経済ニュース

<< 一覧に戻る

2024年04月19日(金)05時34分

NY外為市況=154円台での推移が続く

--------------------------------------
日本時間午前5時33分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  154.66 + 0.27 (+ 0.17%) 154.68 / 153.96
ユーロ・ドル 1.0643 - 0.0030 (- 0.28%) 1.0690 / 1.0642
ポンド・ドル 1.2437 - 0.0017 (- 0.14%) 1.2485 / 1.2434
ドル・スイス 0.9122 + 0.0014 (+ 0.15%) 0.9125 / 0.9081
------------------------------------
<きょうの材料>
*フィラデルフィア連銀景況指数(4月)21:30
結果 15.5
予想 2.1 前回 3.2
*新規失業保険申請件数(04/07 - 04/13)21:30
結果 21.2万件
予想 21.5万件 前回 21.2万件(21.1万件から修正)
*景気先行指数(3月)23:00
結果 -0.3%
予想 -0.1% 前回 0.2%(0.1%から修正)(前月比)
*中古住宅販売件数(3月)23:00
結果 419万件
予想 418万件 前回 438万件
*鈴木財務相
・為替はG20の議題にはなかったので発言はしなかった。
・金利差だけで為替の水準は決まらない。
・ロシアの戦争を強く非難。
*植田日銀総裁
・米実体経済は引き続き強い。
・米経済は為替レートなどを通じて日本経済、物価に影響。
・3月の政策変更に関心持つ方は多かった。
・多くは3月の政策変更について混乱なく実施と評価。
*ウィリアムズNY連銀総裁
・利上げ基本シナリオでないが、指標が正当化するならあり得る。
・利下げの緊急性は感じていない。
*ボスティック・アトランタ連銀総裁
・年末まで利下げできる状況にはないだろう。
・インフレは高過ぎる。
・2%への道はまだ続いている。
・労働市場が持ちこたえる限り、金利を安定させることができる。
*ホルツマン・オーストリア中銀総裁
・FRBが利下げを躊躇すれば、ECBの利下げ幅は制限される。
・もし、FRBが利下げを行わなければ、ECBが今年3-4回の利下げを行うとは考
えられない。
・6月利下げは多数派になる可能性が高い。
・最初の利下げの可能性後も慎重姿勢を保つべき。
-----------------------------------
<明日の材料と事前予想>
【日本】
消費者物価指数(3月)08:30
予想 2.9% 前回 2.8%(前年比)
予想 2.7% 前回 2.8%(生鮮食料品除くコア・前年比)
【英国】
小売売上高(3月)15:00
予想 0.2% 前回 0.0%(前月比)
予想 0.9% 前回 -0.4%(前年比)
予想 0.4% 前回 0.2%(除自動車燃料・前月比)
予想 1.0% 前回 -0.5%(除自動車燃料・前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ生産者物価指数(3月)15:00
予想 0.0% 前回 -0.4%(前月比)
予想 -3.2% 前回 -4.1%(前年比)
植田日銀総裁がピーターソン国際経済研究所「最近の日銀の金融政策枠組みの変化」講

ナーゲル独連銀総裁がピーターソン国際経済研究所で講演
ラムスデン英中銀副総裁がピーターソン国際経済研究所「パンデミック後のインフレに
対する金融政策」講演
グールズビー・シカゴ連銀総裁が会議出席(質疑応答あり)
インド総選挙(6月1日まで)
-----------------------------------
 きょうのNY為替市場、ドル買いが再び強まる中、ドル円は154円台での底堅い推
移が続いている。ただ、155円には慎重も見られているようだ。きょうはウィリアム
ズNY連銀総裁の発言が伝わりドル買いを誘った。総裁は「利上げ基本シナリオでない
が、指標が正当化するならあり得る。利下げの緊急性は感じていない」と語っていた。
可能性は低いとしながらも利上げに言及したことに敏感に反応していたようだ。
 ただ、前日のG7および日米韓の財務相会合を受けて、市場は財務省による介入への
意識を高めている。G7声明では「2017年5月の為替相場についてのコミットメン
トを再確認する」との文言を踏襲した。為替の過度な変動や無秩序な動きは経済金融に
悪影響との文言。
 財務省が実弾介入を実施してくるかは未知数だが、前日の一連の動きで152円に引
き続き、今度は155円に心理的抵抗帯を形成させたことは間違いなさそうだ。また、
協調介入への思惑も一部では出ているようだ。ただ、為替操作国認定を行っている米国
が参加するとは考えられず、日韓での協調介入なら可能性があるとの見方も出ている。
ただ、今回はドル資産を売らなければならないので、韓国の効果は未知数。ユーロ圏や
英国が参加してくれれば、インパクトはかなりありそうだが、双方ともインフレは今後
低下して行くとの見通しを立てており、ECBは6月利下げのコンセンサスを形成して
いる状況。ここで自国通貨を押し上げてもあまり意味がなく、可能性は低いと思われて
いる。
 事実上、日本が単独介入を実施し、ドル円が下落したとしても、一時的に終わるとい
うのが市場の共通認識になっている。結局、米インフレが落ち着きを示し、FRBの利
下げサイクルが可視化できるまでは潮の流れは変わらない。155円への警戒感はある
ものの、市場は下値を拾っているようだ。
 ユーロドルはNY時間に入って再び戻り売りに押された。ロンドン時間に1.069
0ドル付近まで買い戻され1.07ドル台回復を試す動きも見られていたものの、上値
を抑えられた。きょうも複数のECB理事の発言が伝わっていたが、6月利下げでコン
センサスを固めているようだ。
 一方、6月に利下げを開始するものの、その後は市場が期待しているほどのペースで
利下げを実施できないのではとの見方も出ている。理由はFRBの利下げの遅延で、E
CBがFRBとデカップリングして利下げを進めることはないと主張している。本日は
ホルツマン・オーストリア中銀総裁の発言が伝わっていたが、「FRBが利下げを躊躇
すれば、ECBの利下げ幅は制限される」と述べていた。その場合、今年のECBの利
下げは限定的なものに留まるという。
 ポンドドルも上値重い展開が続き、1.24ドル台前半に下落。今週発表の英経済指
標を受けて市場は英中銀の利下げ期待を後退させており、8月か9月の利下げ開始が短
期金融市場でのコンセンサスとなっている。ただ、5月か6月との見方も根強い。年内
にも実施されると見られている英総選挙を考慮しているという。
 ベイリー英中銀総裁は前日に、英インフレは今後急速に低下するとの楽観的な見方を
示した。英中銀は第2四半期に目標の2%を下回り、その後、年後半に再び3%に向か
って上昇すると予想している。
MINKABU PRESS