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2024年04月25日(木)05時32分

NY外為市況=155円台に上昇

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日本時間午前5時32分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  155.35 + 0.52 (+ 0.34%) 155.37 / 154.73
ユーロ・ドル 1.0699 - 0.0002 (- 0.02%) 1.0714 / 1.0678
ポンド・ドル 1.2463 + 0.0014 (+ 0.11%) 1.2470 / 1.2423
ドル・スイス 0.9152 + 0.0032 (+ 0.35%) 0.9153 / 0.9114
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<きょうの材料>
【米国】
耐久財受注(速報値)(3月)21:30
結果 2.6%
予想 2.8% 前回 0.7%(1.3%から修正)(前月比)
結果 0.2%
予想 0.3% 前回 0.1%(0.3%から修正)(輸送除くコア・前月比)
*米週間石油在庫統計(バレル・前週比)23:30
原油 -636.8万(4億5999万)
ガソリン -63.4万(2億2738万)
留出油  +161.4万(1億1497万)
(クッシング地区)
原油 -65.9万(3303万)
*()は在庫総量
【カナダ】
小売売上高(2月)21:30
結果 -0.1%
予想 0.1% 前回 -0.3%(前月比)
結果 -0.3%
予想 -0.2% 前回 0.4%(0.5%から修正)(コア・前月比)
*バイデン大統領が法案に署名
 バイデン大統領は、上下両院で可決したウクライナ、イスラエル、台湾を含む対外援
助法案に署名した。セットで成立したTiktokの法案も成立した。大統領は「米国
は数時間以内にウクライナに防衛装備を送る」と述べた。
*カナダ中銀議事要旨
・利下げを正当化する時期について意見が分かれる。
・インフレ上昇リスクへの懸念を強めている。
・インフレの更なる進展を見込んでいるが、持続を望んでいる。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
景気先行指数(確報値)(2月)14:00
予想 111.8 前回 111.8
景気一致指数
予想 110.9 前回 110.9
【ユーロ圏】
ドイツGfK消費者信頼感調査(5月)15:00
予想 -25.5 前回 -27.4
【米国】
実質GDP(速報値)(第1四半期)(前期比年率)21:30
予想 2.5% 前回 3.4%
個人消費
予想 2.9% 前回 3.3%
GDPデフレータ
予想 3.1% 前回 1.6%
PCEコアデフレータ
予想 3.5% 前回 2.0%
卸売在庫(速報値)(3月)21:30
予想 0.2% 前回 0.5%(前月比)
新規失業保険申請件数(04/14 - 04/20)21:30
予想 21.4万件 前回 21.2万件
中古住宅販売成約指数(3月)23:00
予想 -0.4% 前回 1.6%(前月比)
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 きょうのNY為替市場でドル円は155円台に上昇。介入警戒感もある中で155円
台に入ると利益確定売りも出ていたが、ロング勢の上値追い意欲も根強く、155円台
を維持した。米国債利回りが上昇していたこともドル円をサポート。
 明日は第1四半期の米GDP速報値の発表があり、予想はプラス2.5%と、強かっ
た第4四半期からは伸び鈍化が見込まれているものの、個人消費はプラス3.0%が予
想されており、利下げ期待を遠のかせる力強い米経済を示すことが期待されているよう
だ。
 財務省による介入警戒感の中で、米GDPや金曜日のPCEデフレータを経て、ドル
円は155円台を固めて上にレベルシフトして行くのか注目される。
 先週の日米韓財務相会合で、「通貨安を巡る日本と韓国の深刻な懸念を認識しつつ為
替市場の動向に関して引き続き緊密に協議する」との共同声明を発表していた。G7財
務相会合でも、為替の過度な変動は経済に悪影響を与えるとしたコミットメントを再確
認。
 それらを受けて市場では、155円を超えると財務省がいつ介入してもおかしくない
との警戒感が広がっている。本日は介入が観測されていなかったが、明日以降の展開が
注目される。
 明日から日銀決定会合が開催され、金曜日に結果が発表されるが、日銀が将来の利上
げの可能性をほのめかし、円買いを誘導するといった見方も一部には出ているようだ。
ただ、日銀が細かい策を労しても、財務省が介入しても、ドル円の下落は恐らく一時に
なりそうだ。FRBの利下げ期待が復活しない限り、潮の流れは変わらない。
 いずれにしろ、いまは米国のインフレが本格的に落ち着くのを待つしかないようだ。
FRBも本音では利下げをしたがっているとの見方も出ている。高金利をあまり長期間
放置すると、景気が急速に失速する危険性があることや、金融機関および商用不動産の
信用状況も気掛かりなところではある。
 ユーロドルは戻り売りが優勢となり、一時1.06ドル台に値を落としたものの終盤
には買い戻された。ECBによる6月の利下げが確実視されているが、その後について
ナーゲル独連銀総裁が「金利軌道にコミットできない」との考えを示していた。
 この日は4月調査分のドイツIfo景況感指数が発表になっていたが、予想を上回っ
ていた。一部からは、前日のドイツPMIと伴に今週のドイツの景況感指標は、同国の
経済活動が底を打ったという明確な兆候が含まれているとの指摘が出ている。
 ドイツ経済はサービス部門によって支えられている一方、設備投資の低迷、建設業の
小康状態、輸出環境の低迷によって製造業はなお後退局面にある。それでも、消費者の
実質的な購買力と労働市場の回復力がサービス業を支え、利下げ期待と世界的な在庫動
向が製造業への期待を支えているという。そのため、年後半のドイツ経済は全体的に改
善するだろうと分析している。
 ポンドドルは1.24ドル台前半に一時値を落としたものの、終盤に買い戻される展
開となった。ただ、ここに来て英中銀の早期利下げ期待が高まっており、早ければ6月
との見方も出ている。市場での織り込みの確率は40%程度。8月であればほぼ完全に
織り込んでいる。
 利下げに前向きとも思われているベイリー総裁も、英中銀はFRBよりも先に利下げ
に踏み切る可能性を示唆していた。そのような中、ポンドドルの上値は依然重いよう
だ。
 前日に3月の英公共部門純借入額が発表になり、110億ポンドと予想を上回ってい
た。ただ、それにもかかわらず、英政府は減税を躊躇わない可能性があるとの指摘が出
ている。予想を上回る借入額はハント財務相の余力を奪うようだが、年内にも予定され
ている総選挙に向けて与党への支持獲得のために、今秋にも減税を発表する可能性があ
るという。
MINKABU PRESS