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2025年12月19日(金)06時28分

NY外為市況=米CPIが予想外の鈍化

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日本時間午前6時26分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  155.58 - 0.11 (- 0.07%) 155.97 / 155.29
ユーロ・ドル 1.1724 - 0.0017 (- 0.14%) 1.1763 / 1.1713
ポンド・ドル 1.3381 + 0.0005 (+ 0.04%) 1.3446 / 1.3341
ドル・スイス 0.7940 - 0.0015 (- 0.19%) 0.7966 / 0.7929
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<きょうの材料>
※経済指標
【米国】
*消費者物価指数(CPI)(11月)22:30
結果 2.7%
予想 3.1% 前回 N/A(前年比)
結果 2.6%
予想 3.0% 前回 N/A(食品・エネルギー除くコア・前年比)
*米新規失業保険申請件数(12月13日週)22:30
結果 22.4万人
予想 22.5万人 前回 23.7万人(23.6万人から修正)
*フィラデルフィア連銀製造業景気指数(12月)22:30
結果 -10.2
予想 2.3 前回 -1.7
【英国】
*英中銀政策金利 21:00
結果 3.75%
予想 3.75% 前回 4.00%
【ユーロ圏】
*ECB中銀預金金利 22:15
結果 2.00%
予想 2.00% 前回 2.00%
※発言・ニュース
*トランプ大統領
・ウォラーFRB理事は素晴らしいと思う。
・FRB議長候補3-4名と協議中。
・次期議長は数週間後に発表する。
・(住宅問題について)住宅問題で国家非常事態宣言を検討中。
・現在、実質的にインフレは皆無。
*グールズビー・シカゴ連銀総裁
・11月のCPIには好ましい点が多い。
・決して単月のデータに依存したくはない。
・インフレが軌道に乗れば金利はかなり下がる可能性。
*ベイリー英中銀総裁
・インフレの上振れリスクは後退。
・失業・潜在失業・就業から失業へのフローが増え、スラック蓄積を確認。
・ただし、労働市場の急激悪化の決定的証拠はまだなく、慎重姿勢は維持。
・インフレ期待の低下は不十分で、先行き賃金指標はなお強い点を懸念
・追加利下げ余地はあるが、中立接近で経路を事前に細かくは決められない
*ラガルド総裁
・インフレは短期的に低下する見込み。
・インフレ見通しは依然通常より不確実性が高い。
・サービス主導の成長パターンは継続する見込み。
・今後数年は内需が成長の主因となる。
・厳しい貿易環境が成長の足かせ。
・貿易摩擦は緩和。
・先行指標は賃金上昇の鈍化を示唆。
・本日の決定は全会一致。
・金利に関する全ての選択肢を残すことで一致。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
日銀政策金利(12月)時刻未定
予想 0.75% 前回 0.50%
植田総裁会見 15:30
全国消費者物価指数(11月)08:30
予想 2.9% 前回 3.0%(前年比)
予想 3.0% 前回 3.0%(生鮮食料品除くコア・前年比)
【英国】
GfK消費者信頼感調査(12月)09:01
予想 -18 前回 -19
公共部門ネット負債(11月)16:00
予想 105億ポンド 前回 174億ポンド
小売売上高(11月)16:00
予想 0.3% 前回 -1.1%(前月比)
予想 1.0% 前回 0.2%(前年比)
予想 0.2% 前回 -1.0%(除自動車燃料・前月比)
予想 1.5% 前回 1.2%(除自動車燃料・前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ生産者物価指数(11月)16:00
予想 0.1% 前回 0.1%(前月比)
予想 -2.1% 前回 -1.8%(前年比)
ドイツGfK消費者信頼感調査(1月)16:00
予想 -23.0 前回 -23.2
ユーロ圏経常収支(10月)18:00
予想 N/A 前回 231億ユーロ
ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)(12月)20日00:00
予想 -14.1 前回 -14.2
【カナダ】
小売売上高(10月)22:30
予想 0.1% 前回 -0.7%(前月比)
予想 0.0% 前回 0.2%(コア・前月比)
【米国】
中古住宅販売件数(11月)20日0:00
予想 415万件 前回 410万件
ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(12月)20日0:00
予想 53.3 前回 53.3
ECB賃金トラッカー(TBC)
プーチン大統領、年次会見
米議会クリスマス休暇入り
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 きょうのNY為替市場、NY時間に入ってドル売りが優勢となり、ドル円は一時15
5.30円近辺に下落。この日発表の米消費者物価指数(CPI)にドル安で反応。総
合指数で前年比2.7%、コア指数で2.6%と予想外の伸び鈍化となった。
 追加利下げ期待を高める数字となったものの、数字の割には動きは限定的な印象もあ
った。今回は政府機関閉鎖の影響でデータの信頼性が通常より低い可能性が事前に指摘
されていた。10月分のデータの多くが収集できなかったうえ、11月分も閉鎖の影響
で収集が遅れた。そのため今回は前月比はない。月次の変化が公表されていないため、
何がこの数字をもたらしたのか判断しにくい面があるようだ。
 一方、明日は日銀決定会合の結果が発表され、利上げが確実視されている。市場は十
分に織り込んでおり、来年以以降のヒントを待っている。利上げの方向性は変わらない
と見られるが、市場はそれによって円高に流れが変わるとまでは見ていない。
 実質金利から考えれば、円安の流れが止まるにはまだ利上げが必要とエコノミストは
述べている。ただ、想定される中立金利から、回数についてはあと1回か2回と見てい
るようだ。短期金融市場では来年7月までに1回の利上げの可能性を織り込んでいる。
 ユーロドルは1.17ドル台前半。この日発表の米消費者物価指数(CPI)が予想
外に鈍化したことで、ドル安の反応が見られ、ユーロドルは1.1760ドル近辺まで
上昇した。ただ、上値にも慎重になっているようで、買い一巡後は伸び悩む展開。一
方、ユーロ円は182円台半ばに下落。
 この日はECB理事会の結果が公表され、予想通りに政策金利を据え置いた。ラガル
ド総裁は会見で「金利に関する全ての選択肢を残すことで一致」と述べていたが、EC
B理事の間では、最新の成長とインフレ見通しを踏まえると、利下げサイクルは恐らく
終了との認識が広がっているとの報道が伝わっている。
 新たなショックが起きない限り、中銀預金金利は2.00%の水準で維持できる一
方、利上げについての議論は時期尚早と認識しているとも伝えていた。エコノミスト
は、今後2年間は据え置きが続くとの予想しており、市場も当面は上下いずれの方向に
も動く可能性は低いとの見方を織り込んでいる。
 ポンドドルはNY時間に入って上に往って来いの展開が見られた。米CPIを受けて
ドル安の反応が見られ、ポンドドルは1.34ドル台半ばまで一時上昇。ただ、その動
きは維持できずに1.33ドル台に伸び悩む展開となった。一方、ポンド円はNY時間
に入って209円台に一時上昇し、2008年以来の高値を更新したものの、208円
台前半に伸び悩んでいる。ただ、21日線の上での上昇トレンドは続いている状況。
 本日は英中銀が金融政策委員会(MPC)の結果を公表し、政策金利は予想通りに
0.25%引き下げ3.75%とした。ポンドは買いの反応を見せていたが、委員の投
票行動は5対4と僅差での決定となったほか、26年にかけて追加利下げの余地がある
との見方を示したものの、今後の利下げ判断は微妙なバランスになると警告しており、
ベイリー総裁は「利下げを行うたびに、どこまで進むのかの判断はますます難しくな
る」と述べていた。
MINKABU PRESS