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2025年10月23日(木)05時34分

NY外為市況=ドル円は152円付近

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日本時間午前5時33分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  151.95 + 0.02 (+ 0.01%) 152.05 / 151.49
ユーロ・ドル 1.1611 + 0.0011 (+ 0.09%) 1.1622 / 1.1577
ポンド・ドル 1.3360 - 0.0011 (- 0.08%) 1.3387 / 1.3306
ドル・スイス 0.7960 - 0.0004 (- 0.05%) 0.7974 / 0.7949
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<きょうの材料>
主な米経済指標の発表はなし
*米20年債入札結果
最高落札利回り 4.506%(WI:4.518%)
応札倍率    2.73倍(前回:2.74倍)
*米が中国向けソフトウェアの輸出制限を検討
 米政府が、中国向けのソフトウェアの輸出を制限する計画を検討していると伝わっ
た。具体的には、ノートPCやジェットエンジンなど、米国製のソフトウェアが使われ
ている、またはソフトウェアを使って作られた製品を中国に輸出する際の規制強化が議
論されているという。
*ベッセント財務長官
・今週末に中国の担当者と会談予定。
・トランプ大統領と日本へ行き新首相と会談する。
*ベッセント財務長官、対ロシア制裁の大幅強化を発表へ
 ベッセント財務長官は22日、ロシア関連制裁を大幅に強化する方針を発表すると明
らかにした。本日午後の取引終了後、もしくは明日朝一番に対ロシア制裁の大幅な強化
を発表する予定だと述べた。
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<明日の材料と事前予想>
【カナダ】
小売売上高(8月)21:30
予想 0.9% 前回 -0.8%(前月比)
予想 1.2% 前回 -1.2%(コア・前月比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)(10月)23:00
予想 -15.1 前回 -14.9
【米国】
中古住宅販売件数(9月)23:00
予想 410万件 前回 400万件
日銀金融システムレポート(10月)
連合春季生活闘争基本構想公表、26年春闘賃上げ目安示す
米5年インフレ連動債(TIPS)入札(260億ドル)
レーンECBチーフエコノミスト、イベント出席
EU首脳会議(24日まで)
中国外灘年次金融経済会議(上海、25日まで)
ECBブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)(30日まで)
※米政府機関閉鎖の影響で米経済統計の発表は延期になる可能性
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 きょうのNY為替市場、ドル円は一時151円台半ばに急速に下落する場面が見られ
たものの、後半には下げを戻している。米政府が、中国向けのソフトウェアの輸出を制
限する計画を検討していると伝わったことで、ドル円も急速に売りが強まる場面が見ら
れた。具体的には、ノートPCやジェットエンジンなど、米国製のソフトウェアが使わ
れている、またはソフトウェアを使って作られた製品を中国に輸出する際の規制強化が
議論されているという。
 ドル円は、高市トレードで一時153円台まで急上昇する場面も見られたものの、実
際に高市氏が首相に就任し、ひとまず一服感も出ているようだ。日銀の利上げについて
の見方が様々出ているが、今月の決定会合では見送られる公算が大きいと見られている
ものの、12月はまだ可能性があるとの見解で一致しつつある。
 エコノミストは、「円高派(ドル円下落)は高市首相の下で財政健全化が緩む可能性
に神経質になっているかもしれないが、金融政策面で見れば、日銀は依然として利上げ
が可能で、年内の決定会合で議題に上る可能性は十分にある。それを踏まえると、円先
高観を完全に放棄する時期ではない」と述べている。
 また、「円安派(ドル円上昇)は151円台で勢いを保っており、155円の水準を
視野に入れている。ただ、FRBと日銀の政策スタンスを左右する景気循環の違いを考
慮すると、年末までにドル円が150円を下回るレンジに戻るという見方は、なお妥当
と言える」とも付け加えた。
 ユーロドルは1.16ドルを挟んで上下動。本日は狭い範囲での値動きの中、一時
1.1580ドル付近に値を落とす場面の見られていた。一方、ユーロ円は前日の上げ
こそ一服しているものの、21日線の上での底堅い値動きは継続しており、176円台
で推移。
 前日にECBのチーフエコノミスト、レーン理事が「ドル調達が枯渇すればユーロ圏
の銀行は圧迫に直面する」と警告していたが、これについてアナリストは、「ユーロが
直面する金融安定リスクを浮き彫りにしている」と指摘している。レーン理事は「ユー
ロ圏の銀行はドルに対するエクスポージャーが大きいことを考えると脆弱だ」とも述べ
ていた。
 同アナリストは、この発言はユーロ圏の成長は脆弱でセンチメントももろいため、短
期的なユーロの上昇余地は限定的であることを浮き彫りにしていると指摘している。
 きょうのポンドドルは下に往って来いの展開。ロンドン時間には1.33ドルちょう
ど付近まで下落していたものの、NY時間に入って1.3370ドル付近まで買い戻さ
れる展開。一方、ポンド円はロンドン時間に201円台まで下落していたが、202円
台後半に戻している。21日線の上をしっかりと維持しており、上昇トレンドは堅持し
ている状況。
 ロンドン時間のポンド安については、本日の英消費者物価指数(CPI)が予想を下
回ったことで、英中銀の追加利下げへの期待が再燃していることが要因。英CPIは前
月比横ばいだったが、これを受けて英中銀の利下げ観測が一気に高まっている。短期金
融市場では、2025年末までに0.25%ポイントの利下げが実施される確率を約7
0%と織り込み始め、これは前日の40%未満から大きく上昇。
 さらに市場は来年以降のより深い利下げも織り込み、2026年12月までに累計
0.64%ポイントの利下げを予想している。これは従来の約0.53%ポイントから
拡大している。
MINKABU PRESS