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2024年04月20日(土)05時41分

NY外為市況=元の位置に戻す

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日本時間午前5時40分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  154.65 + 0.01 (+ 0.01%) 154.67 / 153.59
ユーロ・ドル 1.0656 + 0.0013 (+ 0.12%) 1.0677 / 1.0611
ポンド・ドル 1.2369 - 0.0067 (- 0.54%) 1.2468 / 1.2367
ドル・スイス 0.9104 - 0.0019 (- 0.21%) 0.9131 / 0.9013
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<きょうの材料>
主な米経済指標の発表はなし
*グールズビー・シカゴ連銀総裁
・今年はこれまでのところインフレ面での進展が失速。
・動く前により明確になるのを待つのが理に適っている。
・ここ3カ月のインフレを否定することはできない。
・強いデータが過熱を示すかどうかを見極める必要。
・インフレを2%目標まで引き下げるには時間がかかる。
・FRBは再調整が必要でインフレについては様子見。
・今年のインフレと雇用のトレードオフは難しい
・住宅インフレに進展がなければ、2%達成は難しい。
・最近のインフレが過熱の兆候かはわからない。
*ラガルドECB総裁
 ラガルドECB総裁は利下げの可能性について従来の姿勢を改めて打ち出し、インフ
レには上振れと下振れの両方のリスクがあると強調した。上振れリスクとしては、地政
学的な緊張の高まりや賃金上昇の伸び加速、予想以上に底堅い企業利益などを挙げてい
る。一方、下振れリスクとしては、金融政策が予想を超えて需要を冷え込ませたり、他
地域の経済環境が予想外に悪化したりすることを指摘した。
*ラムスデン英中銀副総裁
・英インフレはもはや異常値ではない。
・ディスインフレのプロセスでぶつかる可能性はあるものの、米、英、ユーロ圏のイン
フレは低下している。
・インフレのリスクバランスは下降局面へ。
・インフレの持続性緩和に自信を深める。
・制限的政策スタンスはサービスインフレを低下させる。
・4月の英CPIは英国がEUに接近する可能性が高い。
*マクレム・カナダ中銀総裁
・インフレの進展を危うくする上昇リスクに警戒感。
・予測に対する全体的な下振れリスクは減少している。
・中東およびウクライナ戦争は世界経済に影を落とす。
・カナダ予算は財政軌道を大きく変えるものではなかった。
・原油価格の高騰を考慮に入れる。
・フリーランド財務相が予算で財政のガードレールを満たしたことは有益。
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<明日の材料と事前予想>
【英国】
ライトムーブ住宅価格(4月)08:01
予想 N/A 前回 1.5%(前月比)
予想 N/A 前回 0.8%(前年比)
【中国】
中国最優遇貸出金利(ローンプライムレート)(4月)10:15
予想 3.45% 前回 3.45%(1年)
予想 3.95% 前回 3.95%(5年)
【カナダ】
鉱工業製品価格(3月)21:30
予想 N/A 前回 0.7%(前月比)
原材料価格指数
予想 N/A 前回 2.1%(前月比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)(4月)23:00
予想 -14.2 前回 -14.9
EU外相理事会
米国・フィリピン年次合同軍事演習(5月10日まで)
マスク氏がインド訪問、モディ首相と会談予定(週内)
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 きょうのNY為替市場、ドル円は154.65円付近に戻している。イスラエルがイ
ランに対して報復攻撃を行ったとのニュースが東京時間に流れ、リスク回避の円買いで
ドル円は153円台に下落する場面が見られた。しかし、いまのところエスカレートは
していないようで、急伸していた原油相場も上げを戻したことから、ドル円も元の位置
に戻している。
 基本的な状況に変化はなく、FRBの利下げ期待の後退からドル買いがドル円の下値
を支える一方、財務省の介入警戒感から155円台には慎重といった様子。今週の日米
韓財務相会合やG7会合を経て、155円に心理的抵抗帯が形成させれている。
 ユーロドルは1.06ドル台半ばで維持。FRBとECBの金融政策格差が浮上する
中、ユーロドルの上値は重くなっているものの、いまのところ1.06ドルは下値サポ
ートとして機能している模様。
 ECBは6月に利下げしなければ、ビハインド・ザ・カーブに陥るリスクがあるとの
指摘が出ている。経済活動が過度に制限されるリスクが高まるため、ECBは次回の理
事会で利下げを実施する意向を強調している。大きなサプライズでもない限り、利下げ
を実施しそうな気配だ。ECBはユーロ圏のディスインフレ路線に十分な自信があり確
信も深まっている。
 ECBが利下げに踏み切るのが早過ぎたためにインフレ軌道に逆戻りのリスクもある
が、ビハインド・ザ・カーブに陥るという第2のリスクもあるという。それは経済活動
や雇用の面で高過ぎるコストを支払うことを意味する。
 ポンドドルはNY時間に入って再び売りに押され、1.23ドル台に下落。きょうは
3月の英小売売上高が発表になっていたが、前月比横ばいとなっていた。英消費者はイ
ンフレが和らいでも支出を控えていることが示されている。燃料の販売量が大幅に増加
し、天候の変化により衣料品の販売にも弾みがつくなど、一部のセクターには明るい兆
しも見られていた。しかし、全般的に英小売りセクターは低迷から抜け出せていない。
今回の数字は景気後退から脱却するどころか、経済が再び横ばいになっていることを示
唆しているとの声も出ていた。
 一方、1月、2月分は増加していたことから、1-3月のGDPにはプラスに寄与す
る可能性が高いとの指摘も出ている。データは今後数カ月で改善する見込みで、インフ
レに比べて賃金の伸びが速いこと、消費者信頼感の回復、個人消費に関する一部の指標
は改善を見せている点などを理由に挙げている。
MINKABU PRESS