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2024年05月21日(火)05時34分

NY外為市況=156円台回復

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日本時間午前5時33分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  156.29 + 0.64 (+ 0.41%) 156.30 / 155.48
ユーロ・ドル 1.0858 - 0.0011 (- 0.10%) 1.0884 / 1.0854
ポンド・ドル 1.2707 + 0.0006 (+ 0.05%) 1.2725 / 1.2682
ドル・スイス 0.9109 + 0.0018 (+ 0.20%) 0.9109 / 0.9065
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<きょうの材料>
主な米経済指標の発表はなし
*イエレン米財務長官
 イエレン米財務長官はEU諸国に対し、凍結されたロシア資産およそ2800億ドル
相当の価値を解き放ち、ウクライナに持続的な金融支援を提供できる方法を見出すた
め、米国とともに行動するよう促した。
*ボスティック・アトランタ連銀総裁
・今年のデータはインフレの緩やかな鈍化を示唆。
・経済は減速しているが、非常にゆっくりとした減速。
・インフレは今年と来年に引き続き鈍化すると考えている。
・FRBはあらゆる可能性を排除しない。
・労働市場は1年前よりも緩和しているが、軟調ではない。
・インフレが2%に向かうと確信するまでにはしばらく時間がかかる。
・政策スタンスは制限的。
*バーFRB副議長(銀行監督担当)
・金利を安定させ、事態の推移を見守るには良いポジション。
・制限的な政策が機能するにはさらに時間が必要。
・FRBの現在のアプローチは、リスク管理のための慎重な方法。
・経済は力強く、成長は堅調、失業率は低い。
・FRBは銀行がバッファとして保有できる資産の制限を検討。
・流動性問題の解決策を検討中。
・FRBは銀行の準備金と割引窓口の要件を検討中。
*ジェファーソンFRB副議長
・ディスインフレが続くかを判断するには時期尚早。
・政策金利は制限的な領域にある。
・4月のインフレ指標が改善したことは勇気づけられる。
・4月のCPIが将来を示しているかの判断は時期尚早。
・単月のデータに傾斜し過ぎることはない。
・インフレ鈍化の中でも、データは雇用の持続的増加を示唆。
・通常のバランスシート規模に移行するのが適切。
・低失業率を考慮すると、インフレに焦点を当てる余地がある。
*メスター・クリーブランド連銀総裁
・制限的な政策が労働市場を緩和した。
・制限的過ぎるというリスクは下がった。
・インフレリスクは依然として上向きに偏っている。
・最新のCPIは歓迎されたが、まだ高過ぎる。
・インフレはまだ下がると考えているが、すぐではない。
・現在の金融政策は良い位置にある。
・適切なら利上げもありうるが、基本シナリオではない。
・24年に3回の利下げが適切だとは思わない。
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<明日の材料と事前予想>
【ユーロ圏】
ドイツ生産者物価指数(4月)15:00
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
予想 -3.1% 前回 -2.9%(前年比)
ユーロ圏経常収支(3月)17:00
予想 N/A 前回 295.0億ユーロ(季調済)
ユーロ圏貿易収支(3月)18:00
予想 N/A 前回 236億ユーロ(季調前)
予想 200億ユーロ 前回 179億ユーロ(季調済)
【カナダ】
消費者物価指数(CPI)(4月)21:30
予想 0.4% 前回 0.6%(前月比)
予想 2.7% 前回 2.9%(前年比)
豪中銀議事録(5月7日開催分)
日銀「金融政策の多角的レビュー」に関する第2回ワークショップ「過去25年間の経済
物価情勢と金融政策」
ベイリー英中銀総裁、金融市場グループ(FMG)主催会議出席
バーFRB副議長、会議「2023年の流動性危機から学んだ教訓」出席(質疑応答あり)
ウォラーFRB理事、米経済および金融政策見通しについて講演(質疑応答あり)
ウィリアムズNY連銀総裁、会議開会挨拶
ボスティック・アトランタ連銀総裁、アトランタ連銀主催金融市場会議で講演
バーキン・リッチモンド連銀総裁、リッチモンド連銀主催投資会議開会挨拶
ラガルドECB総裁、イエレン米財務長官に名誉博士号を授与するイベントに参加
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 きょうのNY為替市場、ドル買いの動きは一服していたものの、ドル円は買い戻しが
優勢となり156円台を回復した。米国債利回りが上昇したことがドル円をサポート。
また、円安の動きが根強く、対ドルのみならず、ユーロやポンドといった対クロスでも
円は軟調に推移した。
 日本国債の利回りは上昇しており、2年物および10年物の利回りは10年ぶりの高
水準まで上昇。先週発表の1-3月期の日本のGDPはマイナス成長だったものの、市
場は4-6月期の回復を見込んでいるとの指摘が一部から出ている。日本国債に対する
米国債の10年と20年のイールドプレミアムも過去2週間で縮小しており、ドル円の
弱気反転の可能性を裏付けている
 ただ、ドル円は底堅い推移を続けている。テクニカル分析ではドル円は中期的な上昇
トレンドが継続する可能性があるとの指摘も出ており、短期的には157円ちょうどお
よび155.30円の2つの重要なレベルが意識されるという。
 ユーロドルは上値の重い展開を見せていたものの、下押す動きもなく1.08ドル台
での底堅い推移を続けている。1.09ドル手前に強い上値抵抗が観測されているが、
その水準突破を試そうというセンチメントは依然残っているようだ。
 ECBがFRBに先駆けて利下げに踏み切ることにいまや、ほとんど疑いの余地はな
いと見られている。FRBは現行水準をしばらく維持しそうな気配だが、スイスやスウ
ェーデンをはじめとする他の中銀は、それぞれの国でインフレが管理可能なレベルまで
鈍化していることから、すでに利下げを開始している。6月にはECBもそれに追随し
そうだ。
 以前はECBや他の主要中銀はFRBを意識する必要があるとの見方も出ていたが、
それは奇妙なものだったとの指摘も出ている。
 ポンドドルは上値追いが続き、4月初旬に上値を拒んだ1.27ドル台を回復。昨年
末から今年に入って何度も上値を拒んだ1.28ドルを試しに行くか注目される。その
意味でも今週の4月の英消費者物価指数(CPI)は注目。
 今回はインフレの急低下が見込まれており、総合指数はインフレ目標の2%に急接近
すると見られている。一方で市場はサービスインフレの動向を注視しており、それが予
想を上回るようであれば、6月の利下げ期待が8月に後退し、短期的にポンドは上昇と
の見方も出ている。電話料金やインターネット料金のような特定の商品やサービスの価
格が4月に更新されたため、インフレに影響を与えた可能性があるという。
MINKABU PRESS