23日の東京株式市場は朝方に売り買いを交錯させもみ合う場面もあったが、その後
はリスク回避ムードの強い地合いとなった。日経平均株価は後場に入り下げ幅を広げ、
一時3万8000円台を割り込む場面もあった。
大引けの日経平均株価は前営業日比307円10銭安の3万8104円86銭と3日
続落。プライム市場の売買高概算は16億7999万株、売買代金概算は3兆5155
億円。値上がり銘柄数は260、対して値下がり銘柄数は1351、変わらずは34銘
柄だった。
きょうの東京市場は朝方は強弱観を対立させていたが、後場に入って売り圧力が強ま
り、日経平均は一時400円を超える下げで、一瞬3万8000円台を割り込むなどリ
スクオフの流れが強まった。米長期金利上昇が顕著となるなか、米国では株式の相対的
割高感が意識され投資家心理を冷やしている。東京市場でもリスク許容度の低下した海
外投資家の売りが観測される状況。日米金利差拡大を背景に外国為替市場では一段と円
安が進んだが、自動車株は買われたものの、全体相場は円安を好感する動きとはならな
かった。27日に行われる衆議院総選挙を控え、与党が想定以上に苦戦するとの観測が
買いを手控えさせている。値下がり銘柄数は1300を超え、プライム市場全体の8
2%の銘柄が下落した。全体売買代金は3兆5000億円あまりで東京地下鉄<9023>
の新規上場効果を考慮すると低調だったといえる。
個別では、ディスコ<6146>が大きく売られたほか、レーザーテック<6920>、東京
エレクトロン<8035>など半導体製造装置関連株が冴えない。三菱重工業<7011>も売
りに押された。ファーストリテイリング<9983>、リクルートホールディングス<6098
>、キーエンス<6861>などが軟調、楽天グループ<4755>も下落した。エラン<6099
>が値下がり率トップに売り込まれ、パルグループホールディングス<2726>の下げも
目立った。
半面、きょう新規上場した東京メトロが群を抜く売買代金をこなし株価も好調だっ
た。トヨタ自動車<7203>が堅調、任天堂<7974>もしっかり。SHIFT<3697>が
値を上げ、JT<2914>も高い。ブックオフグループホールディングス<9278>が値上
がり率首位となり、コニカミノルタ<4902>も急騰した。東京建物<8804>が活況高、
三井海洋開発<6269>、豊田自動織機<6201>も上昇した。
出所:MINKABU PRESS