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2025年05月16日(金)05時36分

NY外為市況=145円台半ばに下落

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日本時間午前5時36分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  145.65 - 1.10 (- 0.75%) 146.75 / 145.42
ユーロ・ドル 1.1184 + 0.0009 (+ 0.08%) 1.1228 / 1.1170
ポンド・ドル 1.3306 + 0.0043 (+ 0.32%) 1.3320 / 1.3259
ドル・スイス 0.8355 - 0.0068 (- 0.81%) 0.8426 / 0.8346
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<きょうの材料>
【米国】
*米小売売上高(4月)21:30
結果 0.1%
予想 0.0% 前回 1.7%(1.4%から修正)(前月比)
結果 0.2%
予想 0.3% 前回 1.1%(0.8%から修正)(除自動車・前月比)
*米生産者物価指数(PPI)(4月)21:30
結果 -0.5%
予想 0.2% 前回 0.0%(-0.4%から修正)(前月比)
結果 2.4%
予想 2.5% 前回 3.4%(2.7%から修正)(前年比)
結果 -0.4%
予想 0.3% 前回 0.4%(-0.1%から修正)(コア前月比)
結果 3.1%
予想 3.1% 前回 4.0%(3.1%から修正)(コア前年比)
*NY連銀製造業景気指数(5月)21:30
結果 -9.2
予想 -8.0 前回 -8.1
*フィラデルフィア連銀製造業景気指数(5月)21:30
結果 -4.0
予想 -11.0 前回 -26.4
*米新規失業保険申請件数(5月10日週)21:30
結果 22.9万人
予想 22.8万人 前回 22.9万人(22.8万人から修正)
*米鉱工業生産(4月)22:15
結果 0.0%
予想 0.1% 前回 -0.3%(前月比)
*米設備稼働率(4月)22:15
結果 77.7%
予想 77.8% 前回 77.8%
*NAHB住宅市場指数(5月)23:00
結果 34
予想 40  前回 40
メキシコ中銀政策金利(5月)04:00
結果 8.50%
予想 8.50% 前回 9.00%
*トランプ大統領
 中東を歴訪中のトランプ大統領が大統領専用機(エアフォース・ワン)で会見し、
「プーチン大統領と私が会うまでは何も起こらない」と語った。「私がそこにいなけれ
ば、彼は行くつもりはなかった」とトルコでのロシア・ウクライナ和平交渉について語
った。
*トランプ大統領
 トランプ大統領は、イランの核計画を巡る交渉について、合意が近づいている可能性
があるとの見方を示した。大統領は15日、カタールで開かれた経済界の首脳らとの会
合で、「ディールに近づきつつあると思う」と述べ、「イランが条件をある程度受け入
れたというニュースを読んでいることだろう」と語った。
*バーFRB理事
 本日はバーFRB理事の講演が行われ、米経済が堅調に推移しているとの認識を示す
一方、関税によるサプライチェーンの混乱が成長鈍化やインフレ圧力の高まりにつなが
る恐れがあると警告した。理事は、サプライチェーンや経済全体における中小企業の重
要性を強調。また、貿易政策が先行き不透明感を高め、経済見通しに影を落としている
と語った。
*パウエル議長
・当面の経済見通しや金利動向についてはコメントせず。
・供給ショックがより頻発する時期に入るかもしれない
・大きなショックがある中、見通しの不確実性を伝える必要。
・抑制されたインフレ期待が重要
・不足を巡る言葉を再考するのが適切。
・枠組みは幅広い状況に対して堅固であるべき。
・枠組みは下限リスクに対処し続けるべき。
*ゼレンスキー大統領
・ロシアは本当の話し合いに真剣ではない。
・ウクライナは国防相が代表団を率いる。
・ウクライナ、ロシア、米国、トルコが協議に参加。
・ウクライナはロシア側との会談を望む。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
実質GDP1次速報値(第1四半期)08:50
予想 -0.2% 前回 0.6%(前期比)
予想 -0.7% 前回 2.2%(前期比年率)
予想 3.2% 前回 2.9%(GDPデフレータ・前年比)
【ユーロ圏】
フランス失業率(第1四半期)14:30
予想 7.4% 前回 7.3%
ユーロ圏貿易収支(3月)18:00
予想 N/A 前回 240億ユーロ(季調前)
予想 N/A 前回 210億ユーロ(季調済)
【米国】
住宅着工件数(4月)21:30
予想 137.0万件 前回 132.4万件
住宅建築許可件数
予想 145.2万件 前回 146.7万件
輸入物価指数(4月)21:30
予想 -0.4% 前回 -0.1%(前月比)
予想 -0.3% 前回 0.9%(前年比)
ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(5月)23:00
予想 53.0 前回 52.2
中村日銀審議委員が講演
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 きょうのNY為替市場、全体的に方向感のない展開が見られた中、ドル円は145円
台半ばに下落。ここに来て米中貿易協議の進展を受けた動きも一巡し、リスク選好の雰
囲気も一服しており、円高の動きも出ていたようだ。
 本日は4月の米生産者物価指数(PPI)と小売売上高が発表され、米景気減速とイ
ンフレ鈍化を示唆していた。一部からは、年内2回のFRBの利下げとの見方を後押し
する内容との見方も出ている。現在、短期金融市場では9月と12月の2回の米利下げ
を織り込んでいる状況。
 ドル円は4月22から5月12日までの上昇波の38.2%戻しが145.20円付
近に来ており、節目の145円とともに目先の下値メドとして意識される。一方、本日
の21日線は144円付近にあり、この水準はまだ距離がありそうだ。
 ユーロドルは1.12ドルを挟んで上下動。ただ。上値は依然として重く4月下旬以
降の下げトレンドは継続している。エコノミストからは、ユーロ圏の成長鈍化でECB
は利下げを継続するとの指摘が出ている。ECBは今夏の追加利下げを通じて、ユーロ
圏経済の重荷をさらに取り除く可能性が高いという。この日はユーロ圏の第1四半期G
DP改定値が公表されていたが、前期比プラス0.3%と従来予想を若干下回る成長と
なっていた。この最新のGDPデータがECBの追加利下げの可能性を示唆していると
している。
 同エコノミストはまた、今回の成長の一部は特に製薬の拠点であるアイルランドでの
関税の前倒し生産が押し上げ要因になったと分析。先行きについては、来年にかけて経
済は緩やかなペースの成長に留まると予想。その上で、ECBは6月と7月にそれぞれ
0.25%ポイントの利下げを実施する可能性が高いという。
 ポンドドルは1.32ドル台後半での上下動が続いていたが、終盤に1.33ドル台
に上昇。ただ、全体的には方向感のない値動きを続けていた。本日の21日線が1.3
310ドル付近に来ているが、その下での推移が続いている。下放れる気配まではまだ
ないが、21日線が強めの上値抵抗となっているようだ。
 本日は1-3月期の英GDP速報値が公表されていた。前期比0.7%のプラス成長
と予想を上回る強い数字となり、英中銀の利下げ期待の後退を裏付ける内容ではあっ
た。
 しかし、今回の強い数字は関税の先取りなど一時的な要因によるもので、恐らく今年
の成長のピークを示すものだとの指摘も出ている。関税と税金の引き上げ、そして不確
実性の高まりにより、英経済の成長は今後鈍化する見込みだという。
MINKABU PRESS