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2025年10月31日(金)05時34分

NY外為市況=154円台に急上昇

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日本時間午前5時33分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  154.07 + 1.34 (+ 0.88%) 154.45 / 152.16
ユーロ・ドル 1.1569 - 0.0032 (- 0.28%) 1.1637 / 1.1547
ポンド・ドル 1.3152 - 0.0042 (- 0.32%) 1.3219 / 1.3117
ドル・スイス 0.8018 + 0.0019 (+ 0.24%) 0.8037 / 0.7976
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<きょうの材料>
【ユーロ圏】
独消費者物価指数(速報)(10月)22:00
結果 0.3%
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
結果 2.3%
予想 2.2% 前回 2.4%(前年比)
調和消費者物価指数(HICP)
結果 0.3%
予想 0.2% 前回 0.2%(前月比)
結果 2.3%
予想 2.2% 前回 2.4%(前年比)
*ECB中銀預金金利 22:15
結果 2.00%
予想 2.00% 前回 2.00%
*次期FRB議長の人選、クリスマスまでに明らかに
 ベッセント財務長官がFOXビジネスに出演し、FRB議長人事について、「面談の
第2弾を実施する予定だ。感謝祭明けの12月初旬には、候補者リストを大統領に提示
できると思う」と述べた。「最終決定は大統領が下すことになる。クリスマスまでには
指名候補が固まる見通しだ」と付け加えた。
*ラガルドECB総裁
・製造業は高関税とユーロ高で足かせ。
・外需と内需の乖離は継続。
・防衛分野の政府支出が投資を支える。
・コアインフレは2%目標と整合。
・関税の完全な影響は時間の経過とともに明らかに。
・デジタルユーロ規制を迅速に導入すべき。
・賃金トラッカーは25年、26年前半にかけて賃金上昇の鈍化を示唆。
・米貿易合意と停戦が下振れリスクを緩和。
・成長に対する下振れリスクの一部は緩和された。
・インフレ見通しは通常よりも不確実性が高い。
・ユーロ高がさらなるインフレ抑制要因となる可能性。
・世界貿易政策環境は依然として不安定。
・ECBは好位置にある。
・現時点での成長については、あまり不満はない。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
完全失業率(9月)08:30
予想 2.5% 前回 2.6%
有効求人倍率
予想 1.2倍 前回 1.2倍
東京消費者物価指数(10月)08:30
予想 2.6% 前回 2.5%(生鮮食料品除くコア・前年比)
鉱工業生産(速報値)(9月)08:50
予想 1.3% 前回 -1.5%(前月比)
予想 2.4% 前回 -1.6%(前年比)
【豪州】
生産者物価指数(PPI)(第3四半期)09:30
予想 N/A 前回 0.7%(前期比)
予想 N/A 前回 3.4%(前年比)
【中国】
製造業PMI(10月)10:30
予想 49.7 前回 49.8
サービス業PMI(10月)10:30
予想 50.3 前回 50.0
【ユーロ圏】
ドイツ小売売上高(9月)16:00
予想 0.4% 前回 -0.2%(前月比)
予想 N/A 前回 -1.1%(前年比)
ユーロ圏消費者物価指数(HICP・概算値速報)(10月)19:00
予想 0.2% 前回 0.1%(前月比)
予想 2.2% 前回 2.2%(前年比)
予想 2.4% 前回 2.4%(コア・前年比)
【英国】
ネーションワイド住宅価格指数(10月)16:00
予想 N/A 前回 0.5%(前月比)
予想 N/A 前回 2.2%(前年比)
【米国】
シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(10月)22:45
予想 41.8 前回 40.6
日銀国債買い入れ日程(11月)
ECB専門家予測調査
ローガン・ダラス連銀総裁が会議出席(質疑応答なし)
ハマック・クリーブランド連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁が討論会出席
APEC首脳会議(韓国、11月1日まで)
APEC CEOサミット最終日(韓国)エヌビディアのファンCEO登壇
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 きょうのNY為替市場、ドル円は154円台に急上昇した。円安が加速したほか、ド
ル高の動きも加わり、ドル円は高市トレードの高値153.25円付近を突破。ストッ
プを巻き込んで一気に2月以来の高値154.45円付近まで駆け上がっている。
 日銀決定会合後の植田総裁の会見が慎重な色彩が強かったことで、市場では12月利
上げへの期待が後退しており、早くても1月という見方が有力視されている。短期金融
市場での年内利上げの確率は45%前後。
 一方、前日のパウエル議長の会見でFRBの12月の追加利下げ期待にも不透明感が
増す中、日米金利差の縮小は想定よりも緩やかとの観測から、円キャリートレードの加
速を期待した円売りが再び過熱している模様。
 ユーロドルは下値を切り下げ、1.15ドル台半ばまで下げ幅を拡大。100日線と
21日線を下放れる展開が見られ、早期に戻せないようであれば、7月末から8月初め
にサポートされた1.14ドルを試す展開になりそうな気配も出ている。一方、ユーロ
円は178円台後半まで一時上昇し、ユーロ発足以来の高値を更新。ユーロ安以上に円
安が優勢となり、ユーロ円を押し上げている。
 本日はECB理事会が開催され、大方の予想通りに3会合連続での据え置きとなっ
た。ラガルド総裁は会見で「コアインフレは2%目標と整合。成長に対する下振れリス
クの一部は緩和された」と述べていた。「ECBは現在、好位置にある」とも述べ、い
まは追加の行動は不必要との認識を示唆している。
 市場ではECBの利下げサイクルは終了との認識が広がっており、その見方を再確認
する内容ではあった。
 ポンドドルも下値をさらに切り下げ、1.31ドル台まで下げ幅を拡大。200日線
を完全に下放れる展開が見られており、本日は8月に付けた年初来安値に顔合わせする
展開。早期に200日線の水準まで戻せないようであれば、大きな下向きの流れに回帰
する。一方、ポンド円は反転し、一時203円台まで買い戻される展開。目先は今週上
値を抑えられた204円台前半まで戻せるか注目といったところ。
 米大手証券のエコノミストは、英中銀が来週の金融政策委員会(MPC)での利下げ
予想を再び示している。市場のコンセンサスは据え置きを有力視しており、利下げの確
率は25%程度にしか見ていない。先週発表の9月の英消費者物価指数(CPI)は
3.8%と予想に反して横ばいとなり、英中銀が予想していた4%も下回った。食料品
価格においては1年4カ月ぶりの下落となった。
 エコノミストは「総合的に判断すると、9月のMPC以降、主要指標が大きく弱含ん
でおり、来週の利下げは説得力あるシナリオ」と指摘。その上で、結果は接戦になる可
能性があるとも付け加えている。
MINKABU PRESS