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2024年06月22日(土)05時40分

NY外為市況=160円うかがう展開

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日本時間午前5時38分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  159.72 + 0.79 (+ 0.50%) 159.73 / 158.67
ユーロ・ドル 1.0694 - 0.0008 (- 0.07%) 1.0721 / 1.0671
ポンド・ドル 1.2648 - 0.0009 (- 0.07%) 1.2675 / 1.2623
ドル・スイス 0.8943 + 0.0029 (+ 0.33%) 0.8945 / 0.8905
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<きょうの材料>
【米国】
製造業PMI(速報値)(6月)22:45
結果 51.7
予想 51.0 前回 51.3
非製造業PMI
結果 55.1
予想 53.4 前回 54.8
コンポジットPMI
結果 54.6
予想 53.5 前回 54.5
景気先行指数(5月)23:00
結果 -0.5%
予想 -0.3% 前回 -0.6%(前月比)
中古住宅販売件数(5月)23:00
結果 411万件
予想 408万件 前回 414万件
【カナダ】
小売売上高(4月)21:30
結果 0.7%
予想 1.0% 前回 -0.3%(-0.2%から修正)(前月比)
結果 1.8%
予想 0.5% 前回 -0.8%(-0.6%から修正)(コア・前月比)
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<月曜日の材料と事前予想>
【ユーロ圏】
ドイツIfo景況感指数(6月)17:00
予想 89.4 前回 89.3
日銀国債買い入れオペ(1-3年、3-5年、5-10年)
マックレム加中銀総裁が講演
ウォラーFRB理事が国際中央銀行年次研究会議開会挨拶
デイリー・サンフランシスコ連銀総裁が米経済および金融政策について講演(質疑応答
あり)
EU外相理事会
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 きょうのNY為替市場、6月調査の米PMIが製造業、非製造業とも予想を上回った
ことをきっかけにドル円は買いが加速し、159.70円付近まで上げ幅を伸ばした。
指標発表直後はドル買いの反応だったが、次第に円安の動きがドル円を押し上げてい
る。ユーロ円、ポンド円といったクロス円も上昇。
 再び160円を試しそうな気配となったが、同時に財務省の介入警戒感も高まる。今
回の上昇は緩やかな動きで、財務省が言う「過度な変動」にはあたりそうもない。前回
は160円を超えたところで介入を実施してきたが、一部からは、現在の緩やかな上昇
であれば165円までは口先介入に留まるのではとの見方も出ている。
 本日は日本の全国消費者物価指数(CPI)が公表されていたが、エネルギー価格上
昇で総合、コアとも前回よりも上昇。再エネ賦課金の単価引き上げの影響で電気代が1
4.7%上昇したことが影響した。ただ、エネルギー、食品を除いたコアコア指数は前
年比2.1%に鈍化しており、インフレ目標に接近している。なお、電気代については
岸田首相が今国会閉会後の会見で、電気・ガス料金の負担軽減策を8月から3カ月間行
うと表明。エネルギー価格の上昇は短期間ではあるが落ち着きそうな気配もあり、それ
がインフレにどう影響するか注目される。
 一方、6月に定額減税が実施され、給与所得者は所得税の税額控除が実施されたほ
か、住民税が6月分は徴収されなかった。住民税は前年の所得から算出した既定の年額
から定額減税分を差し引いた額を11カ月分に均等割で7月から課税される。
 6月は見た目の手取り額がかなり上がった給与所得者も多いと思われるが、その影響
が消費にどう出るのか、日銀がどう判断するかも注目されるところではある。日銀は7
月に国債購入減額の具体策を打ち出すものと思われるが、目まぐるしい政策変更の中
で、海外勢中心に期待が高まっている利上げについては未知数の部分も多そうだ。
 きょうのユーロドルは上値の重い展開が見られ、1.06ドル台での推移となってい
る。ロンドン時間に発表になった6月調査のユーロ圏PMI速報値が予想を下回ったこ
とがユーロを圧迫している。
 エコノミストからは「総選挙を巡る不透明感からフランスの6月の新規受注が減少
し、ユーロ圏の景気回復の足かせとなった。近く実施される総選挙への不透明感から、
フランス企業は失速し、より厳しい状況を恐れている」との指摘も出ている。
 一旦落ち着いていたフランス国債も売りが続いており、利回りが上昇している。ドイ
ツとフランスの10年債の利回り格差は2012年以来の水準まで拡大し、フランスの
政治情勢への不透明感が引き続きユーロの上値も圧迫しているようだ。
 きょうのポンドドルは戻り売りが優勢となっており、1.26ドル台前半まで一時下
落した。100日線が1.2640ドル付近に来ているが、本日の下げでその水準に顔
合わせしている展開。前日の英中銀金融政策委員会(MPC)を受けて、市場には利下
げ期待が広がっておりポンドを下押ししている。
 きょうは5月の英小売売上高が発表になっていたが、前月比2.9%増と予想を上回
る増加となっていた。しかし、ポンドに更なる下落余地があるとの見方に変化はなく、
好調な英小売売上高も冷静に受け止めたようだ。ポンドドルは1.25ドルに向かって
下落する余地があるとの見方も出ているが、200日線が1.25ドル台半ばに来てお
り、下値メドとして意識される。
MINKABU PRESS