、
前年比2.0%と6月から変わらずとなった。ECBのインフレ目標に一致している。
サービス部門のインフレは若干鈍化が見られたが、持続的な下落傾向を注視してきたE
CBにとっては歓迎すべきニュースではあった。
 米国との貿易摩擦にもかかわらず、最近のデータがユーロ圏経済の堅調維持を示して
いることを踏まえると、今回のHICPは、ECBが9月に利下げを一時停止する可能
性が高いとの見方を正当化するとの指摘も出ている。今後、関税の影響が秋に本格化す
ることを考慮すると、次回の利下げは12月が予想され、中銀預金金利は1.75%に
低下して、今回の利下げサイクルのターミナルレート(最終到達点)を迎える可能性と
も付け加えた。
 きょうもポンドドルは戻り売りが優勢となる中、1.34ドル台半ばに下落。上値が
次第に重くなっているものの下押す気配まではなく、21日線の上はしっかりと維持し
ている状況。
 本日は7月の英消費者物価指数(CPI)が発表になっていたが、エコノミストから
は、今回の数字は英中銀にとって課題となっていると指摘が出ている。総合指数は前年
比3.8%上昇と予想を若干上回ったが、同エコノミストは「高金利による英経済への
重しを管理しながらインフレを抑制するという英中銀が直面する難しさが浮き彫りにな
った」と述べた。
 「根強い物価上昇圧力は時期尚早な利下げに反する一方、成長と雇用の弱まりは慎重
な対応の必要性を示唆している」とも付け加えている。
MINKABU PRESS