プロジェクトの背景・概要
国際NGOプラン・インターナショナルは、セネガルで1982年より活動を開始し、現在は、首都ダカールの国統括事務所と5つの活動地域事務所を拠点に、多岐にわたる地域開発プロジェクトを住民参加のもと実施しています。
本プロジェクトは、セネガル、ダカール郊外の活動地域で実施いたしました。セネガルは西アフリカの沿岸国で、国民の多くが農村地域に暮らし、農業に従事しています。農村部の貧困状況が深刻であるなか、急激な人口増加と都市化が進み、格差の拡大、若者の失業率の増加がみられます。成人の約6割は読み書きができなく、中等学校の就学率は41パーセントとなっています。
ンディアレメ中学校は、2012年に既存の小学校の建物内に設立されましたが、徐々に中学校クラスがスペースを占めるようになり、2017年には小学校クラスが完全になくなり中学校だけとなりました。現在、約1,200人(女子690人、男子510人)の生徒が、教師24人(女性11人、男性13人)、指導主事4人のもとで学んでいます。
同校は、生徒数に対し教室や衛生設備、教室備品など全てが不足しており、老朽化も著しい状態で、トイレは男子用3戸、女子用3戸しかなく、こうした衛生設備の不足が生徒、特に女子生徒たちが継続的に通学する妨げとなっています。同校の劣悪な教育環境は生徒たちの学習を困難にし、学力向上の障壁となっており、昨年度の最終学年修了率は44%に留まっています。
このため、生徒数に見合った教室および衛生設備の増設と教室備品支給が必要と考え、今回、セネガル、ダカール郊外ンディアレメ・リマモウライェ地区にあるンディアレメ中学校において学習環境の改善を目指しました
学校建設完成
プロジェクトは2018年7月に開始し、3教室の建設、トイレ1棟(8戸)建設、教室備品の支給、建物・備品の維持管理及び安全管理トレーニングを行い、2019年6月に活動を無事完了しました。
■生徒数に見合った学習環境
3教室とトイレ8戸が建設され教室備品も支給された結果、生徒数に見合った学習環境が整いました。また、トイレの老朽化と不足は、生徒、特に女子生徒たちが継続的に通学する妨げとなっていましたが、男女別の衛生的なトイレができたことにより、女の子たちは月経期間も安心して学校に通えることができるようになりました。
■学校の維持管理
建物・備品の維持管理及び安全管理トレーニングが実施されたことにより、生徒、教師などが基本的な建物・備品の維持管理の能力を身に付け、学校の維持管理ができるようになりました。
■子どもの権利、安全
虐待にあったり、虐待のケースを知った場合の対処方法を学び、子どもの権利、安全を促進できるようになりました。
現地の声
「今まで教室の数が不足していましたが、新しい教室が建設されて問題が解消されました。今は、学習環境が整い、以前より分かりやすい授業を受けることができるようになりました」(ボウバカー/16歳、中学3年生)
「子どもの権利と保護に関するトレーニングに参加して、新しい教室やトイレを建設して頂いた本プロジェクトが、ぼくたちが快適で安全な環境で学ぶ権利に関わっていることを知りました。また、ぼくや知り合いの子どもに起こりうる様々な虐待や虐待への対処方法を学び、虐待根絶のための準備ができました」(ママドウ/16歳、中学3年生)
「ご支援を頂き、快適な学習環境で勉強するという夢が叶いました。これから勉強を頑張り、大学進学をする夢を叶えたいです」(カディ/15歳、中学4年生)
「トイレの建設と建物・備品の維持管理トレーニングにより、私たちの中学校の衛生状態が改善されました。また、新しい教室は広く、十分な数の教室備品があるため、これまで生徒が3人がけで座っていたところ、現在は2人がけになるなど、生徒は快適な学習環境で学ぶことができるようになりました。多大なるご支援に、感謝を申し上げます」(ンダス/ンディアレメ中学校校長)
学校建設プロジェクト
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