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2025年01月28日(火)06時30分

NY外為市況=リスク回避の円高

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日本時間午前6時29分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  154.52 - 1.48 (- 0.95%) 156.25 / 153.72
ユーロ・ドル 1.0490 - 0.0007 (- 0.07%) 1.0533 / 1.0454
ポンド・ドル 1.2499 + 0.0015 (+ 0.12%) 1.2523 / 1.2426
ドル・スイス 0.9019 - 0.0040 (- 0.44%) 0.9073 / 0.8965
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<きょうの材料>
【米国】
*米新築住宅販売件数(年率)(12月)0:00
結果 69.8万件
予想 67.2万件 前回 67.4万件(66.4万件から修正)
*米2年債入札結果
最高落札利回り 4.211%(WI:4.210%)
応札倍率    2.66倍(前回:2.73倍)
*米5年債入札結果
最高落札利回り 4.330%(WI:4.336%)
応札倍率    2.40倍(前回:2.40倍)
*エヌビディア
 中国の新興企業のディープシークのAIモデルについてエヌビディア<NVDA>が声明
を発表しており、「ディープシークは優れたAIの進歩だ」と述べた。同AIモデルの
動作も完全に輸出管理に準拠しているとも述べている。また、推論には多数のGPUが
必要であるとも語った。
*トランプ大統領、「アイアンドーム」の構築求める大統領令を準備
 トランプ大統領は、弾道ミサイルやその他の長距離攻撃から米国を守る次世代型の防
衛網に関する大統領令を準備している。ホワイトハウスの文書には「弾道ミサイルや巡
航ミサイル、極超音速ミサイルによる攻撃の脅威は引き続き、米国が直面する破壊的な
脅威だ」と記されている。
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<明日の材料と事前予想>
【米国】
*耐久財受注(速報値)(12月)22:30
予想 0.5% 前回 -1.2%(前月比)
予想 0.3% 前回 -0.2%(輸送除くコア・前月比)
*住宅価格指数(11月)23:00
予想 0.4% 前回 0.4%(前月比)
*コンファレンスボード消費者信頼感指数(1月)00:00
予想 105.7 前回 104.7
衆議院本会議、安達日銀審議委員の後任含む国会同意人事案提示
日銀「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」
ECB銀行融資調査
ビルロワドガロー仏中銀総裁が会議出席
中国市場は春節(旧正月)のため休場(2月4日まで)
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 きょうのNY為替市場、ドル円は売りが強まり、一時153円台に下落する場面も見
られた。ドル売りも去ることながら、円高の動きがドル円を押し下げていた。ただ、F
RBでも日銀でもなく、本日の株式市場が不安定になっており、米国債利回りも低下し
ていることで、リスク回避の円高が出ている格好。
 米株式市場はIT・ハイテク株中心に売りが広がった。中国の新興企業ディープシー
ク社が先週、オープンAIの技術と競合可能とする最新AIモデルを発表。同モデルが
最先端の半導体を搭載していなくても実行可能で、コスト効率が良いとの観測が広がっ
た。これまでのエヌビディア<NVDA>を含むハイテク企業の優位性に疑念が生じてい
る。今週は大手IT・ハイテク企業の決算も控えており、市場には警戒感が広がってい
たようだ。
 明日からFOMCが始まり、29日に結果が発表される。市場では今回は据え置きを
確実視しているが、先日の米雇用統計が強い内容となったことで、一部からはタカ派な
姿勢も垣間見せるのではとの意見も出ている。しかし、エコノミストからは、FRBは
慎重姿勢を堅持し、追加利下げの可能性は排除しないとの指摘も出ていた。
 ここ数週間、FRBは明らかに過去のFF金利の変更が労働市場やインフレにどのよ
うな影響を与えたかを評価するために、利下げを一旦停止するシグナルを送っている。
しかし、最近の米消費者物価指数(CPI)の発表で、インフレに関するより良いニュ
ースが得られたことを踏まえると、FOMCの声明およびパウエル議長の会見は、予想
ほどタカ派でもなく、利下げに可能性を残したものになるだろうと述べている。
 きょうもユーロドルは買い戻しが強まり、一時1.05ドル台を回復。ただ、先週末
に引き続き1.05ドル台に入ると売り圧力も強まり、水準を維持できていない。目先
は1.05ドルを完全回復できるか注目される。
 ECBの利下げ観測が後退しているほか、米国によるユーロ圏への関税措置が従来考
えられていたほど早期に発動されることはないとの見方がユーロドルを支えている。バ
リュエーションやテクニカル面からも、ユーロショートがやや行き過ぎていたことか
ら、買い戻しが膨らんでいるようだ。ただ、あくまで短期的で自律反発の域は出ないと
の見方も多いことも事実。
 今週はECB理事会が予定されており、利下げが確実視されている。ただ、その決定
が大きな反応を引き起こす可能性は低いとの指摘も出ている。短期金融市場はECBが
中銀預金金利を2.75%にする確率を90%程度織り込んでいる。今回の利下げは投
資家に広く予想され、ECB理事によっても非常に示唆されていた。そのため強い市場
反応を引き起こすことはないという。
 ポンドドルも先週の買い戻しの流れを継続。ただ、本日も1.25ドル台を一時回復
したものの、その水準では戻り売り圧力も強く、いまのところ1.25ドル台は維持で
きていない。ポンドに関しては今週のリーブス英財務相の演説が注目され、その内容が
好評ならポンド高の可能性があるとの指摘も出ている。リーブス英財務相は水曜日に経
済成長を促すための新たな経済政策を発表する。同財務相はインフラと計画制度改革に
重点を置いた一連の施策を提示する予定。
 同財務相の最近の発言から、政治的には困難でも経済的には有益な決定を果敢に行う
姿勢を滲ませており、計画の詳細と説得力のあるメッセージが期待される。リスクバラ
ンスはポジティブ・サプライズに傾いていると見ており、これはポンドがユーロに対し
て最近失った価値をいくらか取り戻すことを支援する可能性があるという。
MINKABU PRESS