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2024年04月23日(火)05時42分

NY外為市況=154円台後半

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日本時間午前5時41分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  154.84 + 0.20 (+ 0.13%) 154.85 / 154.46
ユーロ・ドル 1.0654 - 0.0002 (- 0.02%) 1.0671 / 1.0624
ポンド・ドル 1.2354 - 0.0016 (- 0.13%) 1.2392 / 1.2300
ドル・スイス 0.9117 + 0.0015 (+ 0.16%) 0.9124 / 0.9086
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<きょうの材料>
主な米経済指標の発表はなし
*EU、TikTokに調査 簡易版アプリが違反疑い
 欧州委員会は、TikTokの簡易版アプリ「TikTokライト」について、違反
した場合に制裁金を科すEUのデジタルサービス法(DSA)に基づく正式な調査を開
始した。「TikTokライト」はアプリ上で動画を視聴したりフォローしたりするこ
とでポイントを獲得できる仕組みになっており、アマゾン<AMZN>のクーポンなどに交
換することができる。
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<明日の材料と事前予想>
【英国】
製造業PMI(速報値)(4月)17:30
予想 50.4 前回 50.3
サービス業PMI(速報値)(4月)17:30
予想 53.0 前回 53.1
【ユーロ圏】
ドイツ製造業PMI(速報値)(4月)16:30
予想 43.6 前回 41.9
ドイツ非製造業PMI(速報値)(4月)16:30
予想 50.1 前回 50.1
ユーロ圏製造業PMI(速報値)(4月)17:00
予想 46.7 前回 46.1
ユーロ圏非製造業PMI(速報値)(4月)17:00
予想 51.4 前回 51.5
【米国】
製造業PMI(速報値)(4月)22:45
予想 51.8 前回 51.9
非製造業PMI(速報値)
予想 52.2 前回 51.7
新築住宅販売件数(3月)23:00
予想 67.5万件 前回 66.2万件
日銀「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」
ハスケル英中銀委員が講演
ピル英中銀チーフエコノミストが講演
ナーゲル独連銀総裁が講演
米2年債入札
月例経済報告(4月)
中国全人代常務委員会(26日まで)
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 きょうのNY為替市場でドル円は154円台後半での推移が続いた。基本的な状況に
変化はなく、FRBの利下げ期待の後退からドル買いが下値を支える一方、財務省の介
入警戒感から155円台には慎重といった様子に変化はない。
 今週は日銀決定会合が予定されており、それへの反応を見極めたい雰囲気も出ている
ようだ。先週末に植田総裁が「緩和的な金融環境は当面継続するものの、国債買い入れ
はいずれ減額する」と述べたことにタカ派な印象が広がっている模様。市場からは「こ
れまでと同程度の買い入れを続ける」との文言が声明から削除されるのはとの観測も出
ているようだ。
 先週のワシントンでの日米韓やG7財務相を経て、155円台に介入警戒感からの心
理的な壁が形成されており、その水準に接近すると戻り売りも出るようだ。以前は15
2円に壁が形成されていたが、米消費者物価指数(CPI)をきっかけに突破してい
る。今回も何らかのイベントをきっかけに155円台を試す展開になると見ている投資
家も多く、下値を拾っているようだ。可能性のありそうなイベントとしては、目先は今
週の日銀決定会合や来週のFOMCがあるほか、指標では第1四半期の米GDP速報値
や週末のPECデフレータなどが注目されそうだ。
 それらの前に不用意に155円台への上昇を試すようであれば、財務省が出てくるか
もしれない。
 前半のユーロドルは緩やかな売りに押されたものの、後半には買い戻された。FRB
の利下げ期待が後退する一方で、市場はECBの6月利下げ開始を有力視しており、ユ
ーロドルの上値を重くしているが、1.06ドル付近は強い下値サポートとして機能し
ているようだ。
 市場はECBの利下げ期待を高めているが、ECB理事のセンテノ・ポルトガル中銀
総裁は年内に計1.00%ポイント以上の利下げを行う可能性があると述べていた。今
年中に利下げを行う可能性があるのかとのメディアからの質問に「その可能性はある。
3月に予想したよりも早く2%に到達する可能性があるからだ」と述べていた。
 「現時点でわれわれは2%に非常に近づいており、最初は一時的かもしれないが、今
後数カ月の間にインフレが持続的に2%を下回ると予測している。0.25%ポイント
の利下げを4回行ったとしても、金利は中立金利より高い」と述べた。短期金融市場で
は現在、年内3回の利下げが織り込まれている状況。
 ポンドドルは下げ幅を拡大する動きが続き、一時1.23ドルちょうど付近まで下落
した。ただ、後半には米株式市場に買い戻しが強まる中、1.23ドル台半ばまで下げ
渋っている。
 ただ、英中銀はFRBよりも利下げ開始が早いとの見方から、ポンドドルは売りが強
まっている。過熱感を測るテクニカル指標であるRSIが下げ過ぎである30を下回っ
てきており、さすがに過熱感は否めないものの、買戻しの機運はまだ出てきていない。
 米国のインフレに依然進展が見られず、経済も底堅く推移している一方、英インフレ
は依然高水準ではあるものの、来月発表の4月分から急速な低下が見込まれている。エ
ネルギー価格の大幅低下が確実視されているためだ。米国と英国の利下げサイクルに乖
離が予想される中、米英の利回り格差もさらに拡大が予想され、その傾向は続くことも
予想されている状況。
MINKABU PRESS