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2024年05月31日(金)05時47分

NY外為市況=ドル売り優勢

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日本時間午前5時46分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  156.81 - 0.83 (- 0.53%) 157.67 / 156.38
ユーロ・ドル 1.0831 + 0.0030 (+ 0.28%) 1.0845 / 1.0788
ポンド・ドル 1.2732 + 0.0031 (+ 0.24%) 1.2747 / 1.2681
ドル・スイス 0.9033 - 0.0099 (- 1.08%) 0.9141 / 0.9031
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<きょうの材料>
*実質GDP(改定値)(第1四半期)21:30
結果 1.3%
予想 1.3% 前回 1.6%(前期比年率)
個人消費
結果 2.0%
予想 2.2% 前回 2.5%(前期比年率)
GDPデフレータ
結果 3.0%
予想 3.1% 前回 3.1%(前期比年率)
PCEコアデフレータ
結果 3.6%
予想 3.7% 前回 3.7%(前期比年率)
*新規失業保険申請件数(05/19 - 05/25)21:30
結果 21.9万件
予想 21.6万件 前回 21.6万件(21.5万件から修正)
*ウィリアムズNY連銀総裁
・金融政策が景気抑制的であるという十分な証拠ある。
・利上げは自分の基本シナリオではない。
・インフレは24年下半期に緩和を再開すると予想。
・今後のデータは経済成長の鈍化を示唆。
・24年のGDPは2~2.5%増、失業率は4%前後を予想。
・最近のデータはディスインフレ傾向の中断を意味しない。
・PCEデフレータは24年に2.5%に緩和、25年には2.0%へ近づく。
*ボスティック・アトランタ連銀総裁
・適切なら9月利下げはあり得る。
・7月利下げは予想していないが、データ次第で可能性は排除しない。
・インフレの見通しは非常に緩やかなものになる。
・FRBは制限的なスタンスに留まる必要。
・サービスインフレに改善の兆しがあるか注目。
・2%目標達成のために利上げが必要になるとは思わない。
・経済は成長を続けているが、成長ペースは遅い。
・失業率が跳ね上がることなくインフレ目標を達成できると予想。
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<明日の材料と事前予想>
【日本】
東京都区部消費者物価指数(5月)08:30
予想 1.9% 前回 1.6%(生鮮食料品除くコア・前年比)
完全失業率(4月)08:30
予想 2.6% 前回 2.6%
有効求人倍率
予想 1.28倍 前回 1.28倍
鉱工業生産(速報値)(4月)08:50
予想 1.6% 前回 4.4%(前月比)
予想 -1.2% 前回 -6.2%(前年比)
【中国】
製造業PMI(5月)10:30
予想 50.5 前回 50.4
非製造業PMI(5月)10:30
予想 51.5 前回 51.2
【英国】
ネーションワイド住宅価格指数(5月)15:00
予想 0.0% 前回 -0.4%(前月比)
予想 0.8% 前回 0.6%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ小売売上高(4月)15:00
予想 -0.3% 前回 2.3%(前月比)
予想 2.4% 前回 -2.2%(前年比)
フランス実質GDP(確報値)(第1四半期)15:45
予想 0.2% 前回 0.2%(前期比)
予想 1.1% 前回 1.1%(前年比)
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(概算値速報)(5月)18:00
予想 0.2% 前回 0.6%(前月比)
予想 2.6% 前回 2.4%(前年比)
予想 2.7% 前回 2.7%(コア・前年比)
【カナダ】
実質GDP(2024年 第1四半期)21:30
予想 1.7% 前回 1.0%(前期比年率)
【米国】
個人所得(4月)21:30
予想 0.4% 前回 0.5%(前月比)
個人支出
予想 0.3% 前回 0.8%(前月比)
PCEデフレータ(4月)21:30
予想 0.4% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.7% 前回 2.7%(前年比)
予想 0.3% 前回 0.3%(コア・前月比)
予想 2.8% 前回 2.8%(コア・前年比)
シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(5月)22:45
予想 40.0 前回 37.9
日銀国債買い入れ日程(6月)
日銀国債買い入れオペ(3-5年、5-10年、10-25年、25年超)
外国為替平衡操作実施状況 (4月26日-5月29日)
ボスティック・アトランタ連銀総裁がオーガスタ大学卒業式で挨拶
アジア安全保障会議(通称:シャングリラ会合)(6月2日まで)
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 きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となり、ドル円は156円台半ばまで一時下
落した。この日の第1四半期の米GDP改定値が個人消費の鈍化で下方改定になったこ
とがドルの戻り売りを誘発。米国債利回りも低下しており、ドル円も戻り売りに押され
ている格好。本日はウィリアムズNY連銀総裁とボスティック・アトランタ連銀総裁の
発言が伝わっていたが、比較的ハト派な発言だったこともドルを圧迫した。
 本日は円の買い戻しも見られ、ドル円のみならずユーロ円やポンド円も戻り売りに押
された。本日も株安が続いており、前日には見られなかったリスク回避の円買いが出て
いるとの指摘も出ている。月末接近で市場は調整色を強めているが、株安と伴に個人投
資家中心に円ショートの巻き戻しが出ているのかもしれない。
 ドル円は基本的に米国債利回りに沿った値動きを続けており、直近の利回り上昇がド
ル円を下支えしている。ただ一部からは、直近の米国債利回りの上昇は新たなトレンド
を示唆していないとの指摘も出ている。米長期金利への期待は比較的安定しており、過
去のような新たなトレンドの始まりにはならないという。
 また、明日のPCEデフレータに市場の注目が集まっているが、インフレに関しては
よりタイムリーな消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)がすでに発表
になっているため、それで米国債が売られ、利回りが上昇するには限界があるという。
 ユーロドルは前日の下げを取り戻す動きが出て、1.08ドル台を回復。きょうの上
げで200日線や100日線を維持しており、4月中旬以降のリバウンド相場の流れに
かろうじて踏み留まってる。
 来週はECB理事会が開催され、0.25%ポイントの利下げが確実視されている。
市場では6月の利下げ後もECBは追加利下げを実施して行くのか、そのヒントに注目
している。短期金融市場では6月を含めて年内に2回か3回の利下げを見込んでいる状
況。
 ただ、足元の経済指標は強い内容が出ており、本日発表の4月のユーロ圏失業率も
6.4%と過去最低水準に低下し、雇用市場がECBの想定以上に堅調であることが示
されていた。明日は5月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が発表になる
が、前年比では前回同様の水準が見込まれている。前日のドイツ消費者物価指数は予想
を上回る内容であったが、ユーロ圏も予想を上回る内容であれば、追加利下げの期待は
後退する可能性もありそうだ。
 ポンドドルも前日の下げからの買い戻しが膨らんだ。一時1.26ドル台まで下落し
ていたが、1.27ドル台半ばに戻す展開。目先は1.28ドルちょうど付近が強い上
値抵抗として意識される。
 一部からは、英中銀は賃金の伸びとインフレが望ましい水準を上回っていても8月に
利下げを開始する可能性があるとの見方が出ている。英中銀は利下げ開始後でも金利は
制限的であると考えているため、賃金上昇率と基調インフレが目標に沿った水準から大
きく離れている場合でも、緩和を開始することができるという。
 短期金融市場では現在、英中銀が9月までに利下げを実施する確率を50%前後、1
1月までならほぼ完全に織り込んでいる状況。
MINKABU PRESS