経済ニュース

<< 一覧に戻る

2024年05月10日(金)05時30分

NY外為市況=155円台半ばに伸び悩む

--------------------------------------
日本時間午前5時29分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  155.44 - 0.09 (- 0.06%) 155.95 / 155.17
ユーロ・ドル 1.0782 + 0.0034 (+ 0.32%) 1.0784 / 1.0724
ポンド・ドル 1.2524 + 0.0026 (+ 0.21%) 1.2527 / 1.2446
ドル・スイス 0.9058 - 0.0022 (- 0.24%) 0.9099 / 0.9056
------------------------------------
<きょうの材料>
【米国】
*新規失業保険申請件数(04/28 - 05/04)21:30
結果 23.1万件
予想 21.0万件 前回 20.9万件(20.8万件から修正)
*米30年債入札結果
最高落札利回り 4.635%(WI:4.642%)
応札倍率    2.41倍(前回:2.37倍)
*デーリー・サンフランシスコ連銀総裁
・インフレは波乱含み。
・今後数カ月のインフレはかなり不透明。
・雇用とインフレ目標に対するリスクは均衡。
・労働市場が心配な状況に近づいている証拠はない。
・政策は制限的であり、インフレ低下にはさらに時間がかかる可能性。
・ゴールポストは変えない。2%がインフレ目標。
・労働市場が低迷すれば、金利調整を考えるだろう。
*デギンドスECB副総裁
 デギンドスECB副総裁は、6月に予定されている利下げ後の動向については明言し
ないと述べた。「われわれは6月の決定について、非常に明確かつ透明性を持ってい
る。その後はデータ次第であり、いかなる道筋にもコミットしたくない」と述べた。
*ピル英中銀委員
・今後数回の会合で金利を動かすことを検討。
・インフレと成長で励みになる兆しがある。
・インフレが抑制されたとの確信はまだない。
-----------------------------------
<明日の材料と事前予想>
【日本】
経常収支(3月)08:50
予想 34313億円 前回 26442億円
予想 20442億円 前回 13686億円(季調済)
貿易収支
予想 5486億円 前回 -2809億円
【英国】
GDP(速報値)(第1四半期)15:00
予想 0.3% 前回 -0.3%(前期比)
予想 -0.1% 前回 -0.2%(前年比)
鉱工業生産指数(3月)15:00
予想 -0.4% 前回 1.1%(前月比)
予想 0.3% 前回 1.4%(前年比)
製造業生産高(3月)15:00
予想 -0.4% 前回 1.2%(前月比)
予想 1.6% 前回 2.7%(前年比)
商品貿易収支(3月)15:00
予想 -143.00億ポンド 前回 -142.12億ポンド
貿易収支
予想 -20.50億ポンド 前回 -22.91億ポンド
【カナダ】
雇用増加数(4月)21:30
予想 2.00万人 前回 -0.22万人(前月比)
失業率
予想 6.2% 前回 6.1%
ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(5月)23:00
予想 76.3 前回 77.2
ECB議事録(4月11日開催分)
ピル英中銀チーフエコノミストが講演
グールズビー・シカゴ連銀総裁が講演
-----------------------------------
 きょうのNY為替市場、ドル円はNY時間に入って戻り売りが優勢となり、155円
台半ばに伸び悩んだ。ロンドン時間には156円を試す展開も見られていた。この日発
表の米新規失業保険申請件数が予想以上に悪化し、先週の弱い米雇用統計を追認する内
容となったことでドル売りの反応が見られている。申請件数は23.1万件と昨年8月
以来の高水準となった。ただ、NY州の公立学校の春休みが影響したとの見方も出てい
た。
 ドル円は買い戻しの流れは継続している。先週のFOMCや米雇用統計を受けて年内
利下げ期待が復活しているが、FOMC明けのFRB委員の発言が比較的タカ派な内容
が多く、見直しの動きが出ている。また、来週のインフレ指標のリスクを意識している
可能性もありそうだ。4月の米消費者物価指数(CPI)の現段階での予想は前月比
0.4%上昇と、前月と同水準の上昇が見込まれている。予想通りであれば、インフレ
懸念を後退させることは無さそうだ。
 ドル円については、介入観測に伴う先週の160円台前半から151円台後半への急
落の半値戻しが156円ちょうど付近にあるが、その水準を試しそうな気配も出てい
る。ただし、再度160円を積極的に目指そうという雰囲気まではまだなく、来週の米
インフレ指標次第といったところのようだ。
 ユーロドルは1.07ドル台後半に上昇。本日は1.0795ドル付近に200日線
が来ているが、その水準を再度試しに行くか注目される。
 ECBの6月利下げが有力視されており、ECB理事も追認しているが、その後につ
いては未知数の部分も大きい。本日はデギンドスECB副総裁の講演が伝わっていた
が、6月利下げ後の動向については明言しないと述べた。「われわれは6月の決定につ
いて、非常に明確かつ透明性を持っている。その後はデータ次第であり、いかなる道筋
にもコミットしたくない」と語っていた。
 ポンドドルは、この日の英中銀金融政策委員会(MPC)を受けて1.24ドル台半
ばに一旦下落したものの、NY時間に入ってドル売りが優勢となり、1.25ドル台に
上昇した。本日の21日線が1.2480ドル付近に来ているが、その水準は維持され
ている格好。
 その英MPCだが、政策金利は予想通りに据え置かれたものの、9名の委員のうち2
名が利下げを主張するなど、利下げ開始が接近していることを示唆していた。市場は6
月利下げの可能性を示唆するか注目していたが、ベイリー総裁は「6月利下げの可能性
は排除しないが、計画もしていない」と述べていた。次回6月のMPCまでにあと2回
インフレ指標を確認できるとしている。
 今回の決定を受けて市場も6月利下げの可能性を60%程度まで高めてはいるもの
の、コンセンサスは8月で変わらず。
MINKABU PRESS