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2024年06月08日(土)05時40分

NY外為市況=ドル買い強まる

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日本時間午前5時39分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  156.76 + 1.15 (+ 0.74%) 157.08 / 155.12
ユーロ・ドル 1.0801 - 0.0089 (- 0.82%) 1.0902 / 1.0800
ポンド・ドル 1.2721 - 0.0070 (- 0.55%) 1.2812 / 1.2716
ドル・スイス 0.8965 + 0.0072 (+ 0.81%) 0.8973 / 0.8881
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<きょうの材料>
*米雇用統計(5月)21:30
非農業部門雇用者数
結果 27.2万人
予想 19.0万人 前回 17.5万人(前月比)
失業率
結果 4.0%
予想 3.9% 前回 3.9%
平均時給
結果 0.4%
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
結果 4.1%
予想 4.0% 前回 3.9%(前年比)
*ラガルドECB総裁
・ECBはまだしばらくブレーキを踏む必要。
・インフレ脱却までの道のりはまだ長い。
・2%への道のりは決して平坦ではない。
・大きく前進はしたが、インフレとの闘いは終わっていない。
・金利は必要な限り制限的なままとする。
・ECBはまだ警戒しており、忍耐を必要としている。
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<月曜日の材料と事前予想>
【日本】
経常収支(4月)08:50
予想 17000億円 前回 33988億円
予想 20500億円 前回 20106億円(季調済)
貿易収支
予想 -3450億円 前回 4910億円
GDP2次速報値(2024年 第1四半期)08:50
予想 -0.5% 前回 -0.5%(前期比)
予想 -2.0% 前回 -2.0%(前期比年率)
GDPデフレータ
予想 3.6% 前回 3.6%(前年比)
米NY連銀調査1年インフレ期待(5月)
ホルツマン・オーストリア中銀総裁が会議「中央銀行の未来と課題」開会挨拶
アップル年次開発者会議(WWDC)(14日まで)
端午節で中国市場と香港市場は休場
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 きょうのNY為替市場、この日の米雇用統計を受けてドル買いが強まり、ドル円は一
時157円台に上昇する場面が見られた。ただ、以前のような力強さはなく、上値に慎
重になっているのか、買いが一巡すると伸び悩む展開も見られていた。ただ、本日の上
昇で21日線の上を回復している。
 5月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が27.2万人増と予想を大き
く上回る増加を示した一方、失業率は4.0%に悪化し、強弱まちまちな内容ではあっ
た。ただ、平均時給は前月比0.4%、前年比で4.1%上昇し、いずれも前回を上回
っていた。インフレの粘り強さを示唆する内容ではある。
 これを受けて市場は、FRBの年内利下げ期待を再度後退させており、9月の利下げ
はほぼ無いとの見方に変化しているほか、年内も12月の1回に留まるとの見方を織り
込み始めている。
 来週はFOMCが予定され、今回は委員の金利見通し(ドット・プロット)が公表さ
れる。FOMCの結果発表当日の朝に5月の米消費者物価指数(CPI)が発表され、
その数字次第の面もあるが、年末までの利下げ予想の中央値を3月時点の3回から1回
に下方修正してくるのではとも見られているようだ。
 ユーロドルは戻り売りが強まり、1.08ドルちょうど付近に下落。きょうの下げで
21日線を下回り、1.08ドルちょうど付近に来ている100日線に一気に接近し
た。
 ECBが前日に利下げを開始。大方の予想通りでもあり、ECBは追加利下げに慎重
姿勢を示したこともあって、ユーロ買いの反応は限定的だった。ラガルド総裁のインタ
ビューが伝わっていたが、追加利下げには慎重姿勢を滲ませていた。
 本日はビルロワドガロー仏中銀総裁の発言も伝わっていたが、ユーロ圏経済はソフト
ランディングの最中にあり、今回の利下げはECBの自信の表れだと述べていた。イン
フレは来年までに目標の2%へと低下し、フランスでは恐らくもう少し早く低下すると
いう。賃金圧力は依然強く、従業員1人当たりの賃金は着実に上昇しているものの、全
体的な単位労働コストは鈍化しているという。
 ポンドドルも急速に売りが強まり、1.27ドル台前半に下落。本日の21日線が
1.2710ドル付近に来ているが、その水準をうかがう動き。
 今週はポンド自体の材料は少なく、ドルがポンドドルの動きを主導している。ただ、
来週は英雇用統計や月次GDPなどの材料が目白押しで、英中銀の利下げ期待に何らか
のヒントを与えてくれる可能性もありそうだ。短期金融市場ではいまのところ、8月ま
での利下げの可能性は40%程度、9月までなら65%程度、11月までなら完全に織
り込みといった状況となっている。
 きょうはハリファックスが英住宅価格指数を公表していたが、5月の平均価格は前月
比で僅かに下落した。ただ、前年比では1.5%の上昇と4月の1.1%から6カ月連
続で拡大している。賃金上昇と限られた住宅供給が住宅価格を下支えしており、住宅問
題は総選挙の争点の1つとなっている。与野党は住宅所有者だけでなく、初めて住宅を
購入する人や引っ越しをする人に何らかのアピールを行うかもしれない。
MINKABU PRESS