経済ニュース

<< 一覧に戻る

2024年05月23日(木)05時37分

NY外為市況=ドル買い優勢

--------------------------------------
日本時間午前5時36分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  156.76 + 0.59 (+ 0.38%) 156.78 / 156.11
ユーロ・ドル 1.0822 - 0.0032 (- 0.29%) 1.0864 / 1.0818
ポンド・ドル 1.2716 + 0.0007 (+ 0.06%) 1.2761 / 1.2700
ドル・スイス 0.9156 + 0.0046 (+ 0.50%) 0.9158 / 0.9107
------------------------------------
<きょうの材料>
【米国】
*米中古住宅販売件数(4月)23:00
結果 414万件
予想 422万件 前回 422万件(419万件から修正)
米週間石油在庫統計(バレル・前週比)23:30
原油 +182.5万(4億5885万)
ガソリン -94.5万(2億2682万)
留出油  +37.9万(1億1674万)
(クッシング地区)
原油 +132.5万(3632万)
*()は在庫総量
*FOMC議事録
・政策金利をより長期に高水準での維持が望ましい。
・様々な参加者が必要なら追加引き締めに前向き。
・多くが景気抑制の度合いに確信持てず。
・多くが金融情勢が緩和過ぎたと指摘。
・インフレへの信頼に思ったより時間がかかる。
・数人が民間の信用市場の急成長について言及。
・数人がバランスシート縮小のペース維持を支持。
*米20年債入札結果
最高落札利回り 4.635(WI:4.637%)
応札倍率    2.51倍(前回:2.82倍)
*スナク英首相、7月4日に総選挙実施
 スナク英首相は7月4日に総選挙を実施すると発表した。「われわれがすべてを上手
くやったとは言えないし、これからも言うつもりはない。どんな政府もそうあるべきで
ない。いまこそ英国は未来を選択する時だ」と述べている。
-----------------------------------
<明日の材料と事前予想>
【NZ】
小売売上高(2024年 第1四半期)07:45
予想 -0.4% 前回 -1.9%(前期比)
【ユーロ圏】
ドイツ製造業PMI(速報値)(5月)16:30
予想 43.3 前回 42.5
ドイツ非製造業PMI(速報値)(5月)16:30
予想 53.4 前回 53.2
ユーロ圏製造業PMI(速報値)(5月)17:00
予想 46.0 前回 45.7
ユーロ圏非製造業PMI(速報値)(5月)17:00
予想 53.5 前回 53.3
【英国】
製造業PMI(速報値)(5月)17:30
予想 49.5 前回 49.1
サービス業PMI(速報値)(5月)17:30
予想 54.8 前回 55.0
【米国】
新規失業保険申請件数(05/12 - 05/18)21:30
予想 21.9万件 前回 22.2万件
製造業PMI(速報値)(5月)22:45
予想 49.9 前回 50.0
非製造業PMI
予想 51.5 前回 51.3
コンポジットPMI
予想 51.0 前回 51.3(速報値)
新築住宅販売件数(4月)23:00
予想 67.8万件 前回 69.3万件
ピル英中銀チーフエコノミストが経済会議「マクロ経済の安定化」出席
ボスティック・アトランタ連銀総裁が講演
G7財務相中央銀行総裁会議(25日まで)
-----------------------------------
 きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となった。午後に公表されたFOMC議事録
を受けてドル買いの反応が見られている。ドル円は156.70円近辺に上昇。議事録
では「政策金利をより長期に高水準での維持が望ましい」との見解で一致していたほ
か、様々な参加者が必要なら追加引き締めに前向きになっていることが明らかとなっ
た。
 前回FOMC後のパウエルFRB議長の会見では利上げに否定的な見解が示されてい
たが、それらと比べると若干タカ派な印象も広がった模様。一部からは「今回の議事録
はデータが今後の金融政策の動向を決定するというシナリオを裏付けた」との指摘が出
ていた。全体的に想定範囲内の内容ではあったものの、手掛かり材料に乏しい中で敏感
に反応していた模様。
 ユーロドルは1.08ドル台前半にやや値を落とした。ただ、強い上値抵抗が観測さ
れている1.09ドル付近には慎重な雰囲気だが、下げる気配もなく1.08ドル台で
の底堅い推移が続いている状況に変化はない。本日はECB理事のレーン・フィンラン
ド中銀総裁の発言が伝わっていたが、インフレと賃金の伸び鈍化が6月に利下げを実施
する強いケースになると述べていた。
 市場も6月利下げを確実視しているが、その先のヒントを探っている。しかし、レー
ン総裁は現在の傾向が続くかを見極めたい姿勢を強調するに留まり「われわれはどのよ
うな金利の道筋も事前にコミットしない」と述べていた。レーン総裁はまた、FRBの
動向はECBの決定を左右するものではないとのコメントも繰り返していた。
 ポンドドルは1.27ドル台で上下動。ロンドン時間に4月の英消費者物価指数(C
PI)が発表され、総合指数は前年比2.3%と予想は上回ったものの、2%のインフ
レ目標に一気に接近した。しかし、英CPIを受けて6月利下げ期待を大きく後退させ
ている。コア指数が予想ほど鈍化しなかったほか、特に注目されていたサービスCPI
が前年比5.9%と前回の6.0%からさほど鈍化しなかった点が失望感を強めたよう
だ。
 サービスインフレは賃金が伸び鈍化から冷え込みへのシフトが遅れていることが示唆
されており、英中銀が6月利下げに踏み切るには不十分な内容との指摘も出ている。短
期金融市場では6月までの利下げ確率が前日の50%程度から10%に大きく低下し、
8月まで利下げについても50%程度に一気に低下している。
 エコノミストからは様々な見方が出ており、4月のデータの多くが一過性のもので6
月の可能性が全く無くなったとは言えないが、8月が最も可能性が高いとの指摘の一
方、再利上げの可能性も否定できないとの声まで出ている。
MINKABU PRESS