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2024年04月17日(水)06時02分

NY外為市況=上値追いが続く

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日本時間午前6時1分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  154.70 + 0.42 (+ 0.27%) 154.72 / 154.68
ユーロ・ドル 1.0620 - 0.0004 (- 0.04%) 1.0622 / 1.0619
ポンド・ドル 1.2434 - 0.0012 (- 0.10%) 1.2440 / 1.2427
ドル・スイス 0.9129 + 0.0013 (+ 0.14%) 0.9131 / 0.9128
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<きょうの材料>
*米住宅着工件数(3月)21:30
結果 132.1万件
予想 148.5万件 前回 154.9万件(152.1万件から修正)
*米住宅建築許可件数
結果 145.8万件
予想 150.0万件 前回 152.3万件(151.8万件から修正)
*米鉱工業生産指数(3月)22:15
結果 0.4%
予想 0.4% 前回 0.4%(0.1%から修正)(前月比)
*設備稼働率
結果 78.4%
予想 78.5% 前回 78.2%(78.3%から修正)
【カナダ】
消費者物価指数(CPI)(3月)21:30
結果 0.6%
予想 0.7% 前回 0.3%(前月比)
結果 2.9%
予想 2.9% 前回 2.8%(前年比)
*パウエルFRB議長
・最近のデータはインフレのさらなる進展の欠如を示唆。
・インフレについて確信を得るのにより時間がかかりそうだ。
・政策に効果をもたらす時間をさらに与えるのが適切。
・パンデミックの教訓を確信を持って語るには時期尚早。
・FRBは2023年の銀行のストレスから教訓を学ぶことができる。
・FRBは非常に透明性が高く、予測可能であろうとしている。
・今回のインフレは需要過熱による標準的なケースではない。
・2023年は供給サイドの回復の年だった。
*ジェファーソンFRB副議長
 ジェファーソンFRB副議長の発言が伝わり、政策金利を現行水準に据え置いたまま
でもインフレは鈍化を続けるとの見通しを示した。ただ、物価上昇圧力が根強く続いた
場合は、長期の高金利維持が正当化されるとも指摘している。副議長は「インフレ鈍化
でこれまで相当な進展があった」としつつ、「インフレを持続的に2%に下げるという
FRBの仕事はまだ終わっていない」と述べた。
*ウィリアムズNY連銀総裁
・この1年半、各カテゴリーのインフレは低下している。
・米国の潜在成長率は1%前後かそれ以上。
*バーキン・リッチモンド連銀総裁
・CPIのデータはソフトランディングを支持するものではない。
・経済は過熱していない。
・FRBが利下げ決定に時間をかけるのは賢明。
*ラガルドECB総裁
・ディスインフレのプロセスはECBの想定通りに推移。
・インフレの2%への道のりは平坦ではない。
・米国の動向はECB予測にも反映されるだろう。
・為替レートの変化とユーロの価値に強く注意する必要。
・ECBは為替レートを目標にしていない。
*ビルロワドガロー仏中銀総裁
・大きな衝撃がない限りECBは6月6日に利下げへ。
・今年と来年に追加利下げが必ずある。
・2%目標を下回るリスクがある。
・サービス業でディスインフレが起こらない理由はない。
・ECBは中東情勢を注意深く見守る。
・地政学がコアインフレに影響すれば、ECBは調整する可能性。
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<明日の材料と事前予想>
【NZ】
消費者物価指数(第1四半期)07:45
予想 0.6% 前回 0.5%(前期比)
予想 4.0% 前回 4.7%(前年比)
【日本】
通関ベース貿易収支(3月)08:50
予想 3400億円 前回 -3778億円
予想 -3000億円 前回 -4516億円(季調済)
【英国】
消費者物価指数(CPI)(3月)15:00
予想 0.5% 前回 0.6%(前月比)
予想 3.1% 前回 3.4%(前年比)
予想 4.2% 前回 4.5%(コア・前年比)
小売物価指数(RPI)(3月)15:00
予想 0.4% 前回 0.8%(前月比)
予想 4.2% 前回 4.5%(前年比)
予想 N/A 前回 3.5%(前年比・除くモーゲージ利払い)
生産者物価指数(PPI)(3月)15:00
予想 0.0% 前回 -0.4%(仕入・前月比)
予想 -2.9% 前回 -2.7%(仕入・前年比)
予想 0.2% 前回 0.3%(出荷・前月比)
予想 0.6% 前回 0.4%(出荷・前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者物価指数(確報)(3月)18:00
予想 2.4% 前回 2.4%(前年比)
予想 2.9% 前回 2.9%(コア・前年比)
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(04/06 - 04/12)20:00
予想 N/A 前回 0.1%(前週比)
米地区連銀経済報告(ベージュブック)
G20財務相中央銀行総裁会議(18日まで、米ワシントン)鈴木財務相出席
ハスケル英中銀委員が討論会参加
ナーゲル独連銀総裁、リンドナー独財務相、国際金融協会(IIF)討論会参加
グリーン英中銀委員が国際金融協会(IIF)「世界経済見通し」講演
シュナーベルECB理事、国際金融協会(IIF)「不確実な時代における金融政策の課題」
講演
ボウマンFRB理事が国際金融協会(IIF)夕食会参加
メスター・クリーブランド連銀総裁が連邦準備制度について講演(質疑応答あり)
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 きょうもNY為替市場はドル買いの動きが続き、ドル円は155円に向けての上値追
いが続いた。中東情勢は依然として混沌としているものの、米株式市場の下げが一服
し、米国債利回りも上昇していることがドル円の下値をサポートしている。
 午後にパウエルFRB議長のパネル討論会での発言が伝わり、最近のインフレ指標か
ら判断して、利下げに必要な確信を得るのにはより長い時間がかかる可能性が高いとの
認識を示した。市場の利下げ期待の後退を追認する内容であったこともドル円をサポー
トしている。
 途中に瞬間的に円高が強まる場面が見られ、154円ちょうど付近まで急速に下落す
る場面が見られた。介入への警戒感が強まる中、敏感に反応していたようだ。ドル円は
ここ数日の急速な上昇で、過熱感を測るテクニカル指標であるRSIが買われ過ぎの水
準である70を上回るなど過熱気味の雰囲気も強まっている。
 いつ財務省が介入を実施してもおかしくはない状況ではあるが、明日かワシントンで
G20とG7の財務相・中央銀行総裁会議が開催されることもあり、様子を見ているの
かもしれない。歴史的な円安水準が続く中で、為替に関する協議も予想され、過度な変
動への対応を各国が容認すれば、介入実施の可能性もあるのかもしれない。
 ユーロドルも上値の重い展開が続いており、1.06ドル台前半での推移。年内にF
RBが利下げを行わないというシナリオのもとでは、ユーロドルは1.05ドル以下ま
で下落する可能性があるとの指摘が出ている。想定外の米インフレ上昇により、年内の
FRBの利下げをもはや予想していないという。市場はFRBの利下げ開始がECBよ
りも遅れることを織り込んでいるが、その先がまだあるという。
 ポンドドルも上値の重い展開。英中銀の利下げ期待がポンドの上値を圧迫している一
方、FRBの利下げ期待は後退しており、ポンドドルを圧迫しているようだ。
 この日は12-2月の英雇用統計が発表になっていたが、ILO失業率は4.2%ま
で上昇し、英雇用の悪化を示唆し、雇用者数も予想外の減少となった。英中銀の利下げ
期待を正当化する内容ではあるものの、週平均賃金が思ったほど鈍化していないことか
ら、市場を迷わせているようだ。週平均賃金(除く賞与)は前年比6.0%と前回から
は鈍化していたものの予想は上回った。これを受けて短期金融市場では8月の英中銀の
利下げ期待を後退させている。
 ただ、インフレが2%を下回り、その状況下で賃金が決定されると期待されている年
後半には決定的な下落が予想されるとの見方も出ていた。
MINKABU PRESS