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2025年08月09日(土)05時31分

NY外為市況=147円台での推移

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日本時間午前5時30分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  147.78 + 0.64 (+ 0.43%) 147.90 / 146.72
ユーロ・ドル 1.1641 - 0.0025 (- 0.21%) 1.1679 / 1.1629
ポンド・ドル 1.3453 + 0.0009 (+ 0.07%) 1.3459 / 1.3418
ドル・スイス 0.8082 + 0.0016 (+ 0.20%) 0.8089 / 0.8055
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<きょうの材料>
※経済指標
*カナダ雇用統計(7月)21:30
雇用者数増減
結果 -4.08万人
予想 2.00万人 前回 8.31万人(前月比)
失業率
結果 6.9%
予想 7.0% 前回 6.9%
※発言・ニュース
*トランプ大統領
 トランプ大統領は次期FRB議長候補リストに新たな氏名を追加。ブラード前セント
ルイス連銀総裁、エコノミストのサマーリン氏を追加した。また、次期FRB議長候補
の選定をベッセント財務長官に委ねたとも伝わった。
*ムサレム・セントルイス連銀総裁
・インフレ目標は達成できていないが、雇用は問題ない。
・両方の責務を達成できないリスクがある。
・関税によるインフレ上昇は一時的な可能性が高い。
・インフレが持続する可能性は合理的な確率がある。
・労働市場は均衡状態にある。
・労働市場は供給と需要が同時に鈍化している。
・潜在成長率を下回る成長は労働市場にリスク。
*米ロ、ロシアのウクライナ占領地を確定する合意を計画
 米国とロシアは、ロシアがウクライナ侵攻で占領した領土を既成事実化する形でウク
ライナ戦争を停止する合意を目指していると伝わった。米国はこの合意について、ウク
ライナや欧州の同盟国の支持を取り付けようとしているが、成立は不透明だという。
*習主席がプーチン大統領と電話会談
 習近平国家主席は8日、プーチン大統領と電話会談し、米ロの対話を歓迎する意向を
示した。中国のCCTVによると、習主席はプーチン大統領にウクライナ問題について
中国の立場を説明。ウクライナ問題は複雑な問題が絡み合い、単純な解決策はないとの
認識を示した。
*米政府、対日関税の上乗せ是正を発表へ
 米国は日本からの輸入品に対する関税の重複適用を終了させる内容の発表に向け、最
終調整を進めている。ブルームバーグがトランプ政権の高官の話として伝えた。発表は
日米関税合意後に広がっていた混乱を解消するものとなり、赤沢経済再生相が7日にワ
シントンで記者団に行った発言と一致する内容となる。発表は日米両国による共同声明
という形をとる可能性があるという。
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<月曜日の材料と事前予想>
主な経済指標はなし
山の日祝日
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 きょうのNY為替市場、ドル円は147円台での推移となった。本日の為替市場は静
かな動きに終始しており、ドル円も147円台での上下動に終始。
 トランプ大統領が、退任を表明しているクーグラーFRB理事の後任にミランCEA
委員長を来年1月末までの暫定理事に指名。為替市場はドル安で反応していたが、上院
が9月まで休会していることから、急いで承認されたとしても12月FOMCからの参
加が現実的なのではとの見方も出ていた。その場合、1月の任期までに2回しか会合に
出られないことになる。
 もっとも、先週の米雇用統計を受けて市場はすでに年内2回の利下げを完全に織り込
んでいるほか、3回の可能性も35%程度で織り込む中、さほど現状の認識から逸脱し
ておらず、市場も様子を見ているようだ。本日の為替市場は、前日のドル安を解消する
動きも出ていた。
 ユーロドルは1.16ドル台で上下動。ドル買い戻しの流れから、一時21日線が控
える1.1630ドル付近まで下落したもののサポートされた。年初からの上向きの流
れは温存しているものの、次の展開待ちといった雰囲気ではある。
 エコノミストは、ECBはインフレが目標水準に落ち着いていることから、9月利下
げを見送る可能性が高いと指摘している。インフレは先週発表の7月のユーロ圏消費者
物価指数(HICP)でも前年比2.0%と横ばいだった。これにより、ECBの理事
会は先月に中銀預金金利を2.00%に据え置いたのに続き、当面は追加利下げを控え
るだろうと述べている。
 同エコノミストは「インフレは今後数カ月間にかけて一段の低下を予想しているもの
の、その時点までにインフレの改善が理事会に追加利下げを決定させるほどには進まな
いと見ている」という。「ECBは年後半にインフレ低下の兆しが見られれば利下げに
踏み切る可能性はあるものの、同様に現行水準に据え置くことを決定する可能性もあ
る」とも述べた。
 ポンドドルは1.34ドル台半ばでの振幅。前日の英中銀の金融政策委員会(MP
C)を受けて、追加利下げへの期待が大きく後退し、ポンドは買い戻しが優勢。ポンド
ドルは21日線も復活し、来週以降の動きが注目される。
 前日の英MPCでポンドは買いの反応が出ているが、アナリストからは英国の成長鈍
化とインフレの高止まり、いわゆるスタグフレーションが見込まれることから、ポンド
の持続的な上昇余地は限定的だとの指摘が出ている。
 英中銀は予想通りに利下げを実施したが、9名中4名の委員が据え置きに投票し、英
中銀は慎重姿勢を繰り返した。アナリストは「インフレの高止まりで、英中銀が楽観的
になる理由は見当たらない。スタグフレーション的な傾向は投資家心理にとってプラス
とは言えない」と述べている。
MINKABU PRESS