プロジェクトの背景・概要
プランは、エクアドルで1964年に活動を開始して以来、現在は14の現地事務所を拠点として住民参加型の地域開発活動に取り組んでいます。
エクアドル南部にあるゴンサロ・サルデュムビデ学校では、50人の児童が学んでいますが、人数に見合った教室や設備が不足しているため、子どもたちは授業に集中することが難しく、高い留年・中退率と低い学習達成度が問題となっていました。
さらに、教育機関実施の調査の結果、この地域には今後基礎教育過程に進む子どもの数が多いことが分かっていますが、現在の1年生用の教室はとても狭く、新しく入学してくる子どもたちの受入れに最低限必要な広さのある教室や設備を整えることも困難な状況でした。コミュニティでは国や地区行政へ新校舎建設の支援を要請してきましたが、具体的な動きはなく、支援の目処が立っていませんでした。
本プロジェクトでは、前述の問題を解決するため、ゴンサロ・サルデュムビデ学校に、新しい教室を建設し、同校の子どもたちがより良い環境で学べるようになることを目指しました。
学校建設完成
2011年4月8日に、51人の児童、保護者、コミュニティのリーダー、地域の若者や年長者、副区長や地区議会議員など、プロジェクトに協力した人々が多数参加して、新校舎の落成式を執り行いました。
■ 子どもたちの学習環境の改善
安全で快適な2教室が完成したことにより、ゴンサロ・サルデュムビデ学校に通う児童たちの学習環境が格段に改善されました。子どもたちのプロジェクトへの積極的な参加によって、新教室は子どもたち自身のアイデアを採用したデザインで建設されたため、子どもたちは大変喜んでおり、以前より意欲的に学習に励むようになりました。また、教師たちにとっても、環境の整った六角形の教室は教室運営がしやすいため、子どもたちがより効率的に学べるよう指導法の改善に熱心に取り組むようになりました。このようなことにより、今後は、留年や中途退学する児童が減少し、子どもたち全体の学習達成度も向上することが期待されています。
■ 住民参加による、地域の能力強化
プロジェクト期間中、子どもたちを含む地域の人々、学校関係者、自治体の担当者などプロジェクトに関わるすべての人々が良好な協力関係を築き、うまく役割分担をしながらプロジェクトに積極的に参加しました。その結果、地域の人々自身が責任を持って、プロジェクトによる成果を継続させていく体制が整いました。
現地の声
「大きくてきれいな教室が2つもできてとてもうれしいです。これからは僕たちが大切に使います。ご協力頂きました方々、自治体のみなさん、先生やお父さんお母さんが僕たちの夢をかなえてくれたおかげで、僕はこの教
室で勉強することができます。ありがとうございました。」
(アルマンド/6歳)
「私たちはずっと、子どもたちが快適に過ごせる教室を必要としてきました。やっとプランや自治体の協力を得て、私たちの夢が実現しました。今こうして2つの立派な教室ができるまでには、私たちは多くの労力や犠牲を払いました。しかし親や先生たち、コミュニティがお互いに協力しあって、子どもたちの夢を実現できました。子どもたちの楽しそうな笑顔を見ていると、これまでの苦労を忘れてしまいます。ご支援くださった方々にも心から感謝申し上げます。」
(イェンニ/32歳)
学校建設プロジェクト
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