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日本時間午前5時34分現在での主要通貨は以下の通り。
直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円 144.83 - 2.93 (- 1.98%) 147.87 / 144.02
ユーロ・ドル 1.1184 + 0.0235 (+ 2.15%) 1.1241 / 1.0943
ポンド・ドル 1.2957 + 0.0137 (+ 1.07%) 1.2996 / 1.2807
ドル・スイス 0.8252 - 0.0318 (- 3.71%) 0.8578 / 0.8232
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<きょうの材料>
※経済指標
*米消費者物価指数(CPI)(3月)21:30
結果 -0.1%
予想 0.1% 前回 0.2%(前月比)
結果 2.4%
予想 2.5% 前回 2.8%(前年比)
結果 0.1%
予想 0.3% 前回 0.2%(コア・前月比)
結果 2.8%
予想 3.0% 前回 3.1%(コア・前年比)
*米新規失業保険申請件数(4月5日週)21:30
結果 22.3万人
予想 22.3万人 前回 21.9万人
【カナダ】
*住宅建設許可(2月)21:30
結果 2.9%
予想 -0.4% 前回 -4.3%(-3.2%から修正)(前月比)
※発言・ニュース
*ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
関税を巡る貿易相手との交渉はすでにかなり進んでおり、先週時点でほぼ合意に達し
ているものもあると述べた。ただ、具体的な国名は明かさなかった。
*ローガン・ダラス連銀総裁
関税に起因するインフレが恒常化しないよう当局はしっかりと対応しなければならな
いとし、最近のインフレ再燃を受けて米国民の物価上昇期待が脆弱になっている可能性
があると警告した。
*グールズビー・シカゴ連銀総裁
・不安定な関税政策はFRBが待機すべきことを意味。
・FRBのスケジュールと市場のスケジュールは同じではない。
・米経済に関するハードデータは依然良好。
・関税はFRBの責務の両面を悪化させる。
・関税はスタグフレーション的ショックをもたらす。
・金利は1-2年のうちに低下すると依然考えている。
・インフレ期待は依然問題ないが、少し懸念。
・政治的干渉により大幅利上げは困難。
*グールズビー・シカゴ連銀総裁
・関税が生産性を低下させることを懸念する企業もある。
・当面、FRBの利下げは、ハードルが少し高い水準に留まる。
・世界的な関税が10%に達すれば、インフレは大幅に上昇。
・市場に混乱を招くような兆候は何もない。
・市場ベースのインフレ期待を信じる。
・長期的なインフレ期待が上昇した場合、FRBは行動を起こす必要。
・長期的な金利動向と世界情勢を監視している。
*ブリーデン英中銀副総裁
・関税は英成長を低下させる可能性が高い。
・関税がインフレに与える影響は不明確。
・ポンドはこれまでのところ下落していないが、変化する可能性。
・インフレへの全体的な影響を判断するのは時期尚早。
・リスクプレミアムは依然として比較的タイト。
・リスク資産の急激な修正のリスクが高い
・貿易の不確実性は冷や水を浴びせるような影響を与える
*中国に対する関税は計145%
米国の中国に対する関税は、今回の引き上げにより合計で145%になったと伝わっ
ている。米CNBCがホワイトハウスの高官の話として伝えた。相互関税の部分が8
4%から125%に変更。それ以外にフェンタニルの問題により20%の関税が課され
ている。これは新たな政策転換ではない。
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<明日の材料と事前予想>
【英国】
鉱工業生産指数(2月)15:00
予想 0.2% 前回 -0.9%(前月比)
予想 -2.2% 前回 -1.5%(前年比)
製造業生産高(2月)15:00
予想 0.1% 前回 -1.1%(前月比)
予想 -2.1% 前回 -1.5%(前年比)
商品貿易収支(2月)15:00
予想 -170.00億ポンド 前回 -178.49億ポンド
貿易収支
予想 -1.35億ポンド 前回 -5.96億ポンド
【ユーロ圏】
ドイツ消費者物価指数(確報)(3月)15:00
予想 0.3% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.2% 前回 2.2%(前年比)
ドイツ調和消費者物価指数(HICP)
予想 0.4% 前回 0.4%(前月比)
予想 2.3% 前回 2.3%(前年比)
【米国】
生産者物価指数(PPI)(3月)21:30
予想 0.2% 前回 0.0%(前月比)
予想 3.2% 前回 3.2%(前年比)
予想 0.3% 前回 -0.1%(食品・エネルギー除くコア・前月比)
予想 3.6% 前回 3.4%(食品・エネルギー除くコア・前年比)
ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(4月)23:00
予想 54.2 前回 57.0
EU財務相理事会(非公式)ラガルドECB総裁が会見
ユーロ圏財務相会合
ムサレム・セントルイス連銀総裁が講演(質疑応答あり)
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きょうのNY為替市場、ドル安が再び強まる中、ドル円は前日の上げを失い、一時前
日安値の144円ちょうどまで下落する場面も見られた。トランプ大統領が90日間の
猶予措置を発表したことから、前日の市場は熱狂の渦に呑み込まれ、ドル円も一気に1
48円台まで急騰していた。しかし、市場はこの先の不安を払拭できず、今回の貿易戦
争が米経済に長期的な打撃をもたらすのではとの懸念が根強い。
「米国市場から資金を引き揚げるべき」、「関税の猶予期間が延長されたとしても、
景気後退の可能性は五分五分」、「すでにダメージは与えられてしまった。パンドラの
箱はすでに開いた」といった類の声も多く聞かれた。そのような中、市場では米国離れ
が指摘され、米国債が不安定な動きをしているほか、ドル離れも指摘されている。
なお、この日の3月の米消費者物価指数(CPI)は予想を下回り、総合指数は前月
比で予想外の低下となっていた。コア指数も予想以上に低下。ただ、今回のCPIがフ
ェド・プットまで期待できるかは未知数。この日も何人かのFOMC委員の発言が伝わ
っていたが、いずれも、いまは見守るべきとの姿勢を強調していた。
ユーロドルが急伸。一気に1.12ドル台まで一時上昇し、2023年7月以来の高
値水準に急伸していた。ユーロが買われているわけではなく、ドルが売られる展開。た
だ、世界的な貿易戦争においてEUが意外なほどに融和的なアプローチを取っているこ
ともユーロを下支えしているとの
指摘も出ている。
EUが米国の関税に対する報復措置を保留する可能性が伝わっている。EUは米国か
らの輸入品210億ユーロ相当に影響を与える報復関税を承認し、来週の4月15日が
発効日としているが、実施に移さないと見られている。
これは2つの経済圏間の緊張を緩和し、ECBが来週の理事会で追加利下げを行う緊
急性を低減させるとの指摘が出ている一方、短期金融市場では、90%以上の確率で利
下げを見込んでいる状況。
ポンドドルも買い戻しが強まり、一時1.30ドルをうかがう場面も見られた。ドル
安がポンドドルを押し上げ。本日の21日線が1.2930ドル付近に来ているが、そ
の水準を回復しており、明日以降の動きが注目される。
本日はブリーデン英中銀副総裁の講演が行われていたが、貿易戦争によりポンド安が
進む可能性を注視している。ポンド安は英輸入品の上昇圧力を煽る可能性があり、英中
銀は追加利下げに慎重姿勢を見せている。
英中銀はまた、スワップ取引の大規模な巻き戻しに関連するリスクも監視しており、
円滑な取引を確保するために金融システムに流動性を提供できる態勢を整えているとい
う。
MINKABU PRESS