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2024年04月16日(火)05時34分

NY外為市況=154円台に上昇

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日本時間午前5時33分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  154.24 + 1.01 (+ 0.66%) 154.45 / 152.98
ユーロ・ドル 1.0623 - 0.0020 (- 0.19%) 1.0665 / 1.0620
ポンド・ドル 1.2446 - 0.0006 (- 0.05%) 1.2499 / 1.2436
ドル・スイス 0.9123 - 0.0014 (- 0.15%) 0.9152 / 0.9113
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<きょうの材料>
【米国】
小売売上高(3月)21:30
結果 0.7%
予想 0.4% 前回 0.9%(0.6%から修正)(前月比)
結果 1.1%
予想 0.6% 前回 0.6%(0.3%から修正)(自動車除くコア・前月比)
NY連銀製造業景気指数(4月)21:30
結果 -14.3
予想 -7.0 前回 -20.9
企業在庫(2月)23:00
結果 0.4%
予想 0.4% 前回 0.0%(前月比)
NAHB住宅市場指数(4月)23:00
結果 51
予想 52  前回 51
【カナダ】
製造業売上高(2月)21:30
結果 0.7%
予想 0.7% 前回 0.0%(0.2%から修正)(前月比)
卸売売上高(2月)21:30
結果 0.0%
予想 0.8% 前回 -0.2%(0.1%から修正)(前月比)
*ウィリアムズNY連銀総裁
 ウィリアムズNY連銀総裁は、インフレが徐々に低下し続ければ、年内に利下げを開
始する可能性が高いと述べた。総裁はインタビューで金融政策は良好な状態にあるとし
た上で、消費者と経済全般の底堅さを指摘。「金利をより正常な水準に戻すためには、
どこかの時点でプロセスを開始する必要があり、私自身の見解では、そのプロセスはお
そらく今年開始されるだろう」と語った。
*レーンECB理事
 ECBのチーフエコノミストを務めるレーン理事は講演で、消費者物価上昇が順調に
減速するとは考えにくいと述べた。2025年にインフレが目標の2%まで戻ることに
確信を示したが、賃金とサービスコストは依然として押し上げられていると指摘した。
*イスラエル軍参謀総長のハレヴィ将軍
 イスラエル軍の参謀総長のハレヴィ将軍は、「イスラエルは次のステップを検討して
いる」と述べ、イランのイスラエル領内への大量のミサイルと無人機の発射には報復で
対応すると語った。
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<明日の材料と事前予想>
【中国】
小売売上高(3月)11:00
予想 5.0% 前回 (前年比)
予想 5.4% 前回 5.5%(年初来・前年比)
鉱工業生産指数(3月)11:00
予想 6.1% 前回 (前年比)
予想 6.6% 前回 7.0%(年初来・前年比)
実質GDP(第1四半期)11:00
予想 4.9% 前回 5.2%(前年比)
予想 1.5% 前回 1.0%(前期比)
【英国】
ILO失業率(12-2月)15:00
予想 4.0% 前回 3.9%
週平均賃金(12-2月)
予想 5.5% 前回 5.6%(前年比)
予想 5.8% 前回 6.1%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツZEW景況感指数(4月)18:00
予想 36.0 前回 31.7
ユーロ圏貿易収支(2月)18:00
予想 N/A 前回 114億ユーロ(季調前)
予想 220億ユーロ 前回 281億ユーロ(季調済)
【カナダ】
住宅着工件数(3月)21:15
予想 24.50万件 前回 25.35万件
消費者物価指数(CPI)(3月)21:30
予想 0.7% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.9% 前回 2.8%(前年比)
【米国】
住宅着工件数(3月)21:30
予想 148.5万件 前回 152.1万件
予想 150.0万件 前回 152.4万件
鉱工業生産指数(3月)22:15
予想 0.4% 前回 0.1%(前月比)
予想 78.5% 前回 78.3%
IMF世界経済見通し
国際スワップデリバティブ協会(ISDA)年次総会(18日まで)
ショルツ独首相と中国習近平国家主席が会談
ベイリー英中銀総裁がIMF世銀春季会合で講演
英中銀次期副総裁のロンバルデリ氏が議会証言
ビルロワドガロー仏中銀総裁がNYエコノミッククラブで講演
マックレム加中銀総裁がIMF世銀春季会合で討論会参加
ジェファーソンFRB副議長が金融政策について講演
デイリー・サンフランシスコ連銀総裁が講演(質疑応答あり)
ワールド・フューチャー・エナジー・サミット2024(18日まで)
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 きょうのNY為替市場でドル円は更に上げ幅を拡大し、154円台半ばまで一時上昇
した。この日発表の3月の米小売売上高が予想を上回ったことからドル買いが更に加速
し、ドル円は上値を伸ばしている。
 米小売売上高は力強い米個人消費を示し、FRBの利下げ期待の後退を正当化する内
容となった。高額商品への支出は引き続き抑制されているものの、所得の伸びが消費活
動を支え続けている。エコノミストからは、今回の数字は第2四半期に向けた消費が当
初予想よりも堅調に推移する可能性を意味し、今年予想された消費の緩やかな減速がさ
らに遅れる可能性を示唆しているとの指摘も聞かれた。
 ここ数日、かなり急ピッチな動きが見られ、財務省の介入を正当化できる動きも見ら
れている。155円を視野に入れているが、岸田首相が米国から帰国したこともあり、
いつ介入があってもおかしくはない状況ではある。ただ、今週はワシントンで開催され
るG20に鈴木財務相が出席する。
 ユーロドルは売りが加速し、1.06ドル台前半まで下げ幅を拡大。昨年11月以来
の安値水準となっている。見切り売りが止まらない状況のようだ。ロンドン時間には
1.0670ドル付近まで買い戻されていたものの、ファンド勢やテクニカル勢の売り
オーダーも観測される中、上値を抑えられた模様。ただ、ここ数日の急落でさすがに下
げ過ぎ感も出ており、過熱感を測るテクニカル指標であるRSIは28と下げ過ぎ感を
示す30の水準を下回っている。
 ECBは先週の理事会で6月利下げをほぼ確実視されているが、FRBの利下げ期待
が後退しており、利下げに向けたECBとFRBの温度差が鮮明になっていることが、
ユーロドルの見切り売りに繋がっている。短期金融市場では、FRBの利下げ開始が9
月まで後退しているのに対して、ECBは6月利下げを90%の確率で織り込んでいる
状況。目先は心理的節目の1.05ドル台を試す展開になるか注目される。
 ポンドドルも下値模索を加速させ、1.24ドル台半ばに下落。ここに来て英中銀の
早期利下げ期待が浮上しており、ポンドを押し下げている。FRBの利下げ期待は9月
まで後退しているのに対して、英中銀は8月が有力視されている。
 英中銀の利下げ期待を占う上で、今週は重要な英経済指標が相次ぎ注目される。明日
16日に英雇用統計が発表され、17日には3月の英消費者物価指数(CPI)が発表
される。英CPIは上昇が一段と鈍化が見込まれている一方、英失業率は上昇が見込ま
れているほか、週平均賃金も鈍化が見込まれている。これらの指標が予想通りであれ
ば、英中銀の大きな転換を意味し、市場は英中銀がFRBに先行する可能性があるとの
見方を強めている。英インフレは過去2回の発表で下振れし、この動きは続くと思われ
るとの指摘も出ていた。
MINKABU PRESS