経済ニュース

<< 一覧に戻る

2024年05月04日(土)05時32分

NY外為市況=米雇用統計でドル下落

--------------------------------------
日本時間午前5時31分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  152.91 - 0.73 (- 0.48%) 153.79 / 151.86
ユーロ・ドル 1.0765 + 0.0040 (+ 0.37%) 1.0811 / 1.0724
ポンド・ドル 1.2548 + 0.0014 (+ 0.11%) 1.2634 / 1.2526
ドル・スイス 0.9049 - 0.0058 (- 0.64%) 0.9107 / 0.9007
------------------------------------
<きょうの材料>
※経済指標
*米雇用統計(4月)21:30
非農業部門雇用者数
結果 17.5万人
予想 24.0万人 前回 31.5万人(30.3万人から修正)(前月比)
失業率
結果 3.9%
予想 3.8% 前回 3.8%
平均時給
結果 0.2%
予想 0.3% 前回 0.3%(前月比)
結果 3.9%
予想 4.1% 前回 4.1%(前年比)
民間部門雇用者数
結果 16.7万人
予想 19.5万人 前回 24.3万人(23.2万人から修正)
製造業雇用者数
結果 0.8万人
予想 0.5万人 前回 -0.4万人(0.0万人から修正)
週平均労働時間
結果 34.3
予想 34.4 前回 34.4
労働参加率
結果 62.7%
予想 62.7% 前回 62.7%
*非製造業PMI(確報値)(4月)22:45
結果 51.3
予想 50.9 前回 50.9
*コンポジットPMI
結果 51.3
予想 50.9 前回 50.9
*ISM非製造業景気指数(4月)23:00
結果 49.4
予想 51.9 前回 51.4
※発言・ニュース
*グールスビー・シカゴ連銀総裁
・インフレ再加速の兆候はないという安心感が必要。
・利上げの可能性については否定的。
・データを見守る必要。
・17万5000人の雇用増は非常に堅実な報告。
・一歩下がって、インフレ上昇が何によるものかを確認する必要。
・金利について手を縛ることにコミットしたくない。
・本日のような雇用統計が増えれば、もっと安心できる。
・金融政策は制限的だと思う。
・制限的な政策が長く続くなら、雇用について考える必要。
*ボウマンFRB理事
 ボウマンFRB理事は「インフレは当面高止まりする可能性が高いが、金利を現在の
水準で維持していれば、いずれ減速すると見ている」と述べた。利下げも利上げも否定
的な見解。
*鈴木財務相
・為替相場の水準にコメントしない。
・為替は市場においてファンダメンタルズ反映して決定。
・安定推移が望ましく、急激な変化は好ましくない。
・行き過ぎた動きを均すこと必要。
-----------------------------------
<明日の材料と事前予想>
【ユーロ圏】
ドイツ非製造業PMI(確報値)(4月)16:55
予想 53.3 前回 53.3
ユーロ圏非製造業PMI(確報値)(4月)17:00
予想 52.9 前回 52.9
ユーロ圏生産者物価指数(3月)18:00
予想 N/A 前回 -1.0%(前月比)
予想 N/A 前回 -8.3%(前年比)
こどもの日の振替休日で東京市場は休場
FRB四半期上級融資担当者調査
ジョルダン・スイス中銀総裁が講演
バーキン・リッチモンド連銀総裁が経済見通しについて講演
ウィリアムズNY連銀総裁が討論会参加
-----------------------------------
 きょうのNY為替市場はドル売りが強まり、ドル円は一時151円台に下落した。こ
の日発表になった米雇用統計を受けてドル売りが強まっている。非農業部門雇用者数
(NFP)は17.5万人増と基準の20万人を割り込み、予想も大きく下回った。失
業率も3.9%に悪化したほか、注目の平均時給も前年比3.9%と4%を下回り、2
1年6月以来の低水準に鈍化した。
 雇用の冷え込みを示す数字であり、短期金融市場では年内2回の利下げ期待を完全に
織り込む動きが一時復活していた。ドル円は、上値では介入警戒感もある中、ロング勢
の見切り売りが強まったようだ。ただ、下値では根強い買いも依然として見られ、一時
153円台に戻す場面も見られた。今週は160円台まで急上昇する場面も見られた
が、財務省の介入観測が2回あり、そこから急落している。150円に接近すればさす
がに値ごろ感も出るようだ。
 米雇用統計だが、幾分か熱気が冷めつつあることが示唆された。しかし、パウエルF
RB議長が金融政策での対応を正当化するとした予想外の軟化には相当しないと見られ
ている。「早期の利下げを期待する向きには、雇用者数の伸び減速は朗報だ。賃金上昇
ペースの鈍化はさらに喜ばしいニュースだろう。しかし、あくまで単月の数字で、FR
Bが利下げの検討を早めるには、この種のデータが数カ月続き、インフレ統計の改善も
伴う必要がある」との指摘も出ている。今週は、第1四半期の雇用コスト指数や単位労
働コストなど、労働需給に幾分緩和が見られながらも賃金上昇圧力が依然続いているこ
とを示す統計が相次いでいた。
 ユーロドルは買い戻しが加速し、一時1.08ドル台まで上昇する場面が見られた。
しかし、本日の200日線が1.08ドルちょうど付近に来ているが、その水準を超え
ると戻り待ちの売りオーダーも並んでいるようで、1.07ドル台に伸び悩んでいる。
 本日は3月のユーロ圏失業率が発表になっていたが、6.5%と5カ月連続で過去最
低の水準で推移している。今年に入って経済が改善を続ける中、雇用市場のひっ迫が、
利下げを検討するECBの足かせとなる可能性があるとの指摘も出ている。労働需要の
軟化が今後の賃金協定に影響を及ぼす可能性があるとしても、労働者不足は第2四半期
の失業率の大幅上昇を阻むという。
 6月にECBが利下げに踏み切るという見方を変えるものではないが、問題はその後
で、景気回復が続けば労働市場が再び引き締まり、賃金上昇率の低下傾向が逆転する可
能性があると述べている。ECBが金利正常化プロセスにおいて慎重に行動する十分な
理由があるとも付け加えた。
 ポンドドルは一旦1.26ドル台まで上昇したものの、動きが落ち着くと戻り売りが
出て1.25ドル台半ばに伸び悩んだ。200日線が1.25ドル台半ばに来ている
が、その水準を上回ると売り圧力も強まるようだ。
 来週は英中銀が金融政策委員会(MPC)を開催する。政策は据え置きが確実視され
ているが、一部からはそこで6月利下げを示唆する可能性が指摘されている。英中銀は
利下げサイクルの開始が間近に迫っていることを市場に呼び起こすと予想しているとい
う。6月に0.25%ポイントの利下げを見込んでいるようだ。ただ、MPC内では利
下げについて意見が分かれているとの指摘も出ており、市場は早くても8月の利下げ開
始が予想されている。
MINKABU PRESS