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2024年05月02日(木)05時54分

NY外為市況=ドル円が急落

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日本時間午前5時30分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  155.10 - 2.70 (- 1.71%) 157.99 / 155.01
ユーロ・ドル 1.0715 + 0.0049 (+ 0.46%) 1.0733 / 1.0650
ポンド・ドル 1.2528 + 0.0036 (+ 0.29%) 1.2550 / 1.2466
ドル・スイス 0.9160 - 0.0034 (- 0.37%) 0.9224 / 0.9159
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<きょうの材料>
【米国】
*ADP雇用者数(4月)21:15
結果 19.2万人
予想 18.0万人 前回 20.8万人(18.4万人から修正)(前月比)
*ISM製造業景気指数(4月)23:00
結果 49.2
予想 50.1 前回 50.3
*JOLTS求人件数(3月)23:00
結果 848.8万人
予想 868.0万人 前回 881.3万人(875.6万人から修正)
*建設支出(3月)23:00
結果 -0.2%
予想 0.2% 前回 0.0%(-0.3%から修正)(前月比)
*米週間石油在庫統計(バレル・前週比)23:30
原油 +726.5万(4億6089万)
ガソリン +34.4万(2億2709万)
留出油  -73.2万(1億1585万)
(クッシング地区)
原油 +108.9万(3346万)
*()は在庫総量
*FRB政策金利
結果 5.25~5.50%
予想 5.25~5.50% 前回 5.25~5.50%
*FOMC声明
・ここ数カ月、インフレは2%目標に向けた前進が見られ・インフレ低下への確信が高
まるのを待つと再言及。
ない。
・過去1年間で目標はより良いバランスに向かっている。
・採決は全会一致。
*パウエル議長
・経済は目標に向かってかなり前進した。
・インフレはまだ高過ぎる。
・インフレはさらなる進展の欠如を示す。
・労働市場は依然として相対的にタイトだが、バランスは改善。
・労働需要は依然として利用可能な労働者の供給を上回っている。
・利下げへの自信を得るには思ったより時間がかかる。
・短期インフレ期待が高まっている。
・次の利上げの可能性は低い。
・その信頼が得られれば、利下げも視野に入る。
・年内にインフレが低下すると予想。
・いつ利下げに踏み切れるかわからない。
・インフレデータが何らかのシグナルを示す時点で。
・利下げの道と、利下げをしない道がある。
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<明日の材料と事前予想>
【豪州】
貿易収支(3月)10:30
予想 N/A 前回 72.8億豪ドル
【ユーロ圏】
ドイツ製造業PMI(確報値)(4月)16:55
予想 42.2 前回 42.2
ユーロ圏製造業PMI(確報値)(4月)17:00
予想 45.6 前回 45.6
【米国】
非農業部門労働生産性指数(速報値)(第1四半期)21:30
予想 1.5% 前回 3.2%(前期比)
単位労働費用
予想 2.0% 前回 0.4%(前期比)
新規失業保険申請件数(04/21 - 04/27)21:30
予想 21.0万件 前回 20.7万件
製造業新規受注(3月)23:00
予想 2.1% 前回 1.4%(前月比)
耐久財受注(確報値)(3月)23:00
予想 2.6% 前回 2.6%(前月比)
予想 0.2% 前回 0.2%(輸送除くコア・前月比)
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 きょうのNY為替市場、午後のFOMCの結果発表とパウエル議長の会見を受けて、
為替市場はドル売りの反応が見られた。警戒したほどタカ派ではなかった印象となった
ようだ。特にパウエル議長の会見では、年内のインフレ低下の可能性に言及したほか、
「利下げの道と、利下げをしない道がある」と利上げの可能性は否定していた。
 これらを受けて短期金融市場では、年内1回もしくは2回の利下げの可能性を温存。
パウエル議長の会見前は2回の可能性はかなり低かったが、会見後は40%程度に上昇
させている。年内に0.35%ポイントの利下げを織り込む動き。
 パウエル議長の会見を受けてドル円も戻り売りが強まっていたが、下値では押し目買
いも活発に入っていた。しかし、終了間際になって急速に円買いが見られ、153円付
近まで一気に急落している。特に急速に売られる材料は見当たらない。介入かどうかは
不明。
 なお、FRBはバランスシートの政策変更を発表した。これまで月額600億ドルを
上限としていた米国債の償還分の再投資停止を250億ドルにペースを縮小すると発
表。一方、350億ドルのMBSはそのまま維持した。市場はそれぞれ半分に縮小する
と見られていたが、それよりは合計の縮小幅は小さい。ただ、米国債については予想以
上となったことから、その点ではハト派な印象も出ていたようだ。6月に開始するとし
ている。
 ユーロドルは1.07ドル台に上昇。一時1.0650ドル近辺まで下落していたも
のの、FOMCを受けて買い戻されている。ただ、21日線が上値抵抗となっており、
その水準では上値を止められていた。
 市場はECBの6月利下げを確実視しており、ECB理事も追認しているものの、そ
れ以降については追加利下げに慎重な見解も出ている。ECBはFRBとのデカップリ
ングを強調しているが、ECB単独で利下げを進めて行くのは難しいのではとの指摘も
少なくないようだ。
 ポンドドルは1.25ドル台に戻す動き。ポンドドルは前日の下げで200日線で上
値を止められた格好となっているが、いまのところは4月下旬以降のリバウンド相場を
継続している。
 英住宅ローン金利上昇が英住宅需要を制限する可能性が高いとの指摘が出ている。本
日は英住宅価格調査会社ネイションワイドが4月の住宅価格調査を公表していが、前月
比0.4%下落し、前年比でも前回の1.6%から僅か0.6%の伸びに鈍化した。
 エコノミストからは、住宅ローン金利は今後数カ月間は4月の水準前後で推移するこ
とから、需要は抑制されるものと思われる。英中銀が予想以上に利下げを行った場合、
住宅ローン金利は年末までに4%強まで低下し、それに伴って住宅価格は前年比3%上
昇すると予想しているという。
MINKABU PRESS