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2025年11月20日(木)06時26分

NY外為市況=157円台に上昇

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日本時間午前6時26分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  157.05 + 1.54 (+ 0.99%) 157.14 / 155.21
ユーロ・ドル 1.1526 - 0.0055 (- 0.47%) 1.1597 / 1.1518
ポンド・ドル 1.3048 - 0.0097 (- 0.74%) 1.3155 / 1.3044
ドル・スイス 0.8063 + 0.0066 (+ 0.83%) 0.8067 / 0.7986
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<きょうの材料>
*米貿易収支(8月)22:30
結果 -596億ドル
予想 -604億ドル 前回 -782億ドル(-783億ドルから修正)
*米週間石油在庫統計(バレル・前週比)0:30
原油 -342.6万(4億2416万)
ガソリン +232.7万(2億0739万)
留出油  +17.1万(1億1108万)
(クッシング地区)
原油 -69.8万(2182万)
*()は在庫総量
*FOMC議事録
・多くが12月利下げは適切でないと言及。
・複数の委員は12月利下げは十分適切な可能性と言及。
*ミランFRB理事
・10月のバランスシート縮小終了は好ましい。
・適正規模規制により小規模なバランスシートが可能に。
・規制緩和の中で最適準備金水準は低下する可能性。
・FRBの銀行規制見直しを強く支持。
*米経済指標動向
・10月分の米雇用統計の発表取り止め。
・NFPのデータは11月分に組み込む。
・失業率などの家計調査のデータは遡って収集できない。
・10月分の米求人件数の公表日を12月9日に延期。
・9月分の米小売売上高は11月25日に公表。
・9月分の米耐久財受注は11月26日に公表。
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<明日の材料と事前予想>
【中国】
中国最優遇貸出金利(ローンプライムレート)(11月)10:00
予想 3.0% 前回 3.0%(1年)
予想 3.5% 前回 3.5%(5年)
【ユーロ圏】
ドイツ生産者物価指数(10月)16:00
予想 -0.1% 前回 -0.1%(前月比)
予想 -1.7% 前回 -1.7%(前年比)
【米国】
非農業部門雇用者数(NFP)(9月)22:30
予想 5.5万人 前回 2.2万人(前月比)
失業率
予想 4.3% 前回 4.3%
平均時給
予想 0.3% 前回 0.3%(前月比)
予想 3.6% 前回 3.7%(前年比)
フィラデルフィア連銀景況指数(11月)22:30
予想 -1.5 前回 -12.8
小枝日銀審議委員が金融経済懇談会出席
ハマック・クリーブランド連銀総裁が挨拶(質疑応答あり)
グールズビー・シカゴ連銀総裁が昼食会出席
ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁が講演(質疑応答なし)
EU外相理事会
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 きょうのNY為替市場、ドル円は上値追いを加速し、157円台を付けている。片山
財務相、城内経済財政相、植田日銀総裁による3者会談後の片山財務相の会見から円安
が強まり、一気に150ポイント上昇した格好。片山財務相は「為替について具体的な
話は出ていない。市場動向は高い緊張感持って注視。丁寧に対話すること確認」などと
述べていた。
 また、午後に公表されたFOMC議事録を受けて、ドル高の反応が見られたこともド
ル円を押し上げている。議事録では「多くが12月利下げは不適切とした一方、複数の
委員からは12月利下げは十分適切な可能性」と指摘していたことが明らかとなった。
十分適切と指摘した複数の委員は恐らく、トランプ大統領に近いミラン理事とウォラー
理事が含まれていると思われる。
 160円を一気に視野に入れる動きが出ていることで、さすがに明日の東京市場では
介入が話題になりそうだ。また、明日の9月分の米雇用統計への注目が集まっている。
 なお、米労働統計局(BLS)は10月分の米雇用統計の公表を取り止めると発表。
ただ、非農業部門雇用者数(NFP)のデータだけは、12月5日発表予定の11月分
に組み込むとしている。失業率などの家計調査のデータは遡って収集できないと説明し
た。10月分の米消費者物価指数(CPI)も発表されない可能性がある中、12月5
日の11月分と10月分のNFPを含んだ米雇用統計は、12月FOMCの行方を判断
する上で、天王山となりそうだ。
 政府機関閉鎖の影響が出ていることも想定され、強い内容までは期待しにくい。市場
では12月は据え置きとの見方も増えつつあるが、局面が一気に変わる可能性も留意さ
れる。
 ユーロドルは4日続落し、1.15ドル台前半まで下落。きょうの下げで21日線を
再び下回り、9月中旬からの下げトレンドを継続している。一方、ユーロ円は円キャリ
ー取引から、一時181円ちょうど付近まで上昇。ユーロ発足以来の高値を更新した。
 ストラテジストは、ドイツの財政拡張計画は来年のユーロ圏の成長とインフレを押し
上げる可能性はあるが、ユーロの大幅上昇を促す可能性は低いと指摘している。逆にド
イツのメルツ政権が来年何を実現するかについて既に期待が高まっており、その分、期
待を下回れば、ユーロはネガティブに反応するリスクが存在するとも付け加えた。

 ユーロに関する財政計画を巡る熱狂も過ぎ去り、より大きな為替の推進役はドルとF
RBになる。そのような中、同ストラテジストはFRBが12月に利下げを実施すると
見ており、ユーロドルは今四半期中に1.20ドルまで上昇する可能性があるという。
しかし、その後は2026年第2四半期までに1.18ドルまで下落すると予想。FR
Bは2026年にそれ以上の利下げは実施しないと見ているためだという。
 ポンドドルは1.30ドル台半ばに下落。再び21日線を下放れる展開が見られ、9
月中旬以降の下げトレンドは継続。目先は今月初旬にサポートされた1.30ドルちょ
うどが意識される。一方、円キャリー取引が活発化し、ポンド円は一時205円台に上
昇。10月に付けた年初来高値に並んでいる。
 本日は10月の英消費者物価指数(CPI)が発表になっていたが、前回から鈍化し
ており、市場ではクリスマス前の英中銀の利下げに向けた道筋がより明確になったとの
見方が多い。特にサービス業のインフレが低下した点が大きく、旅行運賃、授業料、宿
泊料金がいずれも予想を下回る弱さとなった。
 12月の金融政策委員会(MPC)で決定票を握る可能性が高いベイリー総裁は、政
策金利を4%未満に引き下げることにより自信を持つだろうとの声も出ていた。
MINKABU PRESS