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2025年08月07日(木)05時30分

NY外為市況=一時146円台に下落

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日本時間午前5時30分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  147.24 - 0.38 (- 0.26%) 147.89 / 146.98
ユーロ・ドル 1.1655 + 0.0080 (+ 0.69%) 1.1669 / 1.1564
ポンド・ドル 1.3358 + 0.0059 (+ 0.44%) 1.3368 / 1.3282
ドル・スイス 0.8067 - 0.0009 (- 0.11%) 0.8094 / 0.8049
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<きょうの材料>
※経済指標
米週間石油在庫統計(バレル・前週比)23:30
原油 -302.9万(4億2366万)
ガソリン -132.3万(2億2708万)
留出油  -56.5万(1億1297万)
(クッシング地区)
原油 +45.3万(2301万)
*()は在庫総量
※発言・ニュース
*米10年債入札結果
最高落札利回り 4.255%(WI:4.244%)
応札倍率    2.35倍(前回:2.61倍)
*ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
・FRBの役職について質問に「挑戦について話す用意はある」
・FRBの理事会について「党派的な投票をしているように見える」
・トランプ大統領の最高優先事項はFRBの独立性。
・トランプ大統領の最優先課題は経済データの信頼性確保。
・自分が好むデータを出すために人を雇うつもりはない。
*カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
・経済は減速しており対応が必要。
・労働市場は冷え込んでいる。
・年内2回の利下げが妥当となお判断。
・待つよりも金利の方向性反転の方が賢明かもしれない。
*クックFRB理事
・米雇用統計の修正は米経済の転換点の兆しの可能性。
・米雇用統計は懸念すべき内容。
・統計の修正は転換点によく見られる特徴。
*トランプ政権、ロシア産エネルギーを運ぶ影の船団に対する制裁も検討
 トランプ政権はロシア産エネルギーの輸入国に対する追加関税に加え、「シャドーフ
リート(影の船団)」と呼ばれる石油タンカーと、その運航を可能にする複数の事業体
に対する制裁も検討している。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。
*トランプ大統領、インドに追加関税25%賦課へ 計50%
 ホワイトハウスは6日、トランプ大統領がインドからの輸入品に対して25%の追加
関税を課す大統領令に署名したことを明らかにした。インドがロシア産エネルギーを購
入していることへの措置だという。大統領令によれば、今回の関税は7日発動予定の2
5%の国別関税に上乗せされ、21日以内に適用される見通し。計50%になる。
*暫定理事の案も
 トランプ大統領の顧問らは、近く空席となるFRB理事のポストに、暫定的な理事を
指名するよう促していると伝わった。
*トランプ大統領、来週にもプーチン大統領と対面で会う可能性
 トランプ大統領が来週にもプーチン大統領と対面で会う可能性があると伝わってい
る。NYタイム紙が伝えた。ホワイトハウスはこれについて、トランプ大統領はプーチ
ン大統領との会談にオープンで、ゼレンスキー大統領との会談もオープンにしている。
ロシアが会談を要望しているとも述べた。
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<明日の材料と事前予想>
【中国】
貿易収支(7月)時刻未定
予想 N/A 前回 1147.5億ドル(ドル建て)
【豪州】
貿易収支(6月)10:30
予想 31.80億豪ドル 前回 22.38億豪ドル
【日本】
景気先行指数(速報値)(6月)14:00
予想 106.0 前回 104.8
景気一致指数
予想 116.5 前回 116.0
【ユーロ圏】
ドイツ鉱工業生産指数(6月)15:00
予想 -0.6% 前回 1.2%(前月比)
予想 -1.1% 前回 1.0%(前年比)
ドイツ貿易収支(6月)15:00
予想 180億ユーロ 前回 185億ユーロ
【英国】
英中銀政策金利(8月)20:00
予想 4.00% 前回 4.25%
【米国】
非農業部門労働生産性指数(速報値)(第2四半期)21:30
予想 2.5% 前回 -1.5%(前期比)
単位労働費用
予想 1.3% 前回 6.6%(前期比)
新規失業保険申請件数(07/27 - 08/02)21:30
予想 22.0万件 前回 21.8万件
卸売在庫(確報値)(6月)23:00
予想 0.2% 前回 0.2%(前月比・確報値)
NZ中銀インフレ予想(第3四半期)
ECB経済報告
英中銀政策金利、金融政策報告、ベイリー総裁会見(スーパーサーズデー)
英DMPインフレ調査(7月)
NY連銀インフレ期待(7月)
ボスティック・アトランタ連銀総裁が討論会参加(質疑応答あり)
米30年債入札(250億ドル)
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 きょうのNY為替市場、ドル円は一時146円台まで下落する場面も見られた。本日
の市場はドル安が優勢となりドル円も下値模索が続いている。本日もFOMC委員から
発言が伝わっていたが、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は「年内2回の利下げが妥
当となお判断。待つよりも金利の方向性反転の方が賢明かもしれない」と利下げに積極
的な姿勢も垣間見せている。また、クックFRB理事は、先週の米雇用統計の修正は米
経済の転換点の兆しの可能性があるとの認識を示した。利下げを暗示する発言でもあ
る。
 これらを受けてドルは戻り売りが優勢となり、ドル円も下値模索となっている。本日
は147.80円付近に来ている21日線に一時接近する場面も見られていたが、上値
を抑えられた格好。
 短期金融市場では9月の米利下げ確率が90%近くまで上昇しているほか、年内2回
の利下げも完全に織り込み、3回の利下げを35%程度の確率まで織り込む動きとなっ
ている。
 ユーロドルは買い戻しが膨らみ、前日まで上値を抑えていた1.16ドルの水準を突
破。本日1.1635ドル近辺に来ている21日線も回復した。明日以降1.16ドル
を維持し、強い上値抵抗として意識される1.18ドルを再度試す展開になるか注目さ
れる。
 本日は6月のユーロ圏小売売上高が発表になっていたが、前月比0.3%増の回復を
見せていた。ただ、エコノミストは、依然としてパンデミック前のトレンドを大きく下
回る水準に留まっており、低調な売上は今後も続く可能性が高いと指摘している。今後
については、ECBの利下げが消費を下支えする一方、実質所得の伸び鈍化がその効果
を一部相殺するだろうと述べている。
 消費者の信頼感は多少回復してはいるものの、依然として歴史的水準と比べると低
く、家計はパンデミック前よりも貯蓄を優先する傾向が続くと見られる。そのため、全
体的な消費の伸びも控えめに留まる可能性が高いとしている。
 ポンドドルは1.3370ドル近辺まで一時上昇。本日の100日線が1.3350
ドル付近に来ており、その水準を上抜いている。ただ、ポンドは対ユーロでは下落して
おり、G10通貨の中でも下位に沈んでいる状況。
 英中銀は明日の金融政策委員会(MPC)で、現在のサイクルで5回目の利下げを実
施する見通しとなっている。これに対してストラテジストは、今回は戦後で3番目に長
い緩和サイクルとなる可能性を指摘している。
 緩和の規模は過去の緩和サイクルを下回っており、これは、英中銀が緩やかかつ慎重
な緩和を選好していることを一部反映しているという。また、各回の緩和規模が小さい
ことから、投資家が現在のサイクルにおける英中銀の今後の利下げを過小評価している
可能性があるとの疑問も浮上しているとも指摘した。
MINKABU PRESS