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日本時間午前5時33分現在での主要通貨は以下の通り。
直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円 148.43 + 3.06 (+ 2.10%) 148.65 / 145.70
ユーロ・ドル 1.1093 - 0.0157 (- 1.40%) 1.1244 / 1.1066
ポンド・ドル 1.3176 - 0.0130 (- 0.98%) 1.3306 / 1.3140
ドル・スイス 0.8454 + 0.0141 (+ 1.70%) 0.8476 / 0.8294
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<きょうの材料>
※経済指標
主な米経済指標の発表はなし
※発言・ニュース
*ベッセント財務長官
・戦略的に必要な部分で中国とのデカップリングを目指す。
・向こう数週間以内に中国側と再び会談。
・現在の対中関税水準は「下限」。
・対中関税が10%未満になるのは考えがたい。
・4月2日の対中関税水準は上限だろう。
・大半の貿易・関税問題は年内決着を望む。
*トランプ大統領
トランプ大統領が自身のソーシャルメディアプラットフォームであるトゥルース・ソ
ーシャルに投稿し、薬価を59%以上引き下げる意向を示した。また、ガソリン、エネ
ルギー、食料品、その他のすべてのコストを削減するとしている。
*トランプ大統領
・今週末に中国の習近平国家主席と話す可能性。
・合意の最も良い点は、中国の市場開放への同意。
・中国との合意を文書化するのは簡単なことではない。
・中国は非金融障壁の全面撤廃に同意。
・薬価引き下げに関する大統領令に署名。
・処方薬のコストを大幅に削減する。
・大手製薬企業は価格つり上げを停止する必要。
・製薬企業の利益追求や価格つり上げは容認しない。
・米国での肥満治療薬の高価格を指摘
・医薬品ロビイストは米国で最も強力な勢力の1つ。
・木曜日のロシア・ウクライナ会談は非常に重要。
*トランプ大統領
・15日木曜日にトルコに立ち寄る可能性を示唆。
・中国との合意が成立すると考えている。
・合計の対中関税を145%に戻すことはない。
*クーグラーFRB理事
・労働市場は概ね安定。
・関税に関する不確実性は既に経済に影響。
・関税は成長鈍化と物価上昇を招く可能性が高い。
・政策スタンスは若干緊縮的だが、適切な位置。
・長期的なインフレ期待の安定が極めて重要。
・関税は依然経済に重大な影響を与える可能性。
*グールビー・シカゴ連銀総裁
・関税は依然としてスタグフレーション的な影響を与える。
・合意の暫定的な性質が経済に重くのしかかる。
・不確実性のため、再び待機姿勢を支持。
・行動基準は高く設定する必要。
・FRBは政策決定に時間をかける余地がある。
*ナーゲル独連銀総裁
・トランプ大統領の政策の不確実性が高まっている。
・次のECB理事会は注意深くなるべき。
・すぐに変更される可能性のある発表に過剰反応しないことが重要。
*テイラー英中銀委員
・警戒感と懸念が漂っている。
・関税ショックが引き金となった。
・5月にはこれまで欠けていた明確さが得られた。
・下振れシナリオの確率が高まっている。
・グローバルな不確実性と貿易の多様化がデフレ圧力をもたらしている
・賃金の状況はエージェントの調査と一致。
・国際的な次元は現在、非常に危険な状況にある。
・政策は中立には程遠い。
・半年前の関税措置の兆候があれば再考する。
・関税について、半分の水準に戻るかは分からない。
・米英貿易協定は非常に脆弱。
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<明日の材料と事前予想>
【英国】
ILO失業率(1-3月)15:00
予想 4.5% 前回 4.4%
【ユーロ圏】
ドイツZEW景況感指数(5月)18:00
予想 9.0 前回 -14.0
【米国】
消費者物価指数(CPI)(4月)21:30
予想 0.3% 前回 -0.1%(前月比)
予想 2.4% 前回 2.4%(前年比)
予想 0.3% 前回 0.1%(食品・エネルギー除くコア・前月比)
予想 2.8% 前回 2.8%(食品・エネルギー除くコア・前年比)
日銀主な意見(4月30日-5月1日開催分)
トランプ大統領がサウジアラビア、UAE、カタール訪問(16日まで)
EU財務相理事会
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きょうのNY為替市場はドル買いが強まり、ドル円は一時148円台半ばまで急上昇
した。週末の米中貿易協議に進展が見られたことで市場は全体的にリスク選好の雰囲気
が強まった。本日の200日線が149.70円付近に来ているが、明日以降、その水
準を試しに行くか注目される。
米中は週末にスイス・ジュネーブで行った貿易協議で、相互の関税率を一定期間引き
下げることで合意した。90日間の猶予が設定され、米国は中国に対する関税率を今月
14日までに145%から30%に引き下げる。中国も関税率を125%から10%に
引き下げた。市場からは想定以上の改善との受け止めも多く、リスク回避の雰囲気を高
めたようだ。
金曜日に米商品先物協会(CFTC)が発表したIMM投機筋の5月6日付の建玉報
告によると、円の買い越しは前週から減少こそしていたものの、過去最高水準に変化は
なく、レバレッジ・ファンドにおいては2019年以来の高水準となっていた。円ロン
グが過度に積み上がっている状況に間違いはなく、米中のニュースで一気に円ロングの
巻き戻しを呼び込んでいた模様。
ユーロドルは一時1.1070ドル近辺まで下落。21日線を完全に下放れる展開と
なり、下値警戒感が強まっている。ファンド勢からのロングポジション解消が活発に出
ていたと指摘も出ていた。
2月初めの安値から4月の直近高値の上昇波のフィボナッチ38.2%戻しが1.1
025ドル付近に来ており、目先の下値メドとして意識される。米中との貿易協議に予
想以上の進展が見られたようだが、EUとはまだ何も進展が伝わっておらず、次はこち
らが注目される。
ポンドドルは一時1.31ドル台半ばまで下落。21日線を下放れる展開を強め、下
値警戒感が強まり出しているようだ。英中銀は先週の金融政策委員会(MPC)で利下
げを決めたが、市場は次回6月は据え置きとの見方を強めている。先週のMPCで利下
げへの慎重姿勢が予想以上に強かったため。
そのような中、ロンバルデッリ英中銀副総裁が本日のコンファレンスで、「関税より
も英インフレ指標が焦点である」と述べていた。関税の英経済への直接的な影響は最小
限に留まり、その懸念は後退している。それ以上に焦点はインフレに置かれているとい
う。サービス部門と賃金データからは、インフレの段階的な鈍化が確認されているもの
の、インフレ目標の上での推移に変化はなく、継続的な監視が必要だと指摘した。
MINKABU PRESS