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2025年07月04日(金)05時30分

NY外為市況=一時145円台回復

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日本時間午前5時29分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  144.98 + 1.32 (+ 0.92%) 145.23 / 143.45
ユーロ・ドル 1.1754 - 0.0045 (- 0.38%) 1.1810 / 1.1718
ポンド・ドル 1.3648 + 0.0012 (+ 0.09%) 1.3676 / 1.3586
ドル・スイス 0.7954 + 0.0034 (+ 0.43%) 0.7987 / 0.7901
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<きょうの材料>
*非農業部門雇用者数(NFP)(6月)21:30
結果 14.7万人
予想 10.6万人 前回 14.4万人(13.9万人から修正)
*失業率(6月)
結果 4.1%
予想 4.3% 前回 4.2%
*平均時給(6月)
結果 0.2%
予想 0.3% 前回 0.4%(前月比)
結果 3.7%
予想 3.9% 前回 3.8%(3.9%から修正)(前年比)
*民間部門雇用者数
結果 7.4万人
予想 10.0万人 前回 13.7万人(14.0万人から修正)
*製造業雇用者数
結果 -0.7万人
予想 -0.2万人 前回 -0.7万人(-0.8万人から修正)
*週平均労働時間
結果 34.2
予想 34.3 前回 34.3
*労働参加率
結果 62.3%
予想 62.4% 前回 62.4%
*米貿易収支(5月)21:30
結果 -715億ドル
予想 -710億ドル 前回 603億ドル(-616億ドルから修正)
*米新規失業保険申請件数(6月28日週)21:30
結果 23.3万人
予想 24.1万人 前回 23.7万人(23.6万人から修正)
*米非製造業PMI(6月確報)22:45
結果 52.9
予想 53.1 前回 53.1
*米コンポジッPMI(6月確報)22:45
結果 52.9
予想 5.8 前回 52.8
*ISM非製造業景気指数(6月)23:00
結果 50.8
予想 50.6 前回 49.9
*米耐久財受注(5月・改定値) 21:30
結果 16.4%
予想 16.4% 速報 16.4%(前月比)
結果 0.5%
予想 0.5% 速報 0.5%(除輸送・前月比)
*米製造業受注(5月)
結果 8.2%
予想 8.2% 前回 -3.9%(-3.7%から修正)(前月比)
*米下院、税制・歳出法案を可決
 米下院は本日、税制・歳出法案の上院での修正案を可決した。法案は今後、トランプ
大統領に送付され、署名して成立する運びとなる。賛成218票、反対214票で可決
した。差し引き3.4兆ドル規模の財政パッケージで、4.5兆ドル規模の減税が盛り
込まれる一方、1兆ドル超の歳出削減も含まれている。
*ベッセント財務長官
・経済成長は3%を超える可能性。
・インフレ期待は低下するはず。
・米2年債は翌日物金利が高過ぎることを示唆している。
・米国債には国内外から大きな需要。
・パウエル議長の進退巡る質問には特定の回答を控える。
・FRB議長には有力候補が多数いる。
*ボスティック・アトランタ連銀総裁
・高インフレは長期化の見込みだが、急上昇はない。
・高インフレが期待値をアンカーから外すリスク高まる。
・貿易政策の調整には1年以上かかる可能性。
・インフレ指標は値上げ延期の戦略を反映。
・モメンタム鈍化も景気後退の可能性を断定するのは時期尚早。
・労働市場の状況は依然健全。
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<明日の材料と事前予想>
【ユーロ圏】
ドイツ製造業新規受注(5月)15:00
予想 -0.3% 前回 0.6%(前月比)
予想 5.6% 前回 4.8%(前年比)
ユーロ圏生産者物価指数(PPI)(5月)18:00
予想 -0.6% 前回 -2.2%(前月比)
予想 0.3% 前回 0.7%(前年比)
GPIF、24年度運用実績公表
独立記念日のため米国市場は休場
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 きょうのNY為替市場、ドル円は買いが強まり145円台を一時回復。この日発表の
6月の米雇用統計が米労働市場の底堅さを示したことから、為替市場はドル高の反応が
見られた。一方、それ以上に円安がドル円を押し上げていた面も大きかったようだ。
 米雇用統計を受けてFRBの早期利下げ期待が後退。パウエルFRB議長はインフレ
への関税の影響が明確になるまで利下げを急がない方針を示しているが、労働市場が大
きく弱まった場合には、利下げのタイミングが早まる可能性があるとも議会で証言して
いた。ただ、本日の米雇用統計はその可能性を後退させる内容となり、短期金融市場で
も前日は25%程度あった7月利下げの確率がほぼゼロとなっている。
 一方、日銀の早期利上げ期待も後退しており、短期金融市場では年内の利上げを五分
五分で見ている状況。日米の貿易協議が暗礁に乗り上げており、それが明確にならない
限り、日銀も動けないといったところかもしれない。本日はベッセント財務長官の発言
が伝わっていたが、「日本は参院選があるため、いまは難しい」と述べていた。
 7月9日の期限内に協議はまとまりそうもなく、少なくとも7月20日の参院選を通
過するまでは、事態に進展が見られない可能性もありそうだ。参院選後に交渉相手の石
破政権が存続できるかも含めて、しばらく事態は流動的かもしれない。
 本日144円台半ばに来ていた21日線を回復したが、明日以降、反転の狼煙をあげ
るか注目される。ドルショート・円ロングは依然として積み上がっており、ポジション
的には買いが出易い状況にはある。
 ユーロドルは一時1.17ドル台前半に下落したものの、動きが一巡すると下げ渋っ
た。しかし、ドル安への期待は根強く、ユーロドルは下がったところでは押し目買いが
活発に出る模様。ポイントとなっている1.17ドル台を堅持しており、大きな心理的
節目である1.20ドルを向けた動きは継続している。
 エコノミストは、9月にECBの0.25%ポイントの利下げを予想しており、それ
により中銀預金金利は1.75%まで低下し、それが基本的に利下げの終了点だと述べ
ている。ただ、短期金融市場では9月利下げの可能性は50%といったところで、本命
は12月利下げを想定している状況。今後のユーロ圏の成長はやや鈍化するものの大幅
な減速はなく、インフレも2%前後で落ち着いた動きになるとも予測していた。
 ポンドドルは下に往って来いの展開。この日の米雇用統計を受けてドル高が優勢とな
り、ポンドドルも発表直後に1.35ドル台に急速に下落する場面が見られた。ただ、
直ぐに買い戻され、米雇用統計後の下げを解消。全体的にポンドは強い動きを見せてい
た。
 スターマー首相がリーブス財務相の去就を巡り火消しに努めたことがポンドをサポー
トしたようだ。首相は、リーブス財務相が今後何年も現職に留まるだろうと発言し、退
任の観測を打ち消した。前日の下院の質疑で首相は、財務相への全面的支持表明を避
け、英資産の売りを誘っていた。
 リーブス財務相は国民保健サービス(NHS)の10カ年計画について、「経済を再
び強固な基盤に立て直した」と述べ、病院向けに数十億ポンドの追加資金を確保したと
強調していた。「財政規律を守ってきたからこそ、公共サービスへの投資を拡大でき
る」とも語った。
MINKABU PRESS