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2024年04月26日(金)05時30分

NY外為市況=155円台での推移続く

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日本時間午前5時29分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  155.64 + 0.29 (+ 0.19%) 155.75 / 155.20
ユーロ・ドル 1.0730 + 0.0031 (+ 0.29%) 1.0739 / 1.0678
ポンド・ドル 1.2511 + 0.0047 (+ 0.38%) 1.2524 / 1.2455
ドル・スイス 0.9123 - 0.0028 (- 0.31%) 0.9157 / 0.9117
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<きょうの材料>
【米国】
*GDP(速報値)(第1四半期)(年率換算)21:30
結果 1.6%
予想 2.5% 前回 3.4%
*個人消費
結果 2.5%
予想 2.9% 前回 3.3%
*GDPデフレータ
結果 3.1%
予想 3.1% 前回 1.6%
*PCEコアデフレータ
結果 3.7%
予想 3.5% 前回 2.0%
*新規失業保険申請件数(04/14 - 04/20)21:30
結果 20.7万件
予想 21.4万件 前回 21.2万件
*米7年債入札結果
最高落札利回り 4.716%(WI:4.716%)
応札倍率    2.48倍(前回:2.61倍)
*イエレン米財務長官
・為替介入は稀な場合のみであるべき。
*グールスビー・シカゴ連銀総裁
 ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)がグールスビー・シカゴ連銀総裁のブラ
ックアウト前の先週のインタビューを伝え、想定を上回るインフレ指標が相次いだた
め、FRBはスタンスを再調整する必要があると語った。
*日銀、国債購入の規模縮小措置を検討と伝わる
 日銀は明日開く決定会合2日目の議論で、国債買い入れ縮小の方法を検討すると、時
事通信が報じた。縮小すれば、日銀が保有する国債の償還ペースは新規買い入れを上回
ることになりそうで、国債保有残高を減らしていく事実上の量的引き締め局面へ移行す
ると報じている。時間的な枠組みについては報道では触れていない。
*パネッタECB専務理事
・ECBは2025年まで制限的な姿勢を維持する可能性が高い。
・小幅利下げでも弱い需要に対抗し得る。
・将来の超低金利を避けるためには利下げが必要。
・時宜を得た行動により、小幅かつ漸進的な利下げを可能にする。
・ECBとFRBのデカップリングはいまのところ特に重要ではない。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
日銀決定会合(4月)時刻未定
予想 0.0~0.1% 前回 0.0~0.1%
展望リポート公表
植田日銀総裁会見 15:30頃
東京消費者物価指数(4月)08:30
予想 2.2% 前回 2.4%(生鮮食料品除くコア・前年比)
【英国】
GfK消費者信頼感調査(4月)08:01
予想 -19 前回 -21
【米国】
個人所得(3月)21:30
予想 0.6% 前回 0.3%(前月比)
個人支出
予想 0.6% 前回 0.8%(前月比)
PCEデフレータ(3月)21:30
予想 0.4% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.6% 前回 2.5%(前年比)
予想 0.4% 前回 0.3%(コア・前月比)
予想 2.7% 前回 2.8%(コア・前年比)
ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(4月)23:00
予想 77.9 前回 77.9
ECB消費者インフレ期待(3月)
ジョルダン・スイス中銀総裁が講演
センテノ・ポルトガル中銀総裁が講演
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 きょうのNY為替市場、ドル円は155円台での上値追いが続いている。この日発表
の第1四半期の米GDP速報値は年率換算で前期比1.6%増に鈍化した。予想も下回
り、ほぼ2年ぶりの低水準に落ち込んだ。貿易赤字拡大が2022年以降で最大のマイ
ナス寄与となったほか、成長エンジンである個人消費が予想を下回る2.5%増となっ
た。
 ただ、為替市場の反応はドル買い。景気の落ち着きを示す内容ではあったが、インフ
レは不快な水準に跳ね上がっており、PCEコアデフレータは3.7%と四半期として
は1年ぶりの水準に伸びが加速したことがドル買いの反応に繋がっている。
 今回の数字は年初の米経済の勢いが顕著に失われたことを示した。ただ、依然として
粘り強いインフレが見られることで、FRBは利下げをさらに延期し、逆に利上げを検
討するよう求められる圧力に直面するかもしれないとの指摘も出ている。年内の利下げ
を確信をもって織り込めない状況になっているようだ。

 明日の日銀決定会合の結果待ちの雰囲気もあった。今回は展望レポートも公表され、
インフレ見通しの上方修正は期待されているようだ。日銀が将来の引き締めの可能性を
ほのめかし、円買いを誘導するといった見方も一部には出ているが、日銀が細かい策を
労しても、財務省が介入しても、ドル円の下落は恐らく一時的と見られている。きょう
の米GDPからも、しばらく潮の流れは変わりそうにない。なお、NY時間に日銀が明
日開く決定会合2日目の議論で、国債買い入れ縮小の方法を検討するとの報道が流れて
いた。しかし、円を買い戻す動きは見られなかった。
 ユーロドルは米GDPで一旦1.06ドル台に値を落としたものの、動きが一巡する
と1.07ドル台に戻す展開となった。このところのユーロドルは下値が固くなって来
ているのか、きょうもその気配を見せている。
 市場はECBの6月利下げをほぼ確実視しており、ECB理事もその見方を追認して
いる。しかし、その先については不透明感も台頭しているようだ。きょうはシュナーベ
ルECB専務理事の発言が伝わっていたが、ユーロ圏は賃金に牽引されるサービス価格
が依然として大きな課題で、2%目標への道のりは険しいと述べていた。
 これまでのインフレ低下の道筋の初期は予想を上回る速さだったが、大部分はエネル
ギーや食品などの低下によるものであった。一方、他のインフレはなお持続的であるこ
とが証明され、特にサービスインフレには懸念が残っており、注意深く見守る必要があ
ると述べた。ラストワンマイルはかなり険しいというのがコンセンサスになっていると
も語っていた。
 ポンドドルも1.2460ドル近辺に下落したものの、売りが一巡すると1.25ド
ル台に買い戻されている。英中銀の利下げ期待が台頭する中で、ポンドドルが本格的な
リバウンド相場になるかは未知数だが、本日は21日線付近まで一時買い戻されてお
り、目先は本日1.2560ドル付近に来ている200日線を試しに行くか注目の展開
が見られている。
 インフレは4月分のデータから急速な低下が見込まれている一方、前日の英PMIの
データで、景気については回復が見込まれているようだ。
MINKABU PRESS