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2024年04月30日(火)05時35分

NY外為市況=介入観測でドル円急落

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日本時間午前5時34分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  156.16 - 2.17 (- 1.37%) 160.17 / 154.54
ユーロ・ドル 1.0722 + 0.0029 (+ 0.27%) 1.0734 / 1.0687
ポンド・ドル 1.2563 + 0.0070 (+ 0.56%) 1.2570 / 1.2480
ドル・スイス 0.9104 - 0.0038 (- 0.42%) 0.9152 / 0.9088
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<きょうの材料>
主な経済指標の発表無し
*クノット・オランダ中銀総裁
・ECBは6月利下げ後も慎重な姿勢で臨むべき。
・6月以降の理事会についてコメントするのは時期尚早。
・四半期ごとの賃金データが政策調整のカギ。
・米国のインフレ経験は警戒の必要性を示す。
*デギンドスECB副総裁
・インフレ対策はまだ必要。
・インフレに関しては正しい方向に向かっている。
・サービスインフレの鈍化は止まった。
・インフレは来月も現在の水準付近で変動するだろう。
・賃金上昇に緩和の兆し。
・2%の物価目標は2025年に達成されるが、相当なリスクもある。
・地政学的状況がインフレ上昇リスクをもたらす。
・経済活動は徐々に改善している
・個人消費は強まる。
・成長見通しに対するリスクは高まっており、下向きに傾斜している。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
完全失業率(3月)08:30
予想 2.6% 前回 2.6%
有効求人倍率
予想 1.26倍 前回 1.26倍
鉱工業生産(速報値)(3月)08:50
予想 3.1% 前回 -0.6%(前月比)
予想 -4.6% 前回 -3.9%(前年比)
【中国】
製造業PMI(4月)10:30
予想 50.3 前回 50.8
非製造業PMI(4月)10:30
予想 52.2 前回 53.0
【豪州】
小売売上高(3月)10:30
予想 0.3% 前回 0.3%(前月比)
【ユーロ圏】
フランス実質GDP(速報値)(第1四半期)14:30
予想 0.1% 前回 0.1%(前期比)
予想 0.7% 前回 0.7%(前年比)
ドイツ失業率(4月)16:55
予想 5.9% 前回 5.9%
失業者数増減
予想 0.8万人 前回 0.4万人
ユーロ圏実質GDP(速報値)(第1四半期)18:00
予想 0.2% 前回 0.0%(前期比)
予想 0.2% 前回 0.1%(前年比)
【米国】
雇用コスト指数(2024年 第1四半期)21:30
予想 1.0% 前回 0.9%(前期比)
住宅価格指数(2月)22:00
予想 0.1% 前回 -0.1%(前月比)
S&Pケースシラー住宅価格(20都市)(2月)22:00
予想 6.70% 前回 6.59%(前年比)
シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(4月)22:45
予想 45.1 前回 41.4
コンファレンスボード消費者信頼感指数(4月)23:00
予想 104.0 前回 104.7
英中銀資産購入ファシリティー(APF)に関する四半期報告
FOMC始まる(~1日)
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 きょうのドル円は急落。休日上げ早朝のアジア時間に160円台を瞬間的につける場
面が見られたが、大型連休で東京勢が休みの中、ドル円は断続的に下落し、一時154
円台まで急落する場面が見られた。先週のあまりに急ピッチな上げに、さすがに高値警
戒感も出ており、何かをきっかけに下げ易い状況にはあった。NY時間に入って156
円台に下げ渋ったものの、上値追いの動きは一旦止まっている。
 財務省の介入観測が出ており、一部報道では介入を実施したと伝えていたが、有無は
定かではない。明日30日の夜に財務省から介入実績を示す外国為替平衡操作が公表さ
れるが、今回は3月28日ー4月25日分までで、本日分については5月31日の公表
になる。市場と財務省の心理戦の中、それもそれで思惑となるのであろう。
 財務省が介入したと仮定すれば、水曜日のFOMCの結果発表を前に現段階で160
円は許容しない姿勢に布石を打ったのかもしれない。
 ユーロドルはNY時間にかけて伸び悩む動きを見せ、一時1.06ドル台に下落する
場面も見られた。しかし、底堅さも維持しており、本日の21日線に顔合わせしてい
る。今月中旬以降リバウンド相場の気配が出ているものの、なお上値に慎重な雰囲気も
見られている。
 本日はドイツの4月の消費者物価指数(HICP)速報値が発表になっていたが、前
年比2.4%と予想を若干上回っていた。とは言え、着実に2%目標に接近している。
しかし一部からは、ドイツのHICPはECBの仕事を複雑にする可能性があるとの指
摘が出ている。
 エネルギー価格の低下が弱まり、食品インフレが再び上昇に転じる中、ドイツ経済の
回復とサプライチェーンの混乱が今後インフレを押し上げるリスクがあるという。EC
Bの2%目標到達は容易ではなく、インフレは2%へ一直線に低下というよりは、2-
3%の間での推移がしばらく続くと見ているようだ。
*ドイツ消費者物価指数(速報)(4月)21:00
結果 0.5%
予想 0.6% 前回 0.4%(前月比)
結果 2.2%
予想 2.3% 前回 2.2%(前年比)
*調和消費者物価指数(HICP)
結果 0.6%
予想 0.7% 前回 0.6%(前月比)
結果 2.4%
予想 2.3% 前回 2.3%(前年比)
 ポンドドルは買い戻しが続き、一時1.2570ドル付近まで上昇。200日線を回
復している。一部からは、英中銀の利下げはまだ遠そうとの声も出ているようだ。完全
雇用と長引くインフレ圧力の中、英経済は昨年後半のリセッション(景気後退)から回
復が見込まれており、英中銀は金利を相対的に高水準に維持し、最近のポンド高を継続
させる可能性が高いという。先週の4月PMIのポジティブ・サプライズも英中銀の9
月までの利下げの可能性をさらに低くしたとしている。
 短期金融市場では8月利下げの見方がまだ優勢だが、年内は緩やかなペースで利下げ
に留まる見通しだという。
MINKABU PRESS