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2025年08月14日(木)05時28分

NY外為市況=ドル安が続く

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日本時間午前5時28分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  147.37 - 0.47 (- 0.32%) 148.17 / 147.09
ユーロ・ドル 1.1705 + 0.0030 (+ 0.26%) 1.1730 / 1.1670
ポンド・ドル 1.3579 + 0.0079 (+ 0.59%) 1.3585 / 1.3493
ドル・スイス 0.8053 - 0.0012 (- 0.15%) 0.8072 / 0.8022
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<きょうの材料>
*米週間石油在庫統計(バレル・前週比)23:30
原油 +303.6万(4億2670万)
ガソリン -79.2万(2億2629万)
留出油  +71.4万(1億1369万)
(クッシング地区)
原油 +4.5万(2305万)
*()は在庫総量
*トランプ大統領
 トランプ大統領が本日、ワシントンのケネディ・センターでのイベントに出席し、ス
ピーチを行った。その中で、パウエル議長の後任人事について少し早めに発表する可能
性があると述べ、候補者は3、4人に絞られていることを明らかにした。
*ベッセント財務長官
 ベッセント財務長官がインタビューで、金利は過度に引き締め的で1.50-1.7
5%ポイント低くあるべきだとの認識を示した。FRBが今後数カ月間で一連の利下げ
に踏み切る可能性があり、その第1歩として9月に0.50%ポイントの大幅利下げを
行う見通しを示した。また、日銀の植田総裁と話したことも明らかにし、日本に対して
インフレ抑制を促したと述べた。
*ボスティック・アトランタ連銀総裁
・年内1回の利下げが適切と見ている。
・失業率は依然として極めて低い。
・データは過去3カ月間で労働市場が弱含んだことを示唆。
・労働市場の軟化も度合いを把握しようとしている。
・ストレスの兆候が所得階層の上位へ移動している。
・企業の雇用と販売の見通しは暗雲が漂っている。
*グールズビー・シカゴ連銀総裁
・秋のFOMCはライブ。
・データ修正は議論の的になるべきではない。
・一時的な関税価格の影響という見方は私を不安にさせる。
・最新のCPIにおけるサービスインフレは悪かった。
・人口の不確実性下で雇用データに過度に依存できない。
・労働市場の状況はかなり堅調で安定している。
・賃金上昇は2%のインフレと完全に整合。
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<明日の材料と事前予想>
【英国】
RICS住宅価格指数(7月)08:01
予想 -5.0% 前回 -7.0%
実質GDP(速報値)(第2四半期)15:00
予想 0.1% 前回 0.7%(前期比)
予想 1.0% 前回 1.3%(前年比)
鉱工業生産指数(6月)15:00
予想 0.3% 前回 -0.9%(前月比)
予想 -0.2% 前回 -0.3%(前年比)
製造業生産高(6月)15:00
予想 0.4% 前回 -1.0%(前月比)
予想 -0.8% 前回 0.3%(前年比)
商品貿易収支(6月)15:00
予想 -218.75億ポンド 前回 -216.88億ポンド
貿易収支(6月)15:00
予想 -58.00億ポンド 前回 -56.99億ポンド
【豪州】
雇用者数増減(7月)10:30
予想 2.5万人 前回 0.2万人
失業率
予想 4.2% 前回 4.3%
【ユーロ圏】
ユーロ圏鉱工業生産指数(6月)18:00
予想 -1.0% 前回 1.7%(前月比)
予想 1.5% 前回 3.7%(前年比)
ユーロ圏GDP(改定値)(第2四半期)18:00
予想 0.1% 前回 0.1%(前期比)
予想 1.4% 前回 1.4%(前年比)
【米国】
生産者物価指数(PPI)(7月)21:30
予想 0.2% 前回 0.0%(前月比)
予想 2.5% 前回 2.3%(前年比)
予想 0.2% 前回 0.0%(コア・前月比)
予想 3.0% 前回 2.6%(コア・前年比)
新規失業保険申請件数(08/03 - 08/09)21:30
予想 22.5万件 前回 22.6万件
バーキン・リッチモンド連銀総裁が討論会出席(質疑応答あり)
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 きょうのNY為替市場、ドル円は一時147円台前半まで値を落とした。前日の米消
費者物価指数(CPI)を受けて、為替市場はドル安が優勢となっている。米CPIに
対する市場の見解は分かれているようだが、FRBの利下げ期待に変化はない。短期金
融市場では9月利下げの確率を完全に織り込んだ状況。
 一部では大幅利下げの可能性が高まったとの見方も出ており、ドル安を誘発している
ようだ。ベッセント財務長官が「9月は0.50%ポイントの大幅利下げを実施すべ
き」と主張していることもその背景にある。現段階で市場はそこまでは織り込んでいな
いが、その点については来週のワイオミング州ジャクソンホールで行われるFRBの年
次総会待ちといたところかもしれない。ドル円は上下動したが、結局147円台のレン
ジに落ち着いている。
 ベッセント財務長官が日銀の植田総裁と会談をしたことを明らかにした。長官は「こ
れは植田総裁の見解ではなく、私見だが、日銀はビハインド・ザ・カーブ(後手に回
る)に陥っており、利上げするだろう」と語った。今週の金曜日に日本の第2四半期の
GDP速報値が発表になるが、内需が貢献し、前期比年率換算で0.4%のプラス成長
が見込まれ、第1四半期のマイナス成長からは脱却が予想されている。相変わらず弱い
数字ではあるが、日銀の利上げは正当化すると見込まれているようだ。
 ユーロドルは1.17ドル台を回復。一時1.1730ドル付近まで上昇し、21日
線を上放れる展開が見られていたが、目先は7月に上値を拒んだ1.18ドルの水準が
意識される。
 アナリストからは、前日の米消費者物価指数(CPI)を受けたドル安進行で、ユー
ロが恩恵を受ける可能性があるとの指摘が出ている。米雇用統計が大幅に改善しない限
り、ドルが大きく回復する可能性は低いという。ただし、金曜日の米ロ首脳会談まで
は、ユーロドルの上値余地は限定的となる可能性があるとも述べていた。
 ポンドドルは一時1.35ドル台後半まで上昇。21日線を上放れる展開が加速して
おり、年初からの上昇トレンド復帰を試す展開が見られている。目先は7月下旬に付け
た高値1.3590ドルを上抜いて1.36ドル台を回復するか注目される。
 ストラテジストは英中銀とFRBの政策見通しの差がポンドを押し上げると指摘。前
日発表の5-7月の英雇用統計で雇用者数が予想ほど減少せず、それは英中銀が利下げ
への慎重姿勢を維持する根拠になったという。一方、米国では米消費者物価指数(CP
I)を受けて、9月の利下げ期待が強化されており、年末までに2回か3回の利下げを
織り込む状況が見られている。英中銀については年内利下げがあるか否かといったとこ
ろ。
 ポンドドルは1.36ドル台到達の可能性が出てきているが、それは明日の第2四半
期の英GDP速報値次第だとも述べた。
MINKABU PRESS