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2024年05月15日(水)05時32分

NY外為市況=156円台で上下動

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日本時間午前5時31分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  156.45 + 0.23 (+ 0.15%) 156.74 / 156.14
ユーロ・ドル 1.0819 + 0.0029 (+ 0.27%) 1.0826 / 1.0768
ポンド・ドル 1.2589 + 0.0030 (+ 0.24%) 1.2593 / 1.2510
ドル・スイス 0.9066 - 0.0017 (- 0.19%) 0.9102 / 0.9055
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<きょうの材料>
【米国】
生産者物価指数(PPI)(4月)21:30
結果 0.5%
予想 0.4% 前回 -0.1%(0.2%から修正)(前月比)
結果 2.2%
予想 2.1% 前回 1.8%(2.1%から修正)(前年比)
結果 0.5%
予想 0.3% 前回 -0.1%(0.2%から修正)(食品・エネルギー除くコア・前月比)
結果 2.4%
予想 2.3% 前回 2.1%(2.4%から修正)(食品・エネルギー除くコア・前年比)
【カナダ】
卸売売上高(3月)21:30
結果 -1.1%
予想 -1.2% 前回 0.2%(0.0%から修正)(前月比)
*パウエル議長
・労働市場は徐々に冷え込み、バランスを取り戻しつつある。
・多くの産業で人手不足が続いている。
・移民も成長を後押ししている。
・信頼感は今年の最初の数カ月のようには高くない。
・次の動きが利上げになるとは思えない。
・金利を据え置く可能性の方が高い。
・PPIの数値は実際、かなりまちまちだった。
・サービスインフレは2%に下がらなくてもよい。
・サービスインフレは最も時間がかかると思う。
・インフレ低下の自信得るまで時間がかかりそうだ。
*クノット・オランダ中銀総裁
・6月が最初の利上げの良い機会になる。
・インフレが2%目標に向かうとの確信が強まる。
・ユーロ圏の回復の兆しは明らか。
・賃金上昇は緩やかだが鈍化している。
・欧州のインフレは米国よりも持続性が低い可能性が高い。
・6月以降の金利にはコミットせず。データ次第。
・FRBの政策は影響力を持つが、われわれは独自の見解を示す必要。
・政策の相違はユーロと飼料価格を弱める可能性。
・政策乖離の影響は不透明。
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<明日の材料と事前予想>
【豪州】
賃金指数(2024年 第1四半期)10:30
予想 1.0% 前回 0.9%(前期比)
予想 4.3% 前回 4.2%(前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏GDP(改定値)(第1四半期)18:00
予想 0.3% 前回 0.3%(前期比)
予想 0.4% 前回 0.4%(前年比)
ユーロ圏鉱工業生産指数(3月)18:00
予想 0.4% 前回 0.8%(前月比)
予想 -1.2% 前回 -6.4%(前年比)
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(05/04 - 05/10)20:00
予想 N/A 前回 2.6%(前週比)
消費者物価指数(CPI)(4月)21:30
予想 0.4% 前回 0.4%(前月比)
予想 3.4% 前回 3.5%(前年比)
予想 0.4% 前回 0.4%(食品・エネルギー除くコア・前月比)
予想 3.6% 前回 3.8%(食品・エネルギー除くコア・前年比)
NY連銀製造業景気指数(5月)21:30
予想 -10.2 前回 -14.3
小売売上高(4月)21:30
予想 0.4% 前回 0.7%(前月比)
予想 0.2% 前回 1.1%(自動車除くコア・前月比)
企業在庫(3月)23:00
予想 0.1% 前回 0.4%(前月比)
【カナダ】
住宅着工件数(4月)21:15
予想 23.0万件 前回 24.22万件(住宅着工件数)
ミュラー・エストニア中銀総裁が講演
欧州委員会経済見通し
ビルロワドガロー仏中銀総裁が仏財政委員会出席
バーナンキ元FRB議長が英中銀経済予測見直しに関する報告書について説明
カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が講演(質疑応答あり)
ボウマンFRB理事が講演(質疑応答あり)
香港市場は仏誕節で休場
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 きょうのNY為替市場、ドル円は156円台で上下動した。この日発表の4月の米生
産者物価指数(PPI)が前月比0.5%の上昇と予想を上回る内容で、為替市場は一
旦ドル買いで反応したが、買いが一巡するとドルは戻り売りを強めた。前月分がマイナ
スに下方修正されており、甲乙つけ難い内容ではあった。
 この日はパウエルFRB議長がオランダでのイベントで講演を行ったが、FOMC後
の会見で示した姿勢と概ね変化はなく、為替市場も落ち着いた反応を見せていた。議長
は次の行動が利上げになるとは思えないと述べる一方、金利を据え置く可能性の方が高
いとも述べ、高金利の長期化の可能性に言及していた。なお、本日の米PPIについて
は、かなりまちまちだったとの見方を示していた。
 いずれにしろ、市場は方向性を見出すのに苦労している模様だが、明日は本命の米消
費者物価指数(CPI)が発表される。予想は前月比で0.4%上昇と、前回同様の高
い水準が見込まれている。一方、前年比では前回からやや鈍化が見込まれている状況。
ただ、予想を上回ったとしても、かなりの上振れでない限り、ドル買いで反応する可能
性は低い雰囲気もある。一方、予想を下回っても利下げ期待が以前のように高まる可能
性も低く、反応については未知数の部分が大きい。
 ユーロドルは一時1.0770ドル付近まで値を落としたものの、リバウンド相場が
崩れることもなく、逆に1.08ドル台に上昇した。本日の上げでユーロドルのローソ
ク足が200日線の上に完全に出ており、強気のサインが出ている。本日はパウエルF
RB議長とクノット・オランダ中銀総裁がパネルディカッションに登場していたが、総
裁は6月の利下げ開始の可能性を認めた上で、その後の道筋についてはデータ次第とし
ていた。
 ファンド勢がユーロ高を見込むポジションを組んでいるとの指摘も出ており、ユーロ
高を期待したオプションへの需要が2月以来の高水準に高まっているという。また、ヘ
ッジファンドとトレーダーもここ数日ユーロショートを縮小していたという。
 ポンドドルはロンドン時間に一旦1.25ドル台前半に下落していたものの、NY時
間にかけて買いが膨らみ、1.26ドル手前に上昇している。きょうの上げで200日
線の上を回復しており、本格的なリバウンド相場に入るか注目される。
 ロンドン時間の下落については、この日発表の英雇用統計で失業率が悪化したこと
や、英中銀チーフエコノミストのピル委員が夏に利下げの可能性があると述べたことが
きかっけとなっていた。
 英雇用統計については、英失業率は悪化したものの、賃金の伸びが予想を上回ってい
た。1-3月の英ILO失業率は4.3%に悪化した一方、賞与を除く週平均賃金は前
年比6.0%と非常に高いままであることが示された。
MINKABU PRESS