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2025年11月27日(木)06時27分

NY外為市況=ドル円は緩やかに買い戻し

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日本時間午前6時26分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  156.47 + 0.42 (+ 0.27%) 156.74 / 155.65
ユーロ・ドル 1.1594 + 0.0024 (+ 0.21%) 1.1601 / 1.1547
ポンド・ドル 1.3236 + 0.0070 (+ 0.53%) 1.3242 / 1.3125
ドル・スイス 0.8044 - 0.0031 (- 0.38%) 0.8084 / 0.8039
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<きょうの材料>
*新規失業保険申請件数(11/16 - 11/22)22:30
結果 21.6万件
予想 22.3万件 前回 22.2万件(22.0万件から修正)
*耐久財受注(速報値)(9月)22:30
結果 0.5%
予想 0.6% 前回 3.0%(2.9%から修正)(前月比)
結果 0.6%
予想 0.2% 前回 0.5%(0.3%から修正)(輸送除くコア・前月比)
*シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(11月)23:45
結果 36.3
予想 43.9 前回 43.8
*米週間石油在庫統計(バレル・前週比)0:30
原油 +277.4万(4億2693万)
ガソリン +251.3万(2億0990万)
留出油  +114.7万(1億1223万)
(クッシング地区)
原油 -6.8万(2175万)
*()は在庫総量
*米地区連銀経済報告(ベージュブック)
・米経済活動はほとんど変化が見られなかった。
・全体的な個人消費は高所得層を除いてさらに減少。
・雇用は僅かに減少。
・物価は緩やかに上昇。
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<明日の材料と事前予想>
【ユーロ圏】
ドイツGfK消費者信頼感調査(12月)16:00
予想 -23.7 前回 -24.1
ユーロ圏消費者信頼感指数(確報値)(11月)19:00
予想 -14.2 前回 -14.2
ユーロ圏景況感指数(11月)19:00
予想 96.9  前回 96.8
国債市場特別参加者会合・国債投資家懇談会
ECB議事録(10月3日開催分)
野口日銀審議委員が金融経済懇談会出席
感謝祭のため米株式・債券市場は休場
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 きょうのNY為替市場、ドル円は買戻しが優勢となり、一時156.75円付近まで
上昇。米新規失業保険申請件数が予想を下回り、4月半ば以来の低水準となったこと
で、序盤はドル高の反応が見られていた。ただ、市場ではFRBの12月利下げ期待が
復活し、短期金融市場ではほぼ確実視している状況。感謝祭前で様子見の雰囲気も広が
る中、156円台半ばに緩やかに伸び悩む動き。
 一方、日本の財政不安が燻る中、円は短期的に軟調な局面が続くとの見方も根強く、
ドル円は下値されている。ただ、以前のような一辺倒の上昇の雰囲気はない。
 高市首相の21兆円規模の景気対策は、生鮮食品を除くインフレを鈍化させる公算が
大きいとの指摘がエコノミストから出ている。今回の対策にはガソリン税・軽油税の暫
定税率の廃止など、物価上昇を抑制する措置が含まれている点を指摘。これらの措置に
より生鮮食品を除くインフレが一時的に0.6ポイント程度低下すると予想している。
 生鮮食品を除くインフレは来年2月には2.0%を下回り、その後しばらくは1.5
-2.0%のレンジに留まる可能性が高いとも付け加えた。来年1月の日銀の利上げを
引き続き予想しているが、その後は2027年1月まで実施されないと見ているとい
う。
 ユーロドルはNY時間に入ってやや値を落とす場面が見られたものの、買戻しの流れ
は続き、一時1.16ドル台に上昇する場面も見られた。ここ来てFRBの利下げ期待
が再浮上する中、今週に入ってユーロドルは下げ渋る動きが見られている。目先は1.
16ドルをしっかりと回復し、強い上値抵抗も観測されている1.16ドル台半ばの水
準を回復できるか注目される。一方、ユーロ円は反発しており、181円台を回復。円
安が一服し、先週は180円を割り込む場面も見られていたが、しっかりとユーロ発足
以来の高値水準を維持している状況。
 先日の第3四半期のドイツGDP以降、ドイツ経済への不透明感が指摘されている。
GDPは前期比で横ばいに留まり、個人消費と純輸出が足を引っ張っていた。財政刺激
策の効果が出るにはしばらく時間がかかるとの指摘も出ている。
 一方、ドイツ経済の回復を諦めるのはまだ早く、26年以降は力強い成長が期待でき
るとの見方も出ている。GDPにおける個人消費の落ち込みは急激だったが、弱さを過
大に表していると指摘。企業調査では成長基調の環境が明るくなっていることが示され
おり、借り入れが急速に拡大し、設備投資安定化の明確な証拠もあるという。ただし、
在庫調整のリスクは残っているとも付け加えている。
 ポンドドルは上下動の末、買い戻しが優勢となった。今月中旬に上値を抑えた1.3
2ドルの水準を回復し、日足チャートはダブルボトムを形成している。ポンド円は20
7円台に上昇し、7月以来の高値を回復。
 注目のリーブス英財務相が秋季予算案を発表。それに伴って英予算責任局(OBR)
も経済・財政見通しを公表。市場は警戒していたものの、主要な財政規則に対する財政
余力は3月の99億ポンドから220億ポンドに拡大した。2022年3月以来の大き
さで、予想コンセンサスの150億ポンドも大きく上回った。261億ポンドの増税を
表明し、所得税の課税標準額の3年間凍結のほか、ギャンブルや高級不動産に対する新
税なども寄与する。
 ただ、不満も多い模様。主要な増税は後ろ倒しされ、今回の予算案は厳しい選択にな
ると見込んでいた向きには期待外れとなった。一方、所得税の課税標準の凍結で、推定
170万人以上がより高い税率の対象となる。エコノミストからは、「今回の予算案は
低迷する成長、低い信頼感、歪んだ税制によって資金調達されている肥大化した公共部
門の問題に真剣に取り組むものではない」との評価も出ている。
MINKABU PRESS