CFDにはいろんな調整額があってよくわからないよ。
金利調整額や配当調整額、それに価格調整額って言うのもあるみたいだし。
しかも、同じ株価指数のCFDでも取引業者によって、金利調整と配当調整があったり・なかったり。
逆に価格調整があったり・なかったり。
さっぱり、わかんないな。
まず、各種調整額を整理するには、
そのCFDの取引対象が【現物】なのか【先物】なのかに基づいて各種調整額を整理する必要があるガォ。
基本的な構図はこれガォ!
【現物】を取引対象とするCFD | 【先物】を取引対象とするCFD | ||
金利調整額 | あり | なし | |
権利(配当)調整額 | あり | なし | |
価格調整額 | なし | A:決済期限ありのCFD | なし(残ポジションをロールオーバーせず、強制決済する) |
B:決済期限なしのCFD | あり(残ポジションを強制決済せず、ロールオーバーしてポジションを継続させる) |
LION CFDの株価指数CFDは、HPの取引要綱を見ると、
金利調整額と権利(配当)調整額があって、価格調整額がないね。
と言うことは、
【現物】を取引対象としているCFDっていうことね。
逆に価格調整額があって、金利調整額や権利(配当)調整額がない業者もあるけど、
この業者は【先物】を取引対象としているCFDってことね。
でも、【現物】と【先物】でどうして調整額の違いがあるんだろう?
そもそも、【先物】っていうのは、現時点で将来の決められた日(期日)に、
特定の商品を、予め決められた価格で売買することを約束する取引のことガォ。
その【先物】の価格は、理論的には、
先物価格 = 現物価格 + 金利 − 配当金
となるガォ。
つまり、【先物】には、
金利と配当金が既に反映されている価格だから
【先物】を取引対象とするCFDには
「金利調整額」や「権利(配当)調整額」がない、ということね。
「金利調整額」と「権利(配当)調整額」をもうちょっと詳しく知りたいな。
【現物】を取引対象とするCFDを買うということは、
【現物】の買い付け代金の全額を払わずに、
少額の証拠金を預けてCFD業者に代わりに買ってもらうイメージガォ。
つまり、CFDを買うための買い付け代金をCFD業者に借りていることになるガォ。
だから、借りている代金の金利を払うこととなるガォ。
この金利に該当するのが「金利調整額」ガォ。
例えば、市場の金利が4%で、
CFD業者の仲介料となる金利が3%とすると、
お客さんはそのポジション量に応じて7%分(=4%+3%)の
金利調整額を支払うこととなるガォ。
この「金利調整額」は、ニューヨーク時間の17時の時点のポジションに対してかかるのが一般的ガォ。
売っている場合も払うの?
【現物】を取引対象とするCFDを売るということは、
持っていない【現物】を少額の証拠金を預けてCFD業者に代わりに売ってもらうイメージガォ。
つまり、CFDを売った代金はCFD業者に貸し付けていることになるガォ。
だから、貸している代金の金利をもらうことになるガォ。
先の例で、市場の金利が4%でCFD業者の仲介料となる金利が3%とすると、
お客さんはそのポジション量に応じて1%分(=4%-3%)の
金利調整額を受け取ることとなるガォ。
但し、取引した銘柄の対象となる通貨の金利が低い場合は、
売りのポジションでも支払わなければならないガォ。
例えば、市場の金利が1%でCFD業者の仲介料となる金利が3%とすると、
お客さんは、売りポジションであっても
そのポジション量に応じて2%分(=1%-3%)の金利調整額を支払わないといけないガォ。
配当調整額についても教えてほしいな。
【現物】を取引対象とするCFDのポジションを保有すると
「権利(配当)調整額」が発生するガォ。
【先物】には配当の権利はないけど、【現物】は配当の権利があるんだガォ。
繰り返しになるけど、
【現物】を取引対象とするCFDを買うということは、
【現物】の買い付け代金の全額を払わずに、
少額の証拠金を預けてCFD業者に代わりに買ってもらうイメージになるガォ。
代わりに買ってもらっているので、
配当が発生したら、【現物】を保有していたらもらえる配当分として
「配当調整額」としてもらうこととなるガォ。
同じく、
【現物】を取引対象とするCFDを売るということは、
持っていない【現物】を
少額の証拠金を預けてCFD業者に代わりに売ってもらうイメージになるガォ。
持っていない【現物】を借りて、売っていることになるので
配当が発生したら、本来、借先のCFD業者がもらえるはずの配当分として、
「配当調整額」を払うこととなるガォ。
つまり、
買いポジションは「配当調整額」を受け取り、
売りポジションは「配当調整額」を支払うことになるガォ。
これは、信用取引の「配当落ち調整金」と同じイメージね。
でも、個別の株を保有しているんじゃないから、
配当のイメージがわかないな。
LION CFDでは株価指数のCFDを取引するから、
その株価指数の構成銘柄の中に配当がつく銘柄があれば、「配当調整金」が発生するんだガォ。
例えば、「日本N225」なら構成する225銘柄の中に
配当がつく銘柄があれば、
買いポジションでは
配当金額に準じた「配当調整額」を受け取り、
売りポジションでは
配当金額に準じた「配当調整額」を支払うこととなるガォ。
どれくらいの「配当調整額」がつくかの目安はどこかでわかるのかな?
LION CFDのHPには、取引日の夕刻までに
取引日の「金利調整額」と「権利(配当)調整額」の合計の予定額が
アップされるから参考にしてみてはどうガォ?
「日本N225」の配当があった2023/3/29の該当ページを
見てみるとこんな感じガォ。
2023/3/29の取引が終了する日本時間2023/3/30朝06:00にポジションを保有していたら、
「配当調整額」を含む調整額として、
1LOTあたり
買いポジションなら、約252円を受け取り、
売りポジションなら、約256円を支払うことになるガォ(赤枠参照)。
因みに「日本N225」に配当金がなかった3/28の取引では、こんな感じガォ。
つまり、この日は配当がなかったから
「金利調整額」のみが表示されていることになるガォ。
2023/3/28の取引が終了する日本時間3/29朝06:00に
ポジションを持っていたら、
保有ポジション1LOTあたり
買いポジションも、売りポジションも約2円の
支払いとなるガォ(赤枠参照)。
米国の3指数の「米国D30」「米国NQ100」「米国S500」は 売りの調整額がプラスになってるね。
この時、米国の金利は高くなっているから、CFD業者の金利を差し引いても、
売りポジションについては調整額を受け取れることとなるガォ。
因みにこの日はこの3つの指数にも配当はついてなかったから、「金利調整額」のみの金額になるガォ。
例えば、米国S500を
2023/3/28の取引が終了する日本時間3/29朝06:00にポジションを持っていたら、
保有ポジション1Lotあたり
買いポジションなら約0.092USDを支払い、
売りポジションなら約0.015USDを受け取ることとなるガォ(青枠参照)。
それじゃ、【先物】を取引対象とするCFDの「価格調整額」は何なんだろう?
【先物】取引には、決済をするための予め決められた日(期日)があるガォ。
だから、その期日が来たら、その取引でできたポジションを
決済しなければならないガォ。
もし、決済してなければ、強制的に決済されてしまうガォ。
このルールに従う【先物】を取引対象とするCFDが
冒頭の表の価格調整額の「A:決済期限ありのCFD」ガォ。
一方で、【先物】を取引対象とするCFDでも、
強制決済をせずに取引対象とする【先物】を次の期日の【先物】に乗り換えて、
ポジションを継続するCFDもあるガォ。
それに該当するのが、冒頭の表の価格調整額の「B:決済期限なしのCFD」ガォ。
約束していた日(期日)を先延ばしにするっていうこと?
そう、約束していた日(期日)を先延ばしにするんだけど、
これは取引の対象としている期日が近い【先物】(期近物)を
次に期日が近い【先物】(期先物)に乗り換える(限月交代)から、
当然、価格も違ってくるガォ。
その調整する価格差が「価格調整額」ガォ。
例えば、ある株価指数の3月限の価格が31,900ドル、
6月限の価格が32,000ドルだったら、
その価格差の100ドルを調整するわけになるガォ。
その100ドルをどう調整するの?
もし、買いのポジションを31,500ドルで持っていたとするガォ。
限月交代の時に31,900ドルだから400ドルの評価益が出ていることとなるガォ。
それが限月交代によって急に32,000ドルになると
500ドルの評価益になってしまうガォ。
評価益が500ドルとなる分、差分である100ドルを
証拠金から差し引いて調整するのが「価格調整」ガォ。
逆に次の期日のほうが安かったらどうなるの?
3月限が31,900ドル、6月限が31,800ドルとしたら、限月交代の時は400ドルの評価益、それが限月交代によって300ドルの評価益になってしまうから、逆に差分の100ドルを証拠金に加えて調整することになるガォ。
それじゃあ、買いポジションを持っている場合や 売りポジションを持っている場合も変わってくるよね?
そういうことガォ。
簡単にまとめると次の通りガォ。
価格調整額は、
■期先物の先物価格>期近物の先物価格の場合、
・買いポジションは価格差分を証拠金から差し引く
・売りポジションは価格差分を証拠金へ加える
■期先物の先物価格<期近物の先物価格の場合、
・買いポジションは価格差分を証拠金へ加える
・売りポジションは価格差分を証拠金から差し引く
◆【現物】を取引対象とするCFDは 「金利調整額」と「権利(配当)調整額」があって、「価格調整額」がないガォ!
「金利調整額」は、ポジションを持ったまま、取引日(米国東部標準時17:00)をまたぐと、
↓
売りポジションの場合、一般的に「金利調整額」を受け取ることができるガォ。
(「一般的」としたのは取引対象となる指数の通貨が低金利の場合は売りポジションでも支払いとなることがあるため)
買いポジションの場合、「金利調整額」を支払うこととなるガォ。
「権利(配当)調整額」は、取引している株価指数CFDの構成銘柄に配当が発生した場合、ポジションを持ったまま、取引日(米国東部標準時17:00)をまたぐと、
↓
買いポジションの場合、配当分の調整額を受け取ることとなるガォ。
売りポジションの場合、配当分の調整額を支払うこととなるガォ。
金利調整額 |
権利(価格)調整額 | |
買いポジション | 支払い | 受取り |
売りポジション | 受取り | 支払い |
これなら、
売りポジションでは金利調整額を受け取ることができるし、
配当がつくタイミングを見てうまく買いポジションを持てば、
支払う金利調整額以上の配当調整額を
効率よく受け取って利益を狙うことができるってことね。
ポジションを売買する以外にも利益を狙えるチャンスがあるなんて、
投資方法の幅が広がるね!
◆【先物】を取引対象とするCFDは 「価格調整額」があって、「金利調整額」と「権利(配当)調整額」がないガォ!
「価格調整額」は、ポジションを持ったまま、先物の限月交代を迎えると、
↓
●次の限月の先物価格が高いケースでは、
評価益が増えるガォ(評価損が減る)。
価格調整額を支払うこととなるガォ。
価格調整額を受け取ることとなるガォ。
評価益が減るガォ(評価損が増える)。
期近の先物価格<期先の先物価格 | 価格調整額 | 評価損益 |
---|---|---|
買いポジション | 支払い | 評価益が増える(評価損が減る) |
売りポジション | 受取り | 評価益が減る(評価損が増える) |
●次の限月の先物価格が安いケースでは、
価格調整額を受け取ることとなるガォ。
評価益が減るガォ(評価損が増える)。
評価益が増えるガォ(評価損が減る)。
価格調整額を支払うこととなるガォ。
期近の先物価格<期先の先物価格 | 価格調整額 | 評価損益 |
---|---|---|
買いポジション | 受取り | 評価益が減る(評価損が増える) |
売りポジション | 支払い | 評価益が増える(評価損が減る) |
つまり、結局のところ、
価格調整額って損得勘定は同じってことね。
価格調整額をもらえる時は
買いポジションでも、売りポジションでも評価損が増えていることになり、
逆に、価格調整額を支払う時は
買いポジションでも、売りポジションでも評価益が増えているってことね。
すごく勉強になったわ。ありがとう!らいおん料理長。
<注意喚起>
当社の取扱う店頭CFD取引は、元本や利益を保証した金融商品ではなく、原資産の価格の変動、為替レートの変動等やレバレッジ効果により元本を上回る損失発生の可能性があります。株価指数関連CFD取引及び先物ではない商品を原資産とするCFD取引は、金利調整額が発生しますが、(買建玉を保有している場合は支払い、売建玉を保有している場合は受取り)、金利水準が各国の経済事情や政治情勢等様々な要因を反映するため変動するので、売建玉を保有している場合でも、当社への支払いとなることがあります。加えて、ETFを原資産とするCFD取引では、原資産となるETFの調達が困難な状況下で借入金利調整額が発生することがあり、売建玉を保有している場合に支払いとなります。また、株価指数関連CFD取引は配当金・分配金の権利確定日の取引終了時点で建玉を保有していた場合、権利調整額が発生します(一般に買建玉を保有している場合は受取り、売建玉を保有している場合は支払い)。但し、原資産となる株価指数自体が配当金を考慮している指数の場合等は、使用するリクイディティプロバイダーによって、売建玉を保有している場合は受取り、買建玉を保有している場合は支払いとなる場合があります。株価指数関連CFD取引の原資産にコーポレートアクション等が発生した場合は、当社は原則、決済期日を定めた上で新規建て注文を停止します。建玉を決済期日までに決済されなかったときには、当該建玉は当社の任意で反対売買により強制決済されます。この他、商品先物を原資産とするCFD取引は、決済期限がなくお取引いただけるように、日々ロールオーバーを行い、自動的に決済日が翌営業日以降に繰り延べられ、当日の取引終了時における未決済ポジションに対して当社が定めた価格調整額が発生します。取引におけるお客様のコストは、スプレッドとなり、相場急変時や流動性が低下時等、大きく広がる場合があります。個人のお客様の必要証拠金(取引において最低限必要である資金)は、想定元本(株価指数関連CFDの場合、基準値×1.1×取引数量×1Lotあたりの取引単位×円転換レート、商品CFDの場合、基準値×1.2×取引数量×1Lotあたりの取引単位×円転換レート)を算出し、株価指数関連CFDの場合10%、商品CFDの場合5%以上を乗じた額となり、レバレッジは想定元本÷必要証拠金で算出されますので、それぞれ最大10倍・20倍となります。
取引に当たっては、契約締結前交付書面をよくお読みいただき、内容をご理解の上、ご自身の判断により取引を行っていただきますようお願いいたします。
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