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2025年11月13日(木)06時23分

NY外為市況=一時155円台

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日本時間午前6時22分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  154.86 + 0.70 (+ 0.45%) 155.04 / 154.05
ユーロ・ドル 1.1585 + 0.0003 (+ 0.03%) 1.1598 / 1.1563
ポンド・ドル 1.3127 - 0.0023 (- 0.17%) 1.3164 / 1.3085
ドル・スイス 0.7981 - 0.0023 (- 0.29%) 0.8012 / 0.7968
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<きょうの材料>
主な米経済指標の発表はなし
*米10年債入札結果
最高落札利回り 4.074%(WI:4.068%)
応札倍率    2.43倍(前回:2.48倍)
*ベッセント財務長官
・今後数日で大きな関税関連のニュースが発表される予定。
・コーヒーなどへの軽減策を明らかにする予定。
・バナナなど他の果物も軽減の対象。
・来年の第1、第2四半期に実質所得の回復を予想。
・26年初頭に大幅な税還付を実施すると再表明。
・関税配当は協議中で何も決定していない。
・トランプ大統領は年収10万ドル未満世帯への2000ドルの還付を言及。
*ボスティック・アトランタ連銀総裁
・政策変更はインフレの魔物を肥やすリスクを低減。
・労働市場は変化しているが、弱体化しているわけではない。
・物価安定は依然明確、FRBが直面する差し迫ったリスク。
・物価上昇圧力は2026年中盤~後半まで持続する見込み。
・失業率は均衡労働市場の特徴を示す。
*ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
・政府機関閉鎖は今四半期のGDPに影響を与える。
・今四半期のGDPは1.5~2.0%の間を見込む。
・年間のGDPは約2%を見込む。
・金利はさらに大幅に下げられる点ではトランプ大統領に同意。
・FRB議長就任の可能性については、トランプ大統領が要請すれば引き受ける。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
国内企業物価(10月)08:50
予想 0.4% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.5% 前回 2.7%(前年比)
【英国】
RICS住宅価格指数(10月)09:01
予想 -14.0% 前回 -15.0%
実質GDP(速報値)(第3四半期)16:00
予想 0.2% 前回 0.3%(前期比)
予想 1.4% 前回 1.4%(前年比)
鉱工業生産指数(9月)16:00
予想 -0.1% 前回 0.4%(前月比)
予想 -1.4% 前回 -0.7%(前年比)
製造業生産高(9月)16:00
予想 -0.5% 前回 0.7%(前月比)
予想 -1.8% 前回 -0.8%(前年比)
商品貿易収支(9月)16:00
予想 -205.00億ポンド 前回 -211.83億ポンド
貿易収支
予想 -30.50億ポンド 前回 -33.86億ポンド
【豪州】
雇用者数増減(10月)09:30
予想 2.10万人 前回 1.49万人
失業率
予想 4.4% 前回 4.5%
【ユーロ圏】
ユーロ圏鉱工業生産指数(9月)19:00
予想 0.7% 前回 -1.2%(前月比)
予想 2.0% 前回 1.1%(前年比)
日本5年利付国債入札(2兆4000億円程度)
ECB経済報告
米30年債入札(250億ドル)
ムサレム・セントルイス連銀総裁が講演(質疑応答あり)
EU財務相理事会
シティ主催中国年次会議(上海、14日まで)
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 きょうのNY為替市場、ドル円は一時155円台を付けた。2月以来の高値。155
円付近ではオプション勢などの防戦売りも大量に観測され、その後は伸び悩んだもの
の、ロング勢は後退する気はなく、上値をうかがう展開を継続。先日のFOMC後のパ
ウエル議長の会見以降、FOMC委員から利下げに慎重な声が相次ぐ中、市場はFRB
の12月利下げ期待を後退させている。一方、高市政権誕生で日銀が利上げに慎重姿勢
も垣間見せる中、日米の金利差縮小は想定ほど早くはないとの思惑から、市場は円キャ
リー取引を続けている状況。
 米政府機関閉鎖が早ければ本日中にも終結するとの楽観的見方が広がる中、一部から
は、発表を延期していた米経済指標の公表が再開されれば、雇用指標を中心にFRBの
利下げ観測を後押しするとの見方も出ている。インフレは高水準での推移が継続してい
るとしても、雇用の冷え込みがFRBの意識を再度利下げに向かわせると見ている模
様。もしそうなれば、ドル円も上値は抑えられることになる。
 ただ、ホワイトハウスのレビット報道官は10月分の米雇用統計と消費者物価指数
(CPI)について、発表されない可能性が高いと述べていた。いずれにしろ、米経済
指標の動向待ちの状況ではある。
 ユーロドルは1.16ドル台回復を試す展開が見られた。本日の21日線が1.15
95ドル付近に来ており、その水準で待機している状況。明日以降、21日線を突破
し、1.16ドル台を試す展開になるか注目される。一方、ユーロ円は一時179円台
半ばまで上昇し、ユーロ発足以来の高値を更新。円キャリー取引が根強い中、ユーロ円
も上値追いを続けている。
 テクニカル勢からは、ユーロドルが新たな上昇トレンドを形成しつつある兆しを見せ
ているとの指摘が出ている。最近の取引パターンから前向きなシグナルが確認されてお
り、中長期的には金融政策の方向性の違いがユーロに追い風となる可能性があるとい
う。
 ここ数日の傾向として、ユーロはロンドンおよび東京時間では軟調だが、NY時間に
入ると強いパフォーマンスを見せている。ただし、ユーロドルが上昇基調を固めるため
には、NY時間の強さだけでは不十分で、その後押しは金融政策面からもたらされる必
要があるという。FRBは利下げ継続の可能性に対して、ECBは利下げサイクルを終
了。市場はまだECBの次の一手が“利上げ”になる可能性を十分に織り込んでいない
との指摘も出ている。
 ポンドドルは下げ渋ったものの、一時1.30ドル台まで下落し、上値の重い展開が
続いた。前日の英雇用統計が労働市場の冷え込みを示唆したことで、市場は12月の英
中銀の利下げ期待を高めている。一方、ポンド円は203円台で推移し、21日線の上
をしっかりと維持。
 今月下旬に予定される秋季予算案の発表を前に市場が神経質になっている中、政治的
な不透明感もポンドの上値を重くしていたようだ。スターマー首相をストリーティング
保健相が追い落とそうとしているとの噂が流れ、保健相はその噂を否定した上で、「首
相官邸側の側近が自滅的なキャンペーンを仕掛けている」と非難した。首相も自身の進
退をめぐる疑惑浮上を受け、結束を呼びかける声明を出している。
 だが、労働党内のクーデターを巡る臆測は、リーブス財務相が予算案を発表するまで
消えることはないとの憶測も聞かれる。
MINKABU PRESS