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2024年06月05日(水)05時34分

NY外為市況=ドル円は154円台に下落

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日本時間午前5時33分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  154.84 - 1.24 (- 0.79%) 156.49 / 154.55
ユーロ・ドル 1.0879 - 0.0025 (- 0.23%) 1.0916 / 1.0859
ポンド・ドル 1.2768 - 0.0040 (- 0.31%) 1.2817 / 1.2743
ドル・スイス 0.8902 - 0.0055 (- 0.61%) 0.8972 / 0.8885
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<きょうの材料>
*米耐久財受注(確報値)(4月)23:00
結果 0.6%
予想 0.7% 前回 0.7%(前月比)
結果 0.4%
予想 0.4% 前回 0.4%(輸送除くコア・前月比)
*米製造業新規受注(4月)23:00
結果 0.7%
予想 0.7% 前回 0.8%(1.6%から修正)(前月比)
米求人件数(4月)23:00
結果 805.9万人
予想 831.5万人 前回 835.5万人(848.8万人から修正)
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<明日の材料と事前予想>
【豪州】
実質GDP(2024年 第1四半期)10:30
予想 0.2% 前回 0.2%(前期比)
予想 1.3% 前回 1.5%(前年比)
【中国】
財新コンポジットPMI(5月)10:45
予想 52.7 前回 52.8
財新非製造業PMI
予想 52.6 前回 52.5
【ユーロ圏】
ドイツ非製造業PMI(確報値)(5月)16:55
予想 53.9 前回 53.9
ユーロ圏非製造業PMI(確報値)(5月)17:00
予想 53.3 前回 53.3
ユーロ圏生産者物価指数(4月)18:00
予想 -0.5% 前回 -0.4%(前月比)
予想 -5.2% 前回 -7.8%(前年比)
【英国】
サービス業PMI(確報値)(5月)17:30
予想 52.9 前回 52.9
【米国】
ADP雇用者数(5月)21:15
予想 17.7万人 前回 19.2万人(前月比)
非製造業PMI(確報値)(5月)22:45
予想 54.8 前回 54.8
コンポジットPMI
予想 54.4 前回 54.4
ISM非製造業景気指数(5月)23:00
予想 51.1 前回 49.4
【カナダ】
中銀政策金利(6月)22:45
予想 4.75% 前回 5.00%
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 きょうのNY為替市場でドル円は売りが加速し、154円台半ばまで一時下落した。
一旦155円台に買い戻されていたものの、上値での戻り売り圧力も強まりつつあるの
か、155円台を維持できていない。きょうの下げで21日線を下放れる展開が見ら
れ、ロング勢の利益確定売りを誘ったようだ。
 ただ、本日の市場全体はドル買いが見られていたが、それ以上に円買いの動きが強ま
っている模様。東京時間に日銀が来週の決定会合で国債購入額の減額を検討するのでは
との報道が流れていたが、海外勢の間では日銀の利上げ期待が根強い。年内にあと3
回、計0.75%の利上げを見込む声もあるようだ。このところの日銀審議委委員の発
言のトーンが変わっており、円安に一段と敏感になっていることを示唆していることが
背景だという。
 今週から6月相場に入っているが、市場の意識がFRBの利下げから米景気の先行き
に変化している面も指摘されている。前日のISM指数は米景気の先行き不透明感を強
める内容となっていたが、市場はそれにネガティブな反応を見せていた。本日も米求人
件数が発表され、米労働市場の鈍化傾向が示されていた。FRBの利下げ期待を正当化
する内容ではあるが、ドル売りの反応は出てない。ドル円については、呼応している米
国債利回りの下げに直接反応している可能性が高いものの、米景気の先行き警戒感か
ら、これまでの円ショートを見直す動きが出ているのかもしれない。
 ユーロドルは戻り売りに押された。強い上値抵抗も観測されていた1.09ドル台に
上昇していたものの、NY時間にかけて1.08ドル台に伸び悩む展開。ただ、リバウ
ンド相場はしっかりと維持されている状況。
 ユーロに関しては木曜日のECB理事会待ちの面も強いが、利下げ開始が確実視され
ている。一部からは、ECBはFRBの利下げを待つ必要はなく、FRBに先駆けたE
CBの利下げは理に適っているとの指摘が出ている。インフレや成長における大西洋間
の差はそれを正当化するという。
 また、市場は年初にECBの利下げを織り込み過ぎた面もあり、市場は今後12-1
5カ月間にECBがどの程度の利下げを行うかをやや過小評価しているとも指摘。その
うえで、今回の6月のほか、9月、12月に更新されるスタッフ見通しに合わせ、四半
期ごとに0.25%ポイントずつ計0.75%ポイントの利下げを今年は実施するとの
見方を堅持するとしている。
 ポンドドルはNY時間の前半のドル買いで一時1.27ドル台半ばまで下落した。東
京時間の早朝に英小売協会(BRC)が5月の英既存店売上高を発表していたが、前年
比0.4%増と予想は下回ったものの小幅に増加していた。
 これを受けてエコノミストからは、英中銀は利下げに踏み切るはずだとの指摘が出て
いる。食品の売上高が全体を押し上げ、食料品価格の上昇も抑えられ、買い物客の実質
的な消費力が高まっていることを示唆する内容となった。英消費者の実質的な生活水準
は引き続き改善されるはずで、これは英中銀に利下げへの道を開くが、7月初旬の次期
政権誕生までは待つ可能性が高く、8月か9月に最初の利下げが行われる可能性がある
という。
MINKABU PRESS