プロジェクトの背景・概要
プラン・インターナショナルのカメルーンでの活動は、1996年より活動を開始し、現在は首都ヤウンデにある国統括事務所と5つの現地事務所を拠点として住民参加型開発活動に取り組んでいます。
本プロジェクトは、カメルーン中央州ニオン・ムフームー区アンドム、ンコルメウ村で実施しました。
カメルーンは、18歳未満の子どもが人口に占める割合49%で、その内小学校(6年制)は義務教育で無料のため、小学校への進学率は92%ですが、中学校(主に4年制)への進学率は68%、高校への進学率は43%と低くなっています。中等教育へのアクセスは、都市部に暮らす人々と、貧困層、農村地域に暮らす人々との間では格差があるため、後者における中等教育への支援が特に必要となります。
ニオン・ムフームー区アンドムは、カメルーンの中央部に位置し、ンコルメウ村には1801人の住民がいます。大半の住民は、農業に従事しています。
ニオン・ムフームー区の中等教育への進学率は57%で都市部より低く、若者の失業率は25%です。
ンコルメウ村には、今まで小学校があるのみでしたが、2014年に技術中学校を設立し、同技術中学には現在、電気・大工・会計コースがあり、生徒62人(うち女の子19人)が在籍しています。2020年からは、縫製コースを開始予定で、中途退学した女の子約20人が入学を希望している状況です。
同校では、コミュニティ・メンバーにより作られた木造の簡易教室と座り心地の悪いベンチを使用しており、適切な学習環境ではなく、また教員室や教材もなく、教員は質の高い教育を行うことが困難になっていました。
このため、子どもたちが常に安心して学べる学習環境の整備が必要と考え、今回、カメルーン中央州ニオン・ムフームー区アンドム、ンコルメウ村に位置する技術中学校に、新しい教室の建設を通じて子どもたちの学習環境の改善を目指しました。
学校建設完成
プロジェクトは2019年7月に開始し、2教室の建設、教室備品の支給、学用品の支給、子どものセーフガーディングに関する研修を行い、2020年6月に活動を無事完了しました。
■生徒数に見合った学習環境
ンコルメウ村の技術中学校に2教室が建設され、教室の備品も支給された結果、同校に通う子どもたちが、安全な教育環境のもとでより質の高い教育を受けられるようになりました。また、教室が増えたことで、より多くの子どもたちが学ぶ環境が整いました。
■子どものセーフガーディングに関する研修
コミュニティ・リーダーなどを対象に、子どものセーフガーディングに関する研修を行ったことにより、住民の子どもを守る意識が高まりました。また研修にて、技術を学ぶ若者、特に女の子を増やす重要性についても話しあったことにより、住民の理解が深まり、今後、同校にて技術を学ぶ若者、女の子が増えることが期待されます。
現地の声
「今まで使用していた教室は、埃やヤギの糞で汚れていたり、嫌な臭いがしていました。また、雨が降ると、教室の内部にいても雨で濡れてしまい、寒かったです。新しい教室ができて、私たちは安全で快適な環境で学ぶことができるようになりました。ご支援をいただき有難うございました」(ゾア/14歳、1年生)
「新しい教室が建設されて、生徒が安心して学べる学習環境になり、とても嬉しいです。ご支援を頂き感謝を申し上げます」(ロバート・タヒム、校長)
「子どものセーフガーディングに関する研修に参加して、セーフガーディングは村の住民全員に関わることであると学びました。子どもたちに対して、しつけと称して身体的暴力をふるうこともありますが、子どもの健やかな成長を妨げるものであり、そのような行為をするべきではありません。また、研修にて女の子と男の子は同等の権利があり尊重しなければいけないこと、そして女の子も男の子と同様に技術を学ぶことができることに気が付きました」(メヤンガ、村長)
「以前は木造の簡易教室しかありませんでしたが、新しい教室ができて「学校」という名前に値する学習環境になりました。私たち住民は、子どもたちがしっかりとした学校で勉強ができるようになり、本当に喜んでいます。ご支援有難うございます」(エバンガ、住民)
学校建設プロジェクト
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