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2024年06月07日(金)05時29分

NY外為市況=155円台に再び下落

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日本時間午前5時28分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  155.62 - 0.49 (- 0.31%) 156.44 / 155.37
ユーロ・ドル 1.0892 + 0.0023 (+ 0.21%) 1.0902 / 1.0862
ポンド・ドル 1.2794 + 0.0007 (+ 0.05%) 1.2809 / 1.2763
ドル・スイス 0.8896 - 0.0039 (- 0.44%) 0.8941 / 0.8895
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<きょうの材料>
※経済指標
【米国】
*米新規失業保険申請件数(05/26 - 06/01)21:30
結果 22.9万件
予想 22.0万件 前回 22.1万件(21.9万件から修正)
*米貿易収支(4月)21:30
結果 -746億ドル
予想 -750億ドル 前回 -686億ドル(-694億ドルから修正)
*米非農業部門労働生産性(確報値)(第1四半期)21:30
結果 0.2%
予想 0.3% 速報値 0.3%(前期比)
*単位労働コスト
結果 4.0%
予想 4.7% 速報値 4.7%(前期比)
【ユーロ圏】
*ECB中銀預金金利(6月)21:15
結果 3.75%
予想 3.75% 前回 4.00%
※発言・ニュース
*ECB声明
・特定の金利の道筋をあらかじめ約束しない。
・下半期にPEPPポートフォリオ削減する計画と再び強調。
・データ依存と会合ごとのアプローチに従う方針。
*ECBスタッフ予測
(インフレ)
・24年は3月予測の2.3%から2.5%に。
・25年は3月予測の2.0%から2.2%に。
・26年は3月予測の1.9%に据え置き。
(成長)
・24年は3月予測の0.6%から0.9%に。
・25年は3月予測の1.5%から1.4%に。
・26年は3月予測の1.6%に据え置き。
*ラガルドECB総裁
・ECBは特定の金利の道筋を事前に約束しない。
・製造業は安定化の兆し示している。
・今後数四半期、強い輸出が成長を支える。
・国家的な政策は生産性に焦点当てるべき
・インフレは来年下半期に向けて2%に低下へ。
・賃金は上昇ペース加速。
・先行きの指標は賃金上昇の緩和を示唆。
・成長に対するリスク、短期的には均衡も中期的には下振れ。
*ECBは7月利下げをほぼ除外
 本日のECB理事会で理事らは7月の追加利下げの可能性をほぼ排除していたとい
う。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。一部のメンバーは、9月に行うとして
も賢明な動きなのか疑問視しているという。
*オーストリア中銀総裁が利下げに唯一反対
 ECB理事のホルツマン・オーストリア中銀総裁のスポークスマンは同総裁が利下げ
に唯一反対したことを認めた。データ主導で意思決定すべきと語ったという。
*IMF、ECBの利下げは適切と指摘
 ECBがこの日の理事会で利下げを開始したが、これについてIMFは「ECBの政
策は適切だと評価している」と述べた。「これまでも述べてきたように、ECBが6月
に利下げを開始したことは適切だったと考えている。しかし、ECBがデータ依存のア
プローチと会合ごとのアプローチを維持することも重要だ」とも語った。
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<明日の材料と事前予想>
【中国】
貿易収支(5月)時刻未定
予想 N/A 前回 5134.5億元(人民元建て)
予想 723.0億ドル 前回 723.5億ドル(ドル建て)
【日本】
景気先行指数(速報値)(4月)14:00
予想 111.5 前回 112.2
景気一致指数
予想 114.4 前回 113.6
【ユーロ圏】
ドイツ鉱工業生産指数(4月)15:00
予想 0.1% 前回 -0.4%(前月比)
予想 -3.1% 前回 -3.3%(前年比)
ドイツ貿易収支(4月)15:00
予想 227億ユーロ 前回 222億ユーロ
ユーロ圏実質GDP(確報値)(第1四半期)18:00
予想 0.3% 前回 0.3%(前期比)
予想 0.4% 前回 0.4%(前年比)
【カナダ】
雇用者数増減(5月)21:30
予想 2.00万人 前回 9.04万人(前月比)
失業率
予想 6.2% 前回 6.1%
【米国】
米雇用統計(5月)21:30
非農業部門雇用者数
予想 19.0万人 前回 17.5万人(前月比)
失業率
予想 3.9% 前回 3.9%
平均時給
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
予想 4.0% 前回 3.9%(前年比)
ハンター豪中銀チーフエコノミストが講演
ナーゲル独連銀総裁が講演
シュナーベルECB理事が講演
ホルツマン・オーストリア中銀総裁が講演
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 きょうのNY為替市場でドル円は戻り売りが優勢となり、155円台半ばに再び下落
している。海外時間に入って一時156円台に買い戻され、本日の156.30円付近
に来ている21日線を上回る場面もあったものの、押し戻されている。
 市場の関心は明日の米雇用統計に移っているが、非農業部門雇用者数(NFP)は前
回から若干の増加幅拡大が見込まれている。しかし、失業率、平均時給は前回と概ね同
水準が見込まれている状況。一部のエコノミストからは、予想を下回り、米労働市場の
冷え込みを示す内容になるのではとの見方も出ているようだ。いずれにしろ、来週のF
OMCを前に米利下げムードが再び高まるかを確認するイベントとなりそうだ。
 ユーロドルは1.08ドル台後半での推移。この日のECB理事会を受けて、一時
1.09ドル台に上昇する場面が見られた。ECBはこの日の理事会で利下げを開始。
中銀預金金利を従来の4.00%から3.75%に引き下げた。2022年7月のマイ
ナス金利解除以降、約1年11カ月続いた利上げサイクルに一旦終止符を打った。
 ただ、声明では「特定の金利の道筋をあらかじめ約束はしない」と述べたうえで、今
年と来年のインフレ見通しを引き上げていた。ラガルド総裁も会見で、スピードとタイ
ミングはデータ次第であることを強調。市場ではタカ派な利下げとの印象に結びついた
ようた。
 市場では次の利下げのタイミングに様々な見方が出ているが、9月との見方が多い。
少なくとも7月の連続利下げを予想する向きは少ない。とはいえ、賃金上昇率は依然と
して高く、インフレも5月に上昇した点を考慮すれば、9月利下げはスラムダンク(確
実な成功や容易な達成)ではないとの指摘も出ていた。
 ポンドドルは緩やかな売りに押され、一時1.27ドル台半ばに値を落とす場面が見
られたものの、1.28ドル手前まで戻している。市場は明日の米雇用統計を待つ中
で、ポンドについてはポジション調整中心の値動きに終始していたようだ。1.28ド
ル台では売り圧力が強まるものの、下押す動きも見られず、リバウンド相場を継続して
いる状況。
 英国では7月4日に総選挙が実施される。世論調査では野党・労働党がリードしてい
るが、世論調査通りに労働党が勝利しても、目先の経済の見通しに大きな変化はないと
考えられている。
MINKABU PRESS