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2024年04月18日(木)05時32分

NY外為市況=一時154円台前半に下落

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日本時間午前5時31分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  154.39 - 0.33 (- 0.21%) 154.73 / 154.16
ユーロ・ドル 1.0672 + 0.0053 (+ 0.50%) 1.0680 / 1.0606
ポンド・ドル 1.2455 + 0.0029 (+ 0.23%) 1.2482 / 1.2417
ドル・スイス 0.9103 - 0.0027 (- 0.30%) 0.9133 / 0.9094
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<きょうの材料>
※経済指標
主な米経済指標の発表はなし
※発言・ニュース
*米20年債入札結果
最高落札利回り 4.818%(WI:4.843%)
応札倍率    2.82倍(前回:2.79倍)
*米地区連銀報告
・米経済は2月以降に僅かに拡大。
・米消費者は依然として物価にかなり敏感。
・12連銀地区のうち10地区が僅かあるいは緩慢な成長を報告。
*日韓の自国通貨安を巡る懸念を米国も認識
・日本と韓国、自国通貨の下落を巡る懸念を認識。
・米国も認識、為替巡る日本と韓国の懸念。
*鈴木財務相
・日米韓の財務相会合で為替について意見交換をした。
・為替について日米での意思疎通を確認した。
・急速な円安、ウォン安についての認識を共有。
・為替で具体的にどういう対応をするかはコメント控える。
*神田財務官
・日米韓で円安、ウォン安への深刻な懸念を共有した。
・円安、ウォン安への認識共有は最近ではなかったこと。
・日米韓の財務相会合、次の日程は決まっていない。
・必要であれば適切な行動取るのは変わらない。
・具体的な措置は言及しない。手の内さらすことになる。
・足元の円安についての分析を述べるのは控えたい。
・あらゆる手段を排除せずということに尽きる。
・声明原文の「シリアス」、文字通り深刻な懸念の意。
*ラガルドECB総裁
 ラガルドECB総裁がワシントンで開かれた外交問題評議会に参加しており、欧州経
済は1年以上に渡って停滞に近い状態が続いてきたが、それは終わりに近づいていると
の認識を示した。「ユーロ圏の生産高は回復しつつあり、明らかに回復の兆しが見えて
いる」と語った。また、ラガルド総裁は為替について、特定の水準を目標としていない
が、非常に注意深く変動を見守っているとも述べた。「われわれは物価安定を第1義的
な目標とする単1の責務を持っているが、為替レートの変動がインフレに与える影響を
考慮しなければならないのは明らかだ。為替レートの変動は輸入インフレによってイン
フレに影響を与える可能性がある」と述べた。
*ナーゲル独連銀総裁
・6月利下げの可能性は高まった。
・ECBは独自に判断するが、域内への米国の影響はある。
・原油価格と賃金の動向はリスクの1つ。
*チポローネECB専務理事
・今年の景気回復の主役は消費。
・インフレは急速に低下している。
・ユーロ圏に景気回復の兆し。
・今年の景気回復の主役は消費。
・インフレは急速に低下している。
・サービスインフレは低迷している。
・インフレは来年、再び低下すると予想。
・ECBはデータに依存し、会合ごとに決定。
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<明日の材料と事前予想>
【豪州】
雇用者数増減(3月)10:30
予想 1.00万人 前回 11.65万人
失業率
予想 3.9% 前回 3.7%
【ユーロ圏】
ユーロ圏経常収支(2月)17:00
予想 N/A 前回 394億ユーロ(季調済)
【米国】
フィラデルフィア連銀景況指数(4月)21:30
予想 2.1 前回 3.2
新規失業保険申請件数(04/07 - 04/13)21:30
予想 21.5万件 前回 21.1万件
景気先行指数(3月)23:00
予想 -0.1% 前回 0.1%(前月比)
中古住宅販売件数(3月)23:00
予想 418万件 前回 438万件
日銀「金融システムリポート」(4月)
野口日銀審議委員が金融経済懇談会で挨拶
ボウマンFRB理事が討論会参加(質疑応答あり)
ウィリアムズNY連銀総裁が討論会参加(質疑応答あり)
ボスティック・アトランタ連銀総裁が講演
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 きょうのNY為替市場はドル買いが一服し、ドル円も154円台前半に値を落とし
た。ただ、しっかりと下値をサポートされている印象。昼になってドル円は売りが強ま
ったが、本日は日米韓の財務相会合が開催され、為替に関して緊密に協議することで合
意したと伝わった。また、日本と韓国が自国通貨安を巡る懸念を認識し、「米国も認識
した」と伝わったことが円買いの反応に繋がった可能性もありそうだ。基本的にホワイ
トハウスと米議会は為替操作を嫌うが、米国も認識したと伝わったことで155円を前
にした財務省による為替介入への思惑が高まったのかもしれない。
 ドル円は152円を突破した後から急速に上げ足を速め、一気に155円をうかがう
水準に上昇している。いつ財務省が介入を実施してもおかしくはない状況でもあり、日
本の経済界からも強い要請が出ているようだ。
 ただ、例え財務省が実弾介入を実施し、ドル円が下落したとしても、一時的に終わる
というのが市場の認識になっている。介入により下落した局面では投機筋が積極的に押
し目買いを入れて来る可能性も留意しておきたいところではある。結局、米インフレが
落ち着きを示し、FRBの利下げサイクルが可視化できるまでは潮の流れは変わらない
のかもしれない。
 きょうの為替市場はドル買いが一服しており、ユーロドルも下げを一服。しかし、買
戻しを強める動きまでは見られず、1.06ドル台半ばに留まっている状況。先週から
の急ピッチな下げで短期的な過熱感が見られているものの、買戻しを強める機運までは
ない。
 市場はECBの6月利下げを有望視しており、ECB理事からもその観測を追認する
発言が出ている。先ほどナーゲル独連銀総裁も「6月利下げの可能性は高まった」と述
べていた。ただ、FRBの利下げ期待が後退しているほか、本日の英消費者物価指数
(CPI)を受けて、市場は英中銀の利下げ期待も後退させている。そのような中、E
CBは6月に利下げサイクルを開始するものの、ペースはより緩やかで不透明なものに
なるとの指摘が出ている。今回の利下げサイクルのターミナルレート(最終到達点)は
2.00%と予想しているが、ペースは以前考えられていたよりも緩やかになると予想
しているという。

 年内は計0.75%ポイントの利下げ、リスクは1.00%ポイントに偏り、来年に
計1.00%ポイントの利下げ、そして26年第1四半期に最後の0.25%ポイント
の利下げを見込んでいるという。その場合、中銀預金金利は現在の4.00%から2.
00%に低下することになる。
 ポンドドルはロンドン時間に買い戻しが出ていたが、NY時間に入って1.24ドル
台前半まで下落している。この日の3月の英消費者物価指数(CPI)を受けて買い戻
しが出ていた。英CPIは前年比3.2%と前回から鈍化は見せたものの、予想ほどは
下がらなかったことから、英中銀の利下げ期待を後退させている。年内は1回のみの利
下げ期待が一時優勢になり、年内2回目の確率は30%程度まで低下する場面も見られ
ていた。現在は50%程度に戻している。
 一部からは「最近のポンド下落もあり、インフレ指標は英中銀とFRBの政策乖離の
限界を強調している。タカ派な英中銀理事のコメントにさらに重みを加え得る」とのコ
メントも聞かれた。
 ただ、NY時間に入ってベイリー英中銀総裁の発言が伝わり、ポンドは戻り売りが優
勢となる場面も見られた。総裁は、英インフレが来月には急低下し、目標とする2%の
水準に大きく近づくとの見通しを示した。「来月の数字はかなり強力な低下を示すと見
ている。英国には独特の家庭用エネルギー料金設定制度があるからだ」と述べている。
また、英経済動向は2月の英中銀の予測にほぼ沿っているとも指摘していた。
MINKABU PRESS