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2024年05月01日(水)05時33分

NY外為市況=157円台後半に戻す

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日本時間午前5時32分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  157.82 + 1.47 (+ 0.94%) 157.82 / 156.07
ユーロ・ドル 1.0670 - 0.0051 (- 0.48%) 1.0735 / 1.0670
ポンド・ドル 1.2493 - 0.0070 (- 0.56%) 1.2564 / 1.2492
ドル・スイス 0.9192 + 0.0088 (+ 0.97%) 0.9195 / 0.9099
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<きょうの材料>
※経済指標
【米国】
*雇用コスト指数(2024年 第1四半期)21:30
結果 1.2%
予想 1.0% 前回 0.9%(前期比)
住宅価格指数(2月)22:00
結果 1.2%
予想 0.1% 前回 -0.1%(前月比)
シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(4月)22:45
結果 37.9
予想 45.1 前回 41.4
コンファレンスボード消費者信頼感指数(4月)23:00
結果 97.0
予想 104.0 前回 103.1(104.7から修正)
【カナダ】
実質GDP(2月)21:30
結果 0.2%
予想 0.3% 前回 0.5%(0.6%から修正)(前月比)
結果 0.8%
予想 1.1% 前回 0.9%(前年比)
※発言・ニュース
*イエレン米財務長官
・財政赤字の行き先を懸念。
・財政赤字削減のために重要な措置が必要。
・中国への鉄鋼関税引き上げは適切。
・社会保障の給付を維持拡大する必要。
*ビルロワドガロー仏中銀総裁
・今朝、経済界から心強いニュースが飛び込んできた。
・インフレデータは目標達成への自信を高める。
・ECBは6月上旬から利下げを開始できる。
・ECBの利下げは現実的なものになる。
・その後の利下げペースはインフレ見通し次第。
・毎月のインフレデータは多少変動する可能性。
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<明日の材料と事前予想>
【NZ】
失業率(第1四半期)07:45
予想 4.1% 前回 4.0%
雇用者数増減
予想 0.4% 前回 0.4%(前期比)
【英国】
ネーションワイド住宅価格指数(4月)15:00
予想 0.1% 前回 -0.2%(前月比)
予想 1.2% 前回 1.6%(前年比)
製造業PMI(確報値)(4月)17:30
予想 48.7 前回 48.7
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(04/20 - 04/26)20:00
予想 N/A 前回 -2.7%(前週比)
ADP雇用者数(4月)21:15
予想 18.0万人 前回 18.4万人(前月比)
製造業PMI(確報値)(4月)22:45
予想 49.9 前回 49.9
建設支出(3月)23:00
予想 0.2% 前回 -0.3%(前月比)
JOLTS求人件数(3月)23:00
予想 868.0万人 前回 875.6万人
ISM製造業景気指数(4月)23:00
予想 50.1 前回 50.3
FOMC(5月)2日3:00
予想 5.25~5.50% 前回 5.25~5.50%
パウエル議長会見 2日3:30頃
米四半期定例入札発表
労働節で中国市場は休場(3日まで)
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 きょうのNY為替市場、この日発表の第1四半期の米雇用コスト指数(ECI)が予
想を上回ったことから、ドル買いが優勢となった。ECIはFRBが重視している指標
ともされており、米国債利回りも上昇。きょうからFOMCが始まり、明日結果が発表
されるが、FRBのタカ派姿勢が見込まれる内容ではあった。月末要因のドル買い戻し
も出ていた模様。
 ドル円は前日の急落から買い戻しが出て157円台後半まで戻した。前日は財務省に
よる介入観測もあり、一時160円台を付けていたドル円は154円台まで急落する場
面も見られたが、投資家の上値追い意欲は続いており、押し目買いが活発に出るよう
だ。160円台を再度試す流れは続いているものと思われる。なお、日銀当座預金の見
通しから、29日に財務省は約5.5兆円の為替介入を実施した可能性が示唆されてい
た。
 FOMCだが、今回は金利据え置きが確実視されており、声明やパウエル議長の会見
が注目される。第1四半期のインフレ指標が依然粘着性を示したことから、FRBはタ
カ派な雰囲気を強調するものと考えられている。年内の利下げ観測は否定しないものの
「インフレ低下を確信させるデータが必要」との認識をさらに強調する可能性がありそ
うだ。市場は年内1回か2回まで利下げ期待を低下させているが、それを正当化する内
容になると見られている。
 ただ、それ自体もある程度織り込み済みの中、一部からはバランスシートの政策変更
に注目との指摘が出ている。FRBは現在、月額600億ドルの米国債と350億ドル
のMBSの償還金の再投資を見送ることで量的引締め(QT)を実施している。FRB
はそのQTのペースを縮小させたい意向を示しており、6月か7月以降、月間のQTの
ペースを概ね現在の約半分にするとの見方も出ているようだ。
 ユーロドルは1.06ドル台に値を落とした。21日線が強い上値抵抗となっている
模様で、本日は1.0725ドル付近に来ているが、上値を拒まれている。ただ、今月
半ばからのリバウンド相場を崩す動きには至っていない。
 本日は第1四半期のユーロ圏GDP速報値と4月の消費者物価指数(HICP)速報
値が発表になっていた。GDPはドイツとフランスが前期比0.2%増、イタリアが
0.3%増、スペインが0.7%増となったことで、予想を上回る0.3%増となり景
気後退を脱した。一方、HICPは、予想は上回っていたものの、コア指数とサービス
インフレの低下が確認されている。
 これらを受けてエコノミストは、ECBが6月利下げ開始のダイヤルを戻すことはな
いと指摘している。本日はビルロワドガロー仏中銀総裁も同様の趣旨の発言を行ってい
た。一方で同エコノミストは、ユーロ圏の景気拡大は今年一杯は緩やかなペースに留ま
ると予想。第1四半期の改善の一部は建設業の回復などの一時的要因によるところも大
きいという。
 ポンドドルは戻り売りに押され、一時1.25ドルを割り込む場面も見られた。20
0日線に跳ね返された格好となっており上値を抑えられている。
 英中銀がこの日公表した3月調査によると、英民間企業(金融除く)の純借入は10
2億ポンドと、純社債発行の増加に牽引され、2020年5月以来の高水準に急増し
た。しかしエコノミストからは、英企業の借入れは第2四半期中には落ち着く見込みだ
との指摘が出ている。今年の企業の設備投資は増加どころか、安定的に推移すると考え
られるという。
MINKABU PRESS