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2025年10月28日(火)05時32分

NY外為市況=153円付近で上下動

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日本時間午前5時31分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  152.87 + 0.01 (+ 0.01%) 153.26 / 152.57
ユーロ・ドル 1.1648 + 0.0021 (+ 0.18%) 1.1652 / 1.1618
ポンド・ドル 1.3338 + 0.0027 (+ 0.20%) 1.3353 / 1.3311
ドル・スイス 0.7952 - 0.0005 (- 0.06%) 0.7978 / 0.7945
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<きょうの材料>
主な米経済指標の発表は無し
*米2年債入札結果
最高落札利回り 3.504%(WI:3.503%)
応札倍率    2.56倍(前回:2.51倍)
*米5年債入札結果
最高落札利回り 3.625%(WI:3.626%)
応札倍率    3.07倍(前回:3.01倍)
*片山財務相
 片山財務相は27日、トランプ大統領と来日中のベッセント米財務長官と初めて対面
での会談を行った。片山財務相は会談に「日銀の金融政策は話題にならなかった」と述
べた。会談は同省内で1時間超行った。日米の為替の共同声明についても機微に渡る話
は出なかったという。
*ラトニック商務長官
 トランプ大統領とともに日本を訪問しているラトニック米商務長官は27日、日米間
で合意した5500億ドル(約84兆円)の対米投融資枠について、リスクゼロのイン
フラに資金を投じるとの見解を示した。日本経済新聞のインタビューで語った。
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<明日の材料と事前予想>
【ユーロ圏】
ドイツGfK消費者信頼感調査(11月)16:00
予想 -21.8 前回 -22.3
【米国】
住宅価格指数(8月)22:00
予想 0.0% 前回 -0.1%(前月比)
S&Pケースシラー住宅価格(20都市)(8月)22:00
予想 1.40% 前回 1.82%(前年比)
リッチモンド連銀製造業指数(10月)23:00
予想 -10 前回 -17
コンファレンスボード消費者信頼感指数(10月)23:00
予想 93.4 前回 94.2
※米政府機関閉鎖の影響で米経済統計の発表は延期になる可能性
日銀「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」
ECBユーロ圏銀行貸出調査
米7年債入札(440億ドル)
トランプ大統領と高市首相が会談
APEC CEOサミット(韓国、31日まで)エヌビディアCEOやAWS、グーグル、マイクロソフ
ト幹部出席
GPU Technology Conference「NVIDIA GTC 2025」ファンCEO講演(ワシントン)
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 きょうのNY為替市場、ドル円は153円台を挟んで上下動。153円台に入ると戻
り売り圧力も強まるようだが、下押す動きもなく、上値追いのモメンタムは維持。
 片山財務相とトランプ大統領と来日中のベッセント米財務長官と初めて対面での会談
を行った。片山財務相は会談に「日銀の金融政策は話題にならなかった。日米の為替の
共同声明についても機微に渡る話は出なかった」と述べていた。一部からは米国側は円
安の動きを良しとは思っておらず、何かの圧力があるのではとの観測も出ていた。
 米政府機関の閉鎖はまだ続いており、今週も米経済指標の発表はない。ただ、今週は
いつになく重要イベントが目白押しで、29日のFOMCを始め、30日には日銀決定
会合も予定。ECBなど各国中銀も政策委員会を開催する。
 先週の米消費者物価指数(CPI)を経て、FOMCは追加利下げが確実視されてい
る一方、日銀については据え置きが濃厚と見られている。パウエル議長や植田総裁が、
12月に向けてどのようなメッセージを出すか注目されそうだ。
 また、政治イベントも注目となる。トランプ大統領が本日来日しており、明日高市首
相と会談を行うほか、30日には韓国で開催のAPECに際して、米中首脳会談も行わ
れる予定。摩擦解消に向けた何らかのメッセージが打ち出されるか注目される。中国の
レアアース輸出制限の1年延期、11月1日発動予定の対中100%関税の撤回、中国
による米国産大豆の輸入再開などが含まれる可能性があるとの観測も出ている。また、
米国版TikTokに関する紛争解決策の合意も検討されているという。
 そして、上記のイベント以上に市場の注目を集めている可能性があるのが米IT大
手、マグニフィセント7の決算だ。巨額のAI関連投資を正当化する内容になるのか注
目されるが、結果次第で株式市場に大きな変動が起これば、為替市場も影響を免れない
であろう。ただ、株式市場はいまのところ楽観的に見ている向きが多いようだ。
 ユーロドルは小幅ながらも買い戻しの動きを継続し、21日線が控える1.16ドル
台半ば付近に上昇する場面も見られ。今週は重要イベントが盛りだくさんで様子見の雰
囲気が強い。ECB理事会も30日木曜日に予定されているが、ECBはすでに利下げ
サイクルを終了させており、変化はないものと見られている。

 ユーロ圏にとって気掛かりなのはインフレ以上に景気の先行きだが、本日は10月の
独Ifo景況感指数が発表になり、前月の87.7から88.4へ上昇していた。これ
を受けてエコノミストからは、ドイツ経済は最悪期を脱しつつある可能性があるとの指
摘が出ている。今回のIfoは先週発表のPMIの上昇と一致しており、今後数四半期
にかけてドイツ経済が改善を示すとの見方と整合的だという。
 最近のドイツ経済の実態を正確に把握するのは、様々なデータが入り混じっているた
め難しいが、ここ数カ月はすべての調査指標が改善しており、さらに財政刺激策の効果
により、2026年にも追加的な上昇が見込まれるという。
 ポンドドルは7日ぶりに反発し、1.33ドル台半ばまで一時上昇。ポンドの要因で
はなく、本日はドルが軟調に推移しており、ポンドドルをサポートしている。ただ、買
い戻しを強める動きまでには至っていない。一方、ポンド円は上値追いが続き、204
円台に上昇。高市トレードの直近高値205.30円を再び視野に入れた動きが続いて
いる。
 ただ、ポンドに関しては強気な見方は少ない。先週発表の最新の英インフレ指標によ
ると、総合指数は3.8%で横ばいとなり、コア指数は3.5%へと鈍化した。いずれ
も加速が予想されていた市場予想に反しての結果で、英中銀の利下げ期待が台頭してい
る。
 また、11月に発表の秋季予算まではポンドの上昇余地は限られるという。英政府の
予算案は11月26日に発表予定で、財政健全化を目的とした緊縮的な措置が盛り込ま
れる見通し。
MINKABU PRESS