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2024年05月29日(水)05時32分

NY外為市況=157円台前半に上昇

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日本時間午前5時31分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  157.15 + 0.27 (+ 0.17%) 157.16 / 156.59
ユーロ・ドル 1.0860 + 0.0001 (+ 0.01%) 1.0889 / 1.0855
ポンド・ドル 1.2762 - 0.0007 (- 0.05%) 1.2801 / 1.2754
ドル・スイス 0.9122 - 0.0015 (- 0.16%) 0.9141 / 0.9086
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<きょうの材料>
※経済指標
*コンファレンスボード消費者信頼感指数(5月)23:00
結果 102.0
予想 96.6 前回 97.5(97.0から修正)
※発言・ニュース
*米2年債入札結果
最高落札利回り 4.917(WI:4.917)
応札倍率    2.41倍(前回:2.66倍)
*米5年債入札結果
最高落札利回り 4.553%(WI:4.540%)
応札倍率    2.30倍(前回:2.39倍)
*カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
・利上げを選択肢から排除した人はいないと思う。
・米労働市場は軟化したが、依然としてタイト。
・2%目標に対して賃金上昇率はまだかなり堅調。
・データに驚けば、FRBは必要なことをする。
・短期の中立金利は一時的に上昇した可能性。
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<明日の材料と事前予想>
【豪州】
消費者物価指数(月次)(4月)10:30
予想 3.3% 前回 3.5%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツGfK消費者信頼感調査(6月)15:00
予想 -22.7 前回 -24.2
ドイツ消費者物価指数(速報)(5月)21:00
予想 0.2% 前回 0.5%(前月比)
予想 2.4% 前回 2.2%(前年比)
調和消費者物価指数(HICP)
予想 0.3% 前回 0.6%(前月比)
予想 2.7% 前回 2.4%(前年比)
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(05/18 - 05/24)20:00
予想 N/A 前回 1.9%(前週比)
安達日銀審議委員が金融経済懇談会で講演
米地区連銀経済報告(ベージュブック)
ビルロワドガロー仏中銀総裁が健全性監督破綻処理機構(ACPR)会合出席
ウィリアムズNY連銀総裁が会議出席
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 きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となり、ドル円は157円台に買い戻され
た。NY時間にかけて一時156.60円付近まで値を落としていた。タカ派色の強い
カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の発言に敏感に反応したようだ。同総裁が「利上げ
を選択肢から排除した人はいないと思う」と述べたことに敏感に反応したほか、そのあ
との米消費者信頼感指数が予想を上回ったこともドル買い戻しを加速させたようだ。
 5月も最終週となったが、市場は週末に発表される4月のPCEデフレータの発表を
待っている。総合指数、コアとも前年比で2.7%―2.8%程度の上昇を見込んでい
る。既に発表になっている米消費者物価指数(CPI)はインフレの落ち着きを示唆し
ていたが、こちらは前回と変わらずの水準が見込まれているようだ。PCEデフレータ
はCPIに比べて住居費のウェートが小さいことから低めに出ているが、FRBは住居
費とサービスインフレに着目している。
 強い米経済指標やFOMC委員のタカ派発言などで、市場は年内の利下げ期待を後退
させている。FRBの利下げについて短期金融市場では、年末までに1回は完全に織り
込んでいるものの、2回については35%程度の織り込みに留まっている状況。
 ユーロドルは伸び悩む動きが見られた。ただ、1.08ドル台はしっかりと維持して
おり、底堅い展開が見られた。1.09ドル台には依然慎重なものの、探る展開は継続
している状況に変化はない。市場はECBの6月利下げ開始を確実視しており、ECB
理事をそれを追認している状況。だた、市場の関心はその次に移っており、期待ほど利
下げはできないのではとの見方も出ている。
 本日はクノット・オランダ中銀総裁の講演が伝わっていたが、モデルによると経済的
に大きな代償を支払わずにインフレを下げるのには、年内の利下げ回数は3―4回と見
られると述べていた。だだし、直近の賃金指標はまだ急ピッチで上昇していることを示
しており、インフレ鈍化の過程は不安定なものになる可能性が高いとも指摘していた。
 金利のガイダンスは役立つが、足元の情勢を踏まえると、特定の金利の道筋について
コミットすることは避けなければならないとも語っている。
 このところのドル円は上げが一服しているものの、円安は根強く続いており、ユーロ
円やポンド円などクロス円が高値を更新。特にポンド円は200円台半ばまで上昇し、
約16年ぶりの円安水準となっている。介入前の水準に並ぶ動き。
 円キャリー取引が当面続くとの見方が根強い。日銀の追加利上げがあっとしても、市
場がキャリー取引の対象として円を選択する意欲を削ぐことはないとの指摘も出てい
る。他のG10の中銀が予想を遥かに上回る利下げサプライズでも起こさない限り、円
は買い余地がないとの声も出ている。
 対ドルでは財務省の介入警戒感があるが、対ポンドでの介入は未知数。過去に対ユー
ロでは介入があったが、その時はユーロ買い・円売り介入ではあった。今回は円買い介
入になるので、売るためのユーロ建てやポンド建ての資産が必要になる。
MINKABU PRESS