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2024年05月09日(木)05時34分

NY外為市況=155円台に再浮上

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日本時間午前5時33分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  155.65 + 0.96 (+ 0.62%) 155.68 / 154.55
ユーロ・ドル 1.0745 - 0.0010 (- 0.09%) 1.0757 / 1.0735
ポンド・ドル 1.2495 - 0.0014 (- 0.11%) 1.2516 / 1.2468
ドル・スイス 0.9081 - 0.0003 (- 0.03%) 0.9096 / 0.9073
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<きょうの材料>
【米国】
*卸売在庫(確報値)(3月)23:00
結果 -0.4%
予想 -0.4% 前回 -0.4%
*米週間石油在庫統計(バレル・前週比)23:30
原油 -136.2万(4億5953万)
ガソリン +91.5万(2億2800万)
留出油  +56万(1億1641万)
(クッシング地区)
原油 +188万(3534万)
*()は在庫総量
*米10年債入札結果
最高落札利回り 4.483%(WI:4.473%)
応札倍率    2.49倍(前回:2.34倍)
*コリンズ・ボストン連銀総裁
・もっと確信が持てるまで金利を安定させるべき。
・不確実性の高まりは忍耐の必要性を強める。
・まだ制限的政策の影響を十分に受けていない可能性。
・年内にディスインフレがさらに進展するとは見ていない。
・追加的な物価上昇圧力なしに賃金上昇の余地あり。
・需要はいずれ鈍化すると予想するが、時期は不透明。
・健全な労働市場があれば、インフレは2%に達すると楽観視している。
・政策は適度に制限的であり、リスクに見合ったものである。
・2%目標達成には思ったより時間がかかるかもしれない。
*クックFRB理事
・自動車、クレジットカードの延滞件数の増加を注視。
・民間の信用供与は金融システムに打撃を与えていない。
・FRBは商業用不動産のエクスポージャーが高い銀行への監督を強化。
・個人信用リスクは大きいが、管理可能と見ている。
・相互に連結した大企業は衝撃を吸収する態勢が整っている。
*ホルツマン・オーストリア中銀総裁
・あまり早期に金利を下げる理由はないと思う。
・ECBはある程度、FRBの影響を受けている。
・FRBのドルに対する地位は、部屋の中のゴリラのようなものだ。
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<明日の材料と事前予想>
【中国】
貿易収支(ドル建て)(4月)時刻未定
予想 810.0億ドル 前回 585.5億ドル
【日本】
景気先行指数(速報値)(3月)14:00
予想 111.0 前回 111.8
景気一致指数
予想 113.8 前回 111.6
【英国】
RICS住宅価格指数(4月)08:01
予想 -3.0% 前回 -4.0%
英中銀政策金利(5月)20:00
予想 5.25% 前回 5.25%
四半期経済予測、議事録、ベイリー総裁会見
【米国】
新規失業保険申請件数(04/28 - 05/04)21:30
予想 21.0万件 前回 20.8万件
日銀主な意見(4月25日-26日開催分)
ピル英中銀チーフエコノミストが講演
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 きょうのNY為替市場、ドル円はじりじりと買い戻しが続く中で155円台に再浮上
し、155.65円付近まで戻した。ドル買い戻しが優勢な中で、米国債利回りも上昇
しており、ドル円も下値がサポートされている。先週のFOMCや米雇用統計を受け
て、FRBの年内利下げ期待が復活しているが、FOMC明けのFRB幹部の発言は比
較的タカ派な内容が多く見受けられ、若干の見直しの動きが出ているようだ。ただ、全
般的には来週のインフレ指標を待ちたい雰囲気に入って来ている。
 ドル円については、介入観測に伴う先週の160円台前半から151円台後半への急
落の38.2%戻しが155円ちょうど付近に来ており、その水準を回復している。5
0%戻しが156円ちょうど付近にあるが、その水準を試しそうな雰囲気が出ている。
ただし、再度160円を積極的に目指そうという勢いはいまのところない。
 きょうのユーロドルはNY時間に入って下げが一服し、1.07ドル台での推移が続
いた。ただ、本日1.0795ドル付近に来ている200日線の下での推移は続いてお
り、上値は軽くはなさそうだ。
 ドイツの製造業は受注が依然として低迷しており、年後半に緩やかな回復を見せる前
に、今後数カ月は弱含みで推移するとの見方がエコノミストから出ている。この日は3
月の鉱工業生産が発表になっていたが、0.4%の減少となっていた。エネルギーと建
設部門を除いた製造業の生産が減少したことが要因。一方、建設業の生産高は比較的穏
やかな天候に恵まれたこともあって意外に増加していた。
 しかし、製造業と伴に建設業も今後後退が懸念されており、それは今後数カ月のドイ
ツ経済の成長を鈍化させ、第2四半期の拡大を妨げると指摘している。ただ、Ifoの
景況感指数など一部のセンチメント系の指標は最近回復の兆候が出ており、夏以降は緩
やかに回復する可能性があるという。
 きょうのポンドドルはロンドン時間に1.2470ドル付近まで下落し、21日線を
下回っていたものの、NY時間かけて1.25ドルちょうど付近まで買い戻された。た
だ、1.25ドル台半ばに来ている200日線は強い上値抵抗となっており、なおリバ
ウンド相場の流れにはあるものの、次第に上値が重くなっている気配も出てきている。
市場では英中銀が早期利下げに踏み切るのではとの観測が出ていることもポンドの上値
を重くしているようだ。
 その意味でも明日の英中銀金融政策委員会(MPC)は注目となる。政策金利は据え
置きが確実視されており、注目は委員の投票行動や声明、ベイリー総裁の会見などにな
る。また、今回は四半期経済見通しも公表され、インフレ見通しが下方修正されるので
はとの見方も出ている。
 市場では8月の利下げ開始がコンセンサスとなっているが、一部からはECBに歩調
を合わせて6月の利下げ開始と見方も浮上している。短期金融市場での6月利下げの確
率は45%程度で織り込まれている状況。明日のMPCで6月利下げのヒントが示唆さ
れるようであれば、ポンドにとってはネガティブ・サプライズとなりそうだ。
MINKABU PRESS