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2025年05月08日(木)05時38分

NY外為市況=一時144円付近に上昇

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日本時間午前5時36分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  143.90 + 1.45 (+ 1.02%) 144.00 / 142.42
ユーロ・ドル 1.1300 - 0.0070 (- 0.62%) 1.1378 / 1.1292
ポンド・ドル 1.3286 - 0.0083 (- 0.62%) 1.3382 / 1.3280
ドル・スイス 0.8237 + 0.0017 (+ 0.21%) 0.8272 / 0.8186
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<きょうの材料>
*米週間石油在庫統計(バレル・前週比)23:30
原油 -203.2万(4億3838万)
ガソリン +18.8万(2億2573万)
留出油  -110.7万(1億0671万)
(クッシング地区)
原油 -74万(2496万)
*()は在庫総量
*FRB政策金利 8日3:00
結果 4.25~4.50%
予想 4.25~4.50% 前回 4.25~4.50%
*FOMC声明
・先行きの不確実性がさらに高まった。
・失業率とインフレの上昇リスクが高まった。
パウエル議長
・金利調整を急ぐ必要はないと考えている。
・当面、FRBは明確さが得られるまで待つ立場にある
・待つ事のコストは比較的低い。
・不確実性にもかかわらず、経済は依然堅調。
・短期的なインフレ期待が上昇。
・調査結果は関税がインフレ期待を押し上げていることを示唆。
・失業率とインフレの上昇リスクが高まっている。
・この先どう展開するか予測できない。
・貿易の異常な変動がGDPの測定を複雑化。
・政策によるインフレ効果は一時的である可能性。
・二大責務の目標が緊張状態に陥る可能性がある。
・関税が維持されれば、目標への進展は今年ないだろう。
・経済軌道の不確実性は極端に高まっている。
・実際の経済指標にはまだ景気減速が示されていない。
・第1四半期の個人消費と在庫水準は上方修正の可能性も。
・センチメント指標と消費の結びつきは弱い。
・GDPデータの変動で金融政策を変えることはない。
・トランプ大統領のコメントは、われわれの仕事には全く影響しない。
・私はどの大統領にも会談を要請したことはない。
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<明日の材料と事前予想>
【英国】
英中銀政策金利(5月)20:00
予想 4.25% 前回 4.50%
【ユーロ圏】
ドイツ鉱工業生産指数(3月)15:00
予想 1.1% 前回 -1.3%(前月比)
予想 -2.6% 前回 -4.0%(前年比)
ドイツ貿易収支(3月)15:00
予想 189億ユーロ 前回 177億ユーロ
【米国】
非農業部門労働生産性指数(速報値)(第1四半期)21:30
予想 -0.5% 前回 1.5%(前期比)
単位労働費用
予想 5.4% 前回 2.2%(前期比)
新規失業保険申請件数(04/27 - 05/03)21:30
予想 23.0万件 前回 24.1万件
英DMPインフレ調査(4月)
米NY連銀インフレ期待(4月)
カナダ中銀半期金融安定報告
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 きょうのNY為替市場、午後のFOMC後のパウエル議長の会見を受けて、ドル高の
反応が見られた。ドル円は144円付近まで上昇。ある程度想定通りではあったもの
の、議長は追加利下げに慎重姿勢を強調していた。
 「金利調整を急ぐ必要はない。FRBは明確さが得られるまで待つ立場にある」と述
べていた。不確実性が高まっている点も強調し、失業率とインフレの両方の上昇リスク
が高まっていることにも言及。ただ、「実際の経済データにはまだ景気減速が示されて
いない」とも語った。
 それでも短期金融市場は見方を変えておらず、年内3回の利下げ、最短で7月の利下
げ再開で織り込んでいる。エコノミストからは利下げ期待が行き過ぎとの声も出てい
た。
 ユーロドルは1.12ドル台に一時下落。本日の21日線が1.1335ドル付近に
来ていたが、その水準を下回っている。今年に入ってからの上昇トレンドにまだ黄色信
号は点灯していないが、明日以降の動きが注目される。
 本日は3月のユーロ圏小売売上高が発表になっていたが、前月比で減少となってい
た。一部からは、今年のユーロ圏の消費は低調な推移になる可能性も指摘されている。
ユーロ圏の消費者は今年、財布の紐を緩めることに慎重姿勢を続ける可能性があるとい
う。貿易を巡る不透明感や賃金の伸び悩みが消費意欲を抑制すると説明している。
 本日のユーロ圏小売売上高の減少は、消費者信頼感の低下を背景としており、トラン
プ政権の関税政策によって広がった経済の不確実性が原因と見られている。今後を展望
すると、ECBの低金利が今年の消費を後押しする可能性があるが、実質所得の伸び鈍
化によってその効果は一部相殺されるだろうとも述べていた。
 ポンドドルも戻り売りに押され、1.32ドル台に下落。21日線の上での上昇トレ
ンドは堅持しているものの、明日の英金融政策委員会(MPC)を前に、次第にが重く
なっている様子もうかがえる。
 ポンドの見通しに関する再評価は、オプション市場における主要なテーマとして継続
している。短期的にはポンドドルの上昇に備える動きが活発化しているのはもちろんだ
が、次第に長期でも、これまでの下落リスクに備えた動きが徐々に後退している。1年
物のポンドドルのオプション取引では、下落リスクに備えた動きが2014年7月以来
の低水準になっているという。
MINKABU PRESS