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2025年05月09日(金)05時32分

NY外為市況=一時146円台に急伸

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日本時間午前5時32分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  145.86 + 2.03 (+ 1.41%) 146.18 / 143.45
ユーロ・ドル 1.1228 - 0.0073 (- 0.65%) 1.1336 / 1.1212
ポンド・ドル 1.3246 - 0.0046 (- 0.35%) 1.3356 / 1.3237
ドル・スイス 0.8318 + 0.0081 (+ 0.98%) 0.8332 / 0.8224
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<きょうの材料>
※経済指標
*非農業部門労働生産性(第1四半期・速報値) 21:30
結果 -0.8%
予想 -0.8% 前回 1.7%(1.5%から修正)(前期比・年率)
*単位労働コスト(第1四半期・速報値)
結果 5.7%
予想 5.1% 前回 2.0%(2.2%から修正)(前期比・年率)
*米新規失業保険申請件数(5月3日週)21:30
結果 22.8万人
予想 23.0万人 前回 24.1万人
【英国】
英中銀政策金利(5月)20:00
結果 4.25%
予想 4.25% 前回 4.50%
※発言・ニュース
*米30年債入札結果
最高落札利回り 4.819%(WI:4.812%)
応札倍率    2.31倍(前回:2.43倍)
*トランプ大統領
・利下げが無くても米経済は好調に推移。
・パウエル議長が利下げすればジェット燃料のようになる。
・株式はいまが買い時。
・各国に開放求めて関税で脅していく。
・新しい航空管制システム購入で模索している。
*トランプ大統領
・米国産品への障壁を下げ、英市場へのアクセスを拡大。・英国と進歩的な貿易合意に
達し、うれしく思う。
・協定の詳細は今後数週間に渡り交渉が行われる。
・この協定で、米国の輸出、特に農業分野における市場アクセスが数十億ドル拡大。
・米国の牛肉、エタノールなど、米国の優れた農家が生産するほぼすべての製品のアク
セスが、劇的に拡大。
・英国は100億ドル相当のボーイング機購入で合意。
*トランプ大統領
・協議が順調に行けば、中国への関税引き下げも有り得る。
*ローマ新教皇にプレボスト枢機卿 初の米国出身
 バチカンは新たな教皇にロバート・フランシス・プレボスト枢機卿を選出。米国出身
初の教皇となる。69歳の新教皇は、教皇名にレオ14世を名乗り、サンピエトロ広場
を見下ろすバルコニーに現れ、世界中に紹介される際、数千人の信者から歓声で迎えら
れた。
*米消費者の1年先インフレ期待、4月は3.63%に上昇
 NY連銀が4月の消費者期待調査を公表しており、米消費者の1年先のインフレ期待
は4月に3.63%となったと述べた。前月は3.58%だった。今年に入ってインフ
レ期待は上昇が続いている。
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<明日の材料と事前予想>
【中国】
貿易収支(4月)時刻未定
予想 939.0億ドル 前回 1026.4億ドル(ドル建て)
【日本】
景気先行指数(速報値)(3月)14:00
予想 107.6 前回 107.9
景気一致指数
予想 115.7 前回 117.3
【カナダ】
雇用者数増減(4月)21:30
予想 2.70万人 前回 -3.26万人(前月比)
失業率
予想 6.7% 前回 6.7%
ベイリー英中銀総裁が経済会議出席
バーFRB理事が経済会議出席(質疑応答あり)
クーグラーFRB理事が経済会議で講演(質疑応答あり)
ウィリアムズNY連銀総裁が経済会議出席(質疑応答あり)
グールズビー・シカゴ連銀総裁イベントで開会挨拶
ウォラーFRB理事、NY連銀総裁、ウォーシュ元FRB理事が金融政策会議「テイラールー
ル」出席
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 きょうのNY為替市場、米英貿易合意に関するトランプ大統領の会見を受けて、市場
にはリスク選好の雰囲気が広がった。為替市場はドル高が強まり、円相場は円安が強ま
った。その中でドル円は一時146円台に急伸。
 貿易協定の詳細については、今後数週間に渡り交渉が行われるという。また、トラン
プ大統領は中国について、協議が順調に行けば、中国への関税引き下げも有り得るとの
認識も示したこともムードを押し上げていた。
 ドル円は145円台での売りオーダーも多数観測されていたが、ストップを巻き込ん
で上昇。円ロングの解消も活発に出て、ユーロ円やポンド円といったクロスも急上昇し
ていた。
 ドル円は本日の上げで21日線を上放れしており、明日以降の動きが注目されるが、
目先は1月から4月にかけての下降波のフィボナッチ38.2%戻しが147.15円
付近に来ている。
 ユーロドルは売りが強まった。ユーロは対ポンドでも下落。これまでドル離れの資金
が流入していた分、逆の動きが出ていたようだ。ユーロドルは1.12ドル台前半まで
下落し、21日線を下放れる展開を見せている。明日以降、戻りを試しに行くか注目さ
れる。
 米英が大枠で合意に至ったものの、EUとの協議は難航しているようだ。EUは交渉
に失敗した場合に備えて、米国への追加関税を950億ユーロ規模に拡大する計画を明
らかにしていた。米国とEUの協議は、いまのところほとんど進展しておらず、米国の
関税の大部分が維持される見込み。
 ポンドドルはNY時間に入って戻り売りに押され、1.32ドル台半ばまで値を落と
した。この日は英中銀の金融政策委員会(MPC)の結果が発表され、それを受けてポ
ンドは買いが強まっていた。ポンドドルは一時1.33ドル台半ばまで上昇。
 そのMPCだが、大方の予想通りに政策金利を0.25%引き下げた。ただ、委員の
投票行動は3分割し、9名の委員のうち5名は0.25%の利下げを支持し、2名は
0.50%の大幅利下げを主張した。残りの2名は据え置きを主張。また、英中銀は、
トランプ関税による世界経済の変動を踏まえ、「利下げは段階的かつ慎重に継続すべ
き」との方針を維持した。ベイリー総裁も「段階的で慎重なアプローチを堅持する必要
がある」と述べていた。市場からは予想以上に利下げに慎重な姿勢を示したとの受け止
めも出ていた。
 今回の決定に英米貿易合意がどの程度織り込まれていたかは定かではない。しかし、
詳細については協議を継続して行くということで、英中銀もそれを待ちたい姿勢と思わ
れる。
MINKABU PRESS