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2025年08月23日(土)06時20分

NY外為市況=パウエル米FRB議長発言で約2円のドル安円高

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日本時間午前6時19分現在での主要通貨は以下の通り。
           直近値 前日のNY17時比 高値 / 安値
ドル・円  146.94 - 1.43 (- 0.96%) 148.78 / 146.58
ユーロ・ドル 1.1719 + 0.0113 (+ 0.97%) 1.1743 / 1.1583
ポンド・ドル 1.3525 + 0.0113 (+ 0.84%) 1.3544 / 1.3391
ドル・スイス 0.8015 - 0.0072 (- 0.89%) 0.8104 / 0.8000
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<きょうの材料>
※経済指標
【メキシコ】
実質GDP(2025年 第2四半期)21:00
結果 0.6%
予想 0.7% 前回 0.7%(前期比)
結果 0.0%
予想 0.1% 前回 0.1%(前年比)
【カナダ】
小売売上高(6月)21:30
結果 1.5%
予想 1.5% 前回 -1.2%(-1.1%から修正)(前月比)
結果 1.9%
予想 1.1% 前回 -0.3%(-0.2%から修正)(コア・前月比)
※発言・ニュース
*コリンズ・ボストン連銀総裁
インフレは上振れリスク、雇用市場は下振れリスク
政策は控えめな制限で妥当
次回の会合についてはまだ決まっていない
*パウエルFRB議長 ジャクソンホール会議基調演説
失業率など雇用市場の安定により、政策スタンスの変更に対して慎重に進めることがで
きる
とはいえ、現状の政策は幾分引き締め的であり、基本的な見通しとリスクバランスの変
化を踏まえ、スタンスの調整が必要となる可能性がある。
労働市場は需要と供給の双方が著しく減速した奇妙なバランスにある
このバランスは雇用の下振れリスクが高まっていることを示唆している
関税がCPIに与える影響は今や顕在、その影響は比較的短期
安定したインフレ予想を当然のものとすることはできない
*トランプ大統領
クック理事が退任しないのであれば解任する
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<月曜日の材料と事前予想>
【NZ】
小売売上高(2025年 第2四半期)07:45
予想 -0.3% 前回 0.8%(前期比)
【日本】
景気動向指数(確報値)(6月)14:00
予想 106.1 前回 106.1(景気先行指数)
予想 116.8 前回 116.8(景気一致指数)
【ユーロ圏】
ドイツIfo景況感指数(8月)17:00
予想 88.5 前回 88.6(Ifo景況感指数)
【米国】
新築住宅販売件数(7月)23:00
予想 63.0万件 前回 62.7万件(新築住宅販売件数)
予想 -0.2% 前回 0.6%(前月比)
住宅建築許可件数(確報値)(7月)時刻未定
予想 135.4万件 前回 135.4万件(住宅建築許可件数)
予想 -2.8% 前回 -2.8%(住宅建築許可件数・前月比)
26日4:15 ローガン・ダラス連銀総裁、メキシコ中央銀行創立100周年記念イベント出
席(質疑応答あり)
米韓首脳会談
アジア最大規模ブロックチェーン・カンファレンス「WebX2025」開催(東京、29日ま
で)
サマーバンクホリデーのため英国市場は休場)
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 きょうのNY為替市場はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受け
て一気にドル安円高となった。カンザスシティ連銀主催の経済シンポジウム・ジャクソ
ンホール会議二日目朝の基調講演を行ったパウエル議長は、インフレの上振れリスクに
ついての警戒を示しつつも、雇用市場の下振れリスクに言及し、金融政策スタンスの調
整が必要になる可能性に言及。昨年の「(利下げの)時が来た」ほどはっきりした表現
ではないものの、利下げを示唆する発言を行ったことで、ドル売りとなった。
 発言前まではドルはややしっかり。今月初めの米雇用統計を受けて強まった米利下げ
期待が、米CPIを受けて加速した後、米PPIの強い伸びで一気に後退、さらに昨日
の米PMIの伸びに期待がもう一段交代する形となってドル買いとなっていた。9月の
米FOMCでの利下げ確率が60%台まで低下する中で、ドル円は148円70銭台ま
で上昇。講演直前でも148円50銭台を付けていた。
 発言を受けて一気に147円50銭台を付け、戻りもほとんどなく146円台まで急
落。割れを付ける動き。その後146円50銭台まで下げた。NY午後に入ると週末前
ということもあり、さらなるドル安トライには慎重となったが、147円00銭前後ま
での戻りに留まるなど、上値の重さが継続した。
 住宅ローンの不正疑惑でトランプ政権から辞任要求が出ている米FRBのクック理事
について、大統領が辞任しないのであれば解任すると発言したことも、中銀の独立性へ
の警戒からドル売りとなった面がある。
 ドルはその他通貨に対しても売りが出た。ユーロドルは日中1.1583を付けた
後、パウエル議長講演前も1.1600前後とユーロ安ドル高基調が目立っていたが、
講演後は1.1700超えまで急騰。その後1.1743まで上値を伸ばした。ポンド
ドルも1.3391を付けた後、少し戻すも1.3420前後で講演を迎え、1.35
44まで上昇している。
 日米金利差縮小期待もあり、ドル円での反応が最も大きく、クロス円は円高となっ
た。ユーロ円は発言前に172円68銭を付け、少し落とした後、発言を受けて171
円80銭台まで売りが出た。パウエル議長発言で約2円落としたドル円に比べると対ド
ルでのユーロ買いの分下げが限定的も、売りが強い。ポンド円も199円50銭前後か
ら198円33銭を付けている。ともにNY午後は少し買戻しが入った。
MINKABU PRESS