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2025年05月14日(水)05時31分

NY外為市況=ドル円は147円台に下落

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日本時間午前5時30分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  147.43 - 1.03 (- 0.69%) 148.48 / 147.38
ユーロ・ドル 1.1193 + 0.0106 (+ 0.96%) 1.1195 / 1.1085
ポンド・ドル 1.3311 + 0.0135 (+ 1.02%) 1.3313 / 1.3170
ドル・スイス 0.8388 - 0.0068 (- 0.80%) 0.8461 / 0.8388
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<きょうの材料>
*米消費者物価指数(CPI)(4月)21:30
結果 0.2%
予想 0.3% 前回 -0.1%(前月比)
結果 2.3%
予想 2.4% 前回 2.4%(前年比)
結果 0.2%
予想 0.3% 前回 0.1%(コア・前月比)
結果 2.8%
予想 2.8% 前回 2.8%(コア・前年比)
*トランプ大統領、FRBに改めて利下げ要求
 トランプ大統領は、「FRBは欧州や中国が行ったように金利を引き下げなければな
らない」と主張した。大統領は、「インフレは見られず、ガソリンやエネルギー、食品
など、ほぼ全ての価格が下落している」と自身のSNSであるトゥルース・ソーシャル
に投稿した。「パウエル議長はなぜ遅すぎるのか?」とも述べている。
*トランプ大統領、サウジから6000億ドルの投資確約
 中東を訪問しているトランプ大統領は13日、最初の訪問国であるサウジから600
0億ドル規模の投資の確約を取り付けた。ホワイトハウスが発表した。また、サウジは
1兆ドルに増強する方向で取り組んでいると表明している。
*中国、対米関税を14日午後0時1分に引き下げると発表
 中国商務省は、週末にスイスで行われた貿易協議で合意された米製品に対する中国の
関税引き下げについて、14日午後0時1分に実施すると発表した。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
国内企業物価(4月)08:50
予想 0.4% 前回 0.4%(前月比)
予想 4.0% 前回 4.2%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ消費者物価指数(確報)(4月)15:00
予想 0.4% 前回 0.4%(前月比)
予想 2.1% 前回 2.1%(前年比)
調和消費者物価指数(HICP)
予想 0.5% 前回 0.5%(前月比)
予想 2.2% 前回 2.2%(前年比)
【カナダ】
住宅建設許可(3月)21:30
予想 -0.4% 前回 2.9%(前月比)
ジェファーソンFRB副議長、経済見通しについて講演(質疑応答なし)
ウォラーFRB理事、中央銀行について講演(質疑応答あり)
デーリー・サンフランシスコ連銀総裁、討論会参加(質疑応答あり)
EU通商担当相会合 米国との貿易関係、EU経済安全保障について協議
OPEC月報
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 きょうのNY為替市場、前日のドル高が一服し、ドル円も147円台半ばに値を落と
している。NY時間に入って一旦148円台に戻したものの、次第にドルの戻り売りが
強まり、ドル円は147円台に伸び悩む展開。
 週末の米中貿易協議の予想外の進展で、市場はリスク選好のムードを高めている。さ
すがに本日は一服感が出ていた。エコノミストからは米景気後退のシナリオを撤回する
動きも出ていおり、ドル円は150円台回復を試す態勢にはあるようだ。
 この日は4月の米消費者物価指数(CPI)が発表されていたが、予想を下回る伸び
に留まった。3カ月連続で予想より低い伸びとなっている。衣料品や新車の価格が落ち
着き、食品も下落。企業が関税分のコスト転嫁をいまのところは急いでいないことを示
唆している。ただ、FRBの利下げ期待は変わらず、6月、7月はなく、9月の利下げ
再開が最有力視されている模様。
 一部からはグローバルな貿易戦争の緩和に向けた最近の進展がドルに与える影響は明
確ではないとの指摘も出ている。最近の米貿易に関する前向きなニュースは、成長の観
点から米国よりも世界の他の地域に有利に働く可能性があるという。ただし、米国の対
外資金調達に関しては、トランプ政権が対立的な姿勢を和らげることで米国への資金流
入を阻害する要因が軽減されるため、それは明らかにドルにとってポジティブ要因にな
るとも指摘している。
 ユーロドルも買い戻しが出ている。前日は一時1.1065ドル付近まで下落し、2
1日線を下放れる展開が加速していたが、本日は1.11ドル台後半まで戻した。
 アナリストからは、米中貿易協議の進展に伴うユーロドルの下落は限定的になるとの
見方が出ている。米中が一時的な関税引き下げに合意したことによってユーロドルが更
に大きく下落する可能性は低いと指摘。
 関税の問題が米消費に与えた影響をまだ確認できていないからだという。ドイツの財
政刺激策拡大によるユーロ支援の方が重要だとしている。4月のユーロドルの上昇はド
ル離れという流動性要因に依存していたため、短期的に現在下落がさらに拡大する可能
性はある。しかし、1.10ドルを下回る水準は持続できないだろうと述べている。
 ポンドドルも買い戻しが強まる中、1.33ドルちょうど付近まで戻した。1.33
ドルちょうどには21日線が控えており、顔合わせしている。
 先週は英中銀の金融政策委員会(MPC)が開催されたが、ポンドは買いの反応を見
せていた。市場では6月の英中銀の利下げ観測が大きく後退している。その理由は主に
3つが言われている。まず第1に、先週のMPCでの分裂した投票結果。政策発表前は
市場の大多数が、全会一致に近い形で0.25%ポイント以上の利下げを支持すると予
想していた。しかし、実際には2人が据え置きを支持し、より複雑な結果となった。第
2に、英中銀は今年の成長見通しを下方修正したが、インフレが目標へと戻るのは2年
後と予想している。第3に金利に関して、緩やかで慎重なガイダンスを維持している。
 これらから、6月に連続利下げが行われる可能性は低いと見られており、短期金融市
場では6月利下げの確率は10%で織り込んでおり、政策発表前の観測からほぼ半減し
ている。
MINKABU PRESS