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2025年11月12日(水)06時36分

NY外為市況=154円台前半

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日本時間午前6時34分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  154.14 - 0.01 (- 0.01%) 154.49 / 153.67
ユーロ・ドル 1.1584 + 0.0027 (+ 0.23%) 1.1606 / 1.1547
ポンド・ドル 1.3159 - 0.0016 (- 0.12%) 1.3184 / 1.3117
ドル・スイス 0.8004 - 0.0047 (- 0.58%) 0.8065 / 0.7986
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<きょうの材料>
主な発表はなし
*ベッセント財務長官
・関税は消費者への課税ではない。
・われわれは住宅購入の危機を継承した。
・住宅ローン金利は大幅な低下を経験。
・米国はバランスシートを活用しアルゼンチンを安定化。
・アルゼンチン向けスワップラインですでに利益を計上。
・アルゼンチン向け信用枠の引き出し額は僅か。
*ブリーデン英中銀副総裁
・ステーブルコイン規制の緩和は危険。
・英国はステーブルコインで米国とは異なるアプローチが必要。
・新ステーブルコイン規制は過去のストレス事象に根ざしている。
・英国は米国とは異なるリスク群を管理する必要。
・ステーブルコイン保有上限を定める規則案を擁護。
*ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
 政府閉鎖の影響で一部の経済データ収集調査が実際には完了していなかったと報告を
受けていると述べ、「その月に何が起きたのか、もはや分からない可能性がある」と語
った。
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<明日の材料と事前予想>
【ユーロ圏】
ドイツ消費者物価指数(確報)(10月)16:00
予想 0.3% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.3% 前回 2.3%(前年比)
調和消費者物価指数(HICP)
予想 0.3% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.3% 前回 2.3%(前年比)
【カナダ】
住宅建設許可(9月)22:30
予想 0.9% 前回 -1.2%(前月比)
米10年債入札(420億ドル)
ベッセント米財務長官、ウィリアムズNY連銀総裁、米債券市場会議出席(質疑応答な
し)
ボスティック・アトランタ連銀総裁が講演(質疑応答あり)
ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁がイベント出席(質疑応答なし)
ハセット国家経済会議(NEC)委員長がインタビュー
ユーロ圏財務相会合
G7外相会合(カナダ、12日まで)
OPEC月報
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 きょうのNY為替市場、ドル円は朝方は売りが優勢となり153円台に値を落とした
ものの、まもなく154円台に戻している。153円台への下落については、ADPが
週次の雇用統計を発表し、米民間雇用者数は10月25日週までの4週間平均で1万1
250人減少したことから、ドル安の反応が見られた。ドル円も一時153.65円付
近まで下落していた。根強い円安がドル円を下支えしている。
 東京時間に米上院がつなぎ法案を本会議で可決し、米政府機関閉鎖が終結に向かって
いるとの楽観論が広がっている。今後、下院での修正案の再審議とトランプ大統領の署
名へと進む。アナリストは「本日は、米政府閉鎖がまもなく終了する可能性が高まって
いることがドルを僅かに押し上げている。ただ、閉鎖によるドル資金のひっ迫は政府が
再開すれば解消する可能性があり、それがドルの上値を抑えるかもしれない」と指摘し
た。
 経済指標も発表再開への期待が高まっているが、それについて米大手証券は、9月分
の米雇用統計は閉鎖終了から約3営業日後に発表される可能性があるが、その他につい
ては1-2週間後になる可能性がある。しかし、10月分のデータは収集作業が中断さ
れていたため、発表までに時間がかかり、12月FOMCまでに間に合わない可能性も
あると述べている。
 ドル円は155円台に向けて再び歩みを進めているが、11月に入って以降154円
台半ばの水準で何度も上値を止められている。本日もその水準で上値を止められている
が、目先はその水準を突破し、155円を試すか注目される。
 ユーロドルは買い戻され、一時1.16ドル台まで回復。本日の21日線が1.15
95ドル付近に来ており、その水準で推移した。明日以降21日線の水準を回復できる
ようであれば、9月中旬以降の下げトレンドの転換が期待できるが、その可能性はまだ
高そうにはない。一方、ユーロ円は一時178.75円付近まで上昇し、ユーロ発足以
来の高値に並ぶ動きも見られた。
 ユーロは最近の対ドルでの下落から安定化する可能性があるとの指摘がアナリストか
ら出ている。割安に見えるためだという。同アナリストの短期適正価値モデルによる
と、ユーロドルは約1%割安な水準に留まっており、これはドルの最近の上昇が金利や
株式の格差といった市場要因で正当化できる水準を超えているという。
 ただし、ユーロは有意な回復材料が不足しており、米政府機関閉鎖終了の可能性がド
ルに与える影響も不透明だと指摘。同アナリストは、ユーロドルが1.15ドルを上回
って推移し、現在の1.16ドル近辺で安定化すると見ているという。
 きょうのポンドドルはロンドン時間の朝方に1.31ドル台前半まで下落していたも
のの、NY時間に入って完全に取り戻した。一方、ポンド円も202.35円付近まで
下落していたが、その下げを取り戻す展開。
 ロンドン時間の下げはこの日の英雇用統計が予想以上に弱い内容で、7-9月のIL
O失業率が5.0%に上昇したほか、週平均賃金も予想ほどの伸びを示さなかったこと
で、市場は英中銀の12月利下げ期待をさらに高めている。先週の金融政策委員会(M
PC)は据え置きとなったが、5対4の僅差での決定だったこともあり、本日の英雇用
統計は利下げ期待を正当化するのには十分だったようだ。
 短期金融市場では12月の利下げ期待を85%程度の確率まで高めている。
MINKABU PRESS